第14話 4の月7日(1) PT
第14話 4の月7日(1) PT
翌朝、もう習慣になっている朝の調合を終えるとゴートが話しかけてきた。
「お前そんな装備で行くつもりか?」
「そうだけど 何か問題ある?」
「大有りだバカヤロウ おまえ防具はそれか?」
採取のため草原に行くときは、いつもこの装備だった。
ファーラビット相手にはこの麻の服で十分だったのだ。
「まずいかな?いつもの装備なんだけど」
「いいかライト 冒険では死なない事が第一だ いい武器を装備していても防具が駄目なら生き残ることは出来ないぞ」
「そりゃそうだけど・・・」
「というわけで いらっしゃいませライト様」
ゴートは憎たらしいくらいの笑顔で接客を始める。
手持ちのお金を考えながら防具を手に取る。
「ゴー兄この辺でどうだろう?」
「まぁ妥当なところだな」
毛皮の軽鎧:ファーラビットの毛皮を加工した動きやすい鎧 安価のため冒険者が初期に装備することが多い
「これになめし皮の盾を付けて250Gでどうだ? かなり勉強してやってるぞ?」
「じゃあそれでお願いします」
お金を渡し身に付ける。
「おちゃらけた感じにはしたが俺の言った意味はわかるな 死んだら終わりなんだ 意地でも生き残れ」
「・・・」
「まぁ今日はそんなに危険はないから大丈夫だが心には留めといて欲しい」
「わかった ありがとうゴート」
「よし じゃあ出発するぞ 昨日頼んだ品は持ったな?」
昨日ゴートに用意しておく様言われた薬品類をレザーバックに詰め、出発する。
毎度のことだが心配そうにライトを見送るアイに店をよろしく頼み、ゴートと西へ向かう。
道中、ゴートが普段どのように戦っているのか見せて欲しいというからファーラビットを2匹、一人で倒した。
「まずまずだな、じゃあ今度はチーム組んで二人でやってみようか?丁度あそこに一匹いる とりあえず俺は指示しないから好きにやってみろ。」
・・・結果は散々だった。一人でやるより時間が掛かったくらいだ。
いざ敵を目の前にすると落ち着いてゴートに指示など出来ないし、それでますますテンパってしまう、まさに悪循環。
気持ちを落ち着けようと深呼吸をしていると また一匹出てきたので短剣を構える。
「見本をみせてやる 今度は俺の指示通り動け 前衛は俺だ いくぞ」
こちらの殺気に気付いたのかファーラビットが体当たりを繰り出してきた。
前衛であるゴートが装備している銅の盾で真正面から体当たりを受け止め勢いを殺す。
「ライト足を切れ」
指示通りゴートの脇から飛び出し、勢い良く足を斬りつける。
「ッギャ」
足を斬られ、動きの遅くなったファーラビットにゴートは木槌を大きく振りかぶり額に振り下ろす。
頭に大きなダメージを受けたファーラビットはもう動くことは無かった。
「敵の動きを把握し チームの特性を見極め 自分以外の動きも考慮し指示を出し 効率よく狩る わかるな?」
ゴートの教えに頷く、しかしこれが3人、4人と増えるとますます大変そうだ。
(どうやらゴートは今日、新しく出来たダンジョンを見に行くついでに、PTでの戦闘の仕方を教えてくれているようだな)
このあとライトが指揮を取りファーラビットを3匹狩ったところで、人が見えてきた、また後ろには洞窟らしきものがあった。
ゴートが話しかける。
「騎士様 わたくしはロコの町の商人ゴートでございます 王都より受注の品納めに参りました」
ライトがレザーバックから薬品を取り出し献上する。
「確かに、代金は後日王都より清算されるので、待つように」
「畏まりました」
「してゴート ロコの町に被害などは出ておらんな?」
「はい 『素』の影響によりモンスターが活発に行動しており 若干数の軽症者は出ておりますが 重傷者は出ておりません」
・・・
ゴートと王都の騎士の話も終わり、ゴートから話を聞く
どうやらこのダンジョンは現在王都より派遣された騎士により入り口を閉鎖されているようだ。
王都の騎士により数日間封鎖の間、危険度やモンスターの傾向を判定後、開放になるらしい。
今現在は低層階を騎士たちが探索しており、3日後には開放予定だという。
「今日はここまでだな ライト戻るぞ」
ゴートはそう言うと入り口に立つ騎士に挨拶し、来た道を戻り始めた。
ちなみに王都からの注文は量が多く、売値580Gの大口注文だった。
4日後代金は無事店に届けられた。




