元騎士、女侍vs竜魔人の戦いを傍観する。
最近の話の中ではなかなかに長くかけた!!
「………とめないの?……」
「いや、決闘の邪魔するのは騎士道精神に反するからな!!!」
「…………ふーん………」
二人の決闘を傍観する影が二つ。
そこらかしこで爆音が轟き、一色の極光波を放ったと思ったら、次に色とりどりの魔弾をガドリングのように掃射する。
しかし牡丹は難なく避けていた。
遠距離では拉致があかないと、怒声を上げながら拳を牡丹に打ち込むチェルシー、まけじと牡丹は自身の愛刀で拳を斬り落とそうとする、だがうまく刃が通らない、どうやら竜の鱗を体表に出せ、その硬度は九頭龍犬狼以上のようだ。
「オラ、死ね!!」
「なんの!!」
腕と刀の鍔迫り合いは拮抗し、お互いを口汚く罵っている。
「つうか、何よござるってキャラ付け必死か!!」
「そっちこそ早くジャンプボーイから卒業するでござる、この邪気眼ジャンプ子!!!」
チェルシーが相手の刀を無視して腕を強引に振り抜く、力に逆らわず軽やかに後ろに下がる牡丹。
再度始まる魔弾の嵐。
「…………本当にとめなくていいの?………」
「…………この辺人少なくてよかったな〜」
感情が希薄なアイですら不味いと感じる戦いに虚ろな目で呟くエクティス。
何度目かの鍔迫り合いの最中、ふと牡丹はこんなことを言い出す。
「………其方はもしかして拙者を恨んでるんでござるか?」
「は?」
「………其方の親を殺したのは拙者達…………………だから……ッッッッッ!!?!」
気づいたら今まで比べ物にならないほどの圧倒的腕力で吹っ飛ばされる牡丹、一瞬、姿勢制御がうまくできない。
遠くに着地する彼女に憤怒を宿しながら囁くチェルシー。
「…………今のはマジでムカついた………ぶっ殺す」
言葉通り、さらに苛烈を極める彼女達の戦い。
チェルシーが殴りかかると一瞬で腕が鋭い爪と鱗を兼ね備えた、バカでかい凶器に早変わりする。
うまく刀で逸らし、避ける牡丹、横から斬りかかるも、肥大化させた腕を操り難なく防ぐチェルシー。
斬撃を弾かれながらも今度は牡丹から攻める、再度腕で防御しようと構えるチェルシーの意識の外、下段への攻撃、つまり足払いをする牡丹。
「しまった??!!」
咄嗟に対応できず、転がされるチェルシー、無様に地に堕ちた彼女に自身最強の技を叩き込む。
「贋流殺法 昇華の太刀・十乗交差斬り!!!」
回避は不可能と判断し、全身に最高硬度の鱗を出して耐えようとするチェルシー。
「ッッッッッ!!!?」
完全に防ぐことはできず、全身を膾に刻まれ、後方に斬り飛ばされ、崩れた姿勢で着地するチェルシー。
追い討ちをかけるが如く目の前まで移動、大上段に刀をかざす牡丹
瞬間、彼女は自身の言葉を思い出し、トドメを刺すことに躊躇する。
その隙にチェルシーは最高硬度の鱗を無理やり魔力で硬度を引き上げ、牡丹に殴りかかる。
遅れて刀を振り下ろすが時すでに遅い、チェルシーがカウンター気味に振った裏拳に刀が弾かれる。
牡丹の腹に一発入れるチェルシー、瞬間自身の腹にも痛みが走る、牡丹が殴り返してきたようだ。
そのまま超近接のインファイトを開始する二人、一撃の威力に優れるチェルシー、スピードで翻弄する牡丹
何十分も殴り合う二人は最後の一撃と言わんばかりに咆哮する。
「「はぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」」
お互いにクリーンヒットし、同時に倒れる二人、夜空を見上げながら、息を荒くしている。
決着がついたようだ。
「あんた……なんでさっき躊躇ったの?」
「別に………」
「…………言っておくけど、別にあんたらのこと恨んでなんかいないからね…………そりゃ殺された時は悲しかった………でもね、戦争なんだから当たり前じゃない…………殺して殺される覚悟をして戦って命を散らした親父を、私たちを侮辱するような言葉を……倒したあんたが言うんじゃないわよ………馬鹿……」
「……すまん……拙者の武士道もまだまだという事でござるな」
「ふん、わかりゃいいのよ」
二人のやりとりを遠くから傍観しているアイとエクティスは会話しだす。
「ダブルノックアウトか、引き分けだなアイ」
「………そうだね………」
チェルシーの勝ちに賭けていたエクティスと牡丹の勝ちに賭けていたアイ、引き分けだったので勝敗つかず
「やるな」
「お前こそ」




