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そんな話をしているうちに施設の利用時間がやってきて、演劇部演劇班小人役組とアリーシャはロビーで受け付けを済ませ、借りた部屋へと移動した。


ダンスなどで使用することを目的として作られているその部屋は、白い壁と床で、壁の一面が鏡張りになっていた。

広さとしてはそこまで広くないが、八人で使うには丁度いいくらいの広さだった。


「凄い。いい感じの部屋でよかったぁ」


そんな安堵の声をあげたのは、小人役のリーダーに収まった千種(ちぐさ)だ。

白雪姫役の立候補をし、落選してしまったが、その代わりに一年生なのに出番が多い役を担当しているため、小人役のリーダーに抜擢されている。

今回のこの施設の手配も彼女が行ってくれたのだそうだ。


千種(ちぐさ)、小人役の練習なのにお邪魔しちゃってごめんね。後、部屋の手配とかいろいろありがとう」


「全然全然、むしろ小人は白雪姫と絡むところしか出番がないくらいですから、先輩が来てくれたおかげで練習も捗ります。今日は久々の練習ですし、頑張りましょう」


胸の前で両手を握りしめてそう言う千種(ちぐさ)はとても頼もしかった。

その後、千種(ちぐさ)主導の元練習が始まったが、夏休みの間の抜けが少しあって最初こそ(つまず)いたが、練習を続けるうちに思い出し、目の前にある鏡に気を取られてしまうことも何度かあったが、すぐに全員ちゃんと自分の役を演じられるようになった。


「夏休み明けたら真由美(まゆみ)が全体練習するって言ってたから、うちらのシーンで足引っ張んないように頑張んないとね」


凛子(りんこ)が言う通り、各パートごとの練習を繋げて、全体を通しての練習が夏休み明けに始まると真由美(まゆみ)から夏休み前に宣言があった。

夏休みが明けるということは、八月も終わりに近づき、九月になるということだ。

本番が十一月の頭なのだから、いよいよといったところだ。

今までは、まだ時間があるからとか、そんな気持ちで心に余裕があったが、これからは本番に向けてより真剣に詰めていくことになる。

アリーシャは凛子(りんこ)の言葉に身が引き締まる思いで頷いた。

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