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焼け跡から続く光〜薬師の私を攫ったのは、人間嫌いの獣人でした。  作者: 不津倉 パン子
後編 未来を見つめて

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金獅子

神々しいオーラが、施設内に蔓延る魔族たちを容赦なく飲み込んでいく。弱った敵たちは、抵抗する間もなく消滅し、残るは魔王軍幹部の男だけになった。


彼は、信じられないといった表情でリコリスとクロウを交互に見る。


「聞いてないぞ…お前たち…一体、何者なんだ?」


男の声は震え、その顔には焦燥の色が浮かんでいる。


クロウは冷たい視線を男に向け、ゆっくりと近づきながら答える。


「さぁな。どうだっていいだろ?お前はここで死ぬんだからな。」


リコリスはクロウに歩み寄り、優しく微笑みかける。


「私は精霊使いです。精霊さんの力を借りる時のように、クロウさんの力を引き出しました。」


彼女の声は穏やかだが、その奥には強い決意が込められている。リコリスは男を一瞥し、悲しげな表情を浮かべながら続ける。


「獣人族にはこんな凄い力が眠っていたのですね。だから獣人族は、この力を恐れた者達に真っ先に滅ぼされてしまった…のではないでしょうか。」


その声は穏やかだが、怒りが込められている。


男は、クロウの心を揺さぶるように、言葉を放つ。


「そうだ!お前、お前の仲間はみんな人間に滅ぼされたんだ!どうしてお前は人間の味方をしている?裏切り者!仲間たちも地獄で嘆いているぞ!!」


クロウは、男の言葉に動じることなく静かに答える。


「確かにそうかもな。俺が死んだらあの世で聞いてみるわ。」


彼の表情からは、一切の迷いは感じられない。


クロウはリコリスの方を向き、優しい声で問いかける。


「リコリス…この姿は長く保たないんだろ?そろそろいいか?」


彼の言葉には、リコリスへの深い信頼と愛情が込められている。リコリスはクロウの言葉に少し躊躇するが、決意を新たにし、震える手でナイフを握り直す。


「…私にやらせてください。」


彼女の目は、強い光を宿し、男を射抜くように見つめる。リコリスは、クロウへの愛と、未来のために、自らの手で決着をつけることを決意した。


一歩ずつ、男へと近づいていく。その姿は、覚悟を決めた一人の女性の強さと美しさに満ちている。


男は、リコリスのただならぬ雰囲気に気圧され、後ずさりする。


「ま、待て…話せばわかる…」


リコリスは、男の言葉を無視し、ナイフを構える。彼女の心には、迷いはない。ただ、クロウへの愛と、未来への希望だけが、彼女を突き動かしている。


「さようなら。」


リコリスは、静かに呟き、ナイフを振り上げた。

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