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Last Episode
「本当に。君には呆れを通り越して感心してしまうよ。」
「しょうがないでしょ‥‥‥。‥‥‥それだけ後悔していたのだから。」
白衣を着た男は背を向け、やってきた方へ戻ろうとする。
「もう行くの?」
無菌室の中で、名残惜しそうな音を奏でる。
「ああ。ここへ来たのは、単に一つの疑問を解消したかったからだ。」
「それに、俺の目的は既に達せられた。」
男は女の方へ身体を向ける。
「君は‥‥‥いいのか?そのままでは手遅れになるぞ。」
「いいの。‥‥‥これが‥‥‥私にとってのすべてだから。」
男は答えを聞き、どこか懐かしい顔を浮かべて去って行った。
何も選ばずに、後悔だけを抱えたが故の末路。廃人になろうと構わない。"ニンゲン"になろうと構わない。それでも、彼と同じように自分の信じた道を進み続ける。
『後悔を、後悔と思わないために』




