↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
河川敷にて  作者: 村上しのぶ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
3/13

ナメクジは壁を這い上がろうとしているが、塩が待っている。

 なんてことをぼんやりと考えながら歩いていたが、考えはまとまらなかった。


 仕方ない、この暑さなんだ。

 と、私はそう思うことにした。


 そのうちに例の角に来て、私は人の少ない方へ曲がった。


 はたして向こう側に曲がった人たちは、本当に幸せなのだろうか、と思った。


 改めて考えてみると、そうとは言えないような気がした。


 本当に幸せな人は、こんなところで駅を降りたりはしないのだ。


 政治の正解はわからないが、それが答えであることは間違いないような気がした。


 ハローワークに着いた私を、生ぬるい冷気が出迎えてくれた。


 私はいつもここに来ると気分が悪くなった。


 なんだか自分が、100メートルもある壁を這いあがろうとしているナメクジになったような気分になる。


 焦ったさと後ろめたさが交互にやってきた。



 私は間違った方向に進もうとしているんじゃないだろうか。

 私が進むべき道は、目の前の壁じゃないところにある。


 そんな気になるのだが、ではどこにそんな道があるのか、探しても見つからなかった。


 目の前の100メートルの壁以外に、行ける道はないような気がした。

 でも、苦労して100メートル登り切った先には、塩が待っているかもしれないのだ。


 いや、私はそれ以前に壁を登り切れないのではなかろうか。


 しばらくの間、パソコンを使って求人を検索した。


 いや、検索しているフリをした。


 また後ろめたさが、今度は別の後ろめたさがやってきた。


 驚くべきことに、後ろめたさにも種類があるのだ。


 まあ、いいさ、と思うことにした。

 熱中症にかかるよりはマシだろう。


 私はそのまま昼近くになるまでそこにいた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。