急展開
次の日、あたしは小春に呼ばれ、あの大嫌いな家に来ていた。
「日和、この人私の婚約者の結城匠さん!」
「はじめまして。日和さん」
どことなくあたしに似ている気がした。
「君が……日和さん?」
匠と名乗った人にそっくりな男の人がやって来た。
「しの……南條日和です。よろしくお願いします」
「結城です。貴方の……父親です。」
「ちょっと、置いていかないでよ。ここの家広くて迷子になるんだか……」
後ろから茶色でショートヘアで少しギャル系な女の人が来た。
「ちょ、この子匠ソックリじゃない!」
その人はビックリしてあたしの腕を掴んだ。
「母さん落ち着いて!僕の異母兄妹なんだから似てても当然だろ。」
「あぁ、ごめんなさい。貴方が日和さん……。」
何か、明るい感じの両親だな……。
うちとは大違い……………。
「結城、まぁ、座れ。」
お父さんがニコニコしながら近くのソファーに座る。
気付けばお見合いのように座っていた。
「今日来て頂いたのは、日和の事なんです。」
お母さんが段取りよく話をする。
「日和は私と結城さんの子で……」
どんどんお母さんの声が小さくなる。
「ねぇ、」
足を組んで厳つい雰囲気を出していた結城さんのお母さんが声を出した。
「呼ばれるのは全然構わないんだけどさ、こうやって日和さんの話をするってことはそこの家に日和さんを置いてきたくないってことなの?」
「凛子(匠の母)やめなさい!突然そんな言い方は」
「だってそうでしょ?家に少しでも置いておきたいって思うなら声なんてかけないでしょ!」
「まぁまぁ2人とも落ち着いて。」
お父さんが止めに入った。
「ねぇ、南條さん。貴方自分の娘じゃないからこの家に置いときたくないんじゃないの?」
「凛子!いい加減に……」
「そうですよ。」
お父さんは即答だった。やっぱり、あたしは……。
「日和は僕と桜(小春と日和の母)の子じゃないからね。
正直要らないんですよ。南條財閥にとって邪魔。」
「………分かりました。日和さんはうちで育てます。
あんた帰るよ。匠も。」
「母さん……」
あたしは手をとられた。
そのまま歩きだそうとした時だった。
「最後に……尚(小春と日和の父)。小春さんとの婚約無かったことにしようか。君には失望したよ。」
そう言ってあたし達は歩いていった。
車に乗りながら、あたしは外を眺めていた。
「日和さん、改めて結城匠です。よろしくね。」
「え、あ、あたしは……」
「日和、貴方は今日から"結城"だからね。
と言うか貴方誘拐されたことあるんだって!?」
「え、そうなのか!?」
結城さんの両親は凄く驚いていた。
「はい、6歳の時に誘拐されて……。捜索しなかったみたいなんですけど高校入学と共に、逮捕されちゃって……。」
「そこはやっぱいい加減なのね。自分の娘じゃないからって。」
「まぁもう済んだ話さ。匠、小春さんとの婚約は無かったことにしてくれ。」
「うん……分かってるよ。さすがに日和の事を知ったら……」
「結城さん……」
「日和、僕のことは匠でいいよ。兄妹何だから。」
「うん……ありがとう。 」
何だか凄い展開になったけど、開放されて良かった。
やっぱあたしはあの家に必要なかったんだ……。




