第三部 第十七章「帰還/最後の代償」
目を覚ますと、どうやらベッドに横たわっているようだった。
視線を上げると、右手側は窓が開いており、心地よい風が白いカーテンに揺られてやってくる。そして、左手側は少し厚めのカーテンがベッドを囲んでいた。そのため、その先はよく見えない。
何やら、廊下から足音が聞こえてくる。一つではない。二人分ぐらいの足音。バタバタと音を立てていたので、慌てているのかなと思った。
なぜか、左手側からカーテンが開けられる。外の光が入ってくる。あまりの眩しさに、思わず目を細める。
開けるのなら、声をかけてほしいと思った。
開いた方へ目をやると、そこには二人の少女がいた。どこか大人っぽい雰囲気がしているのに、彼女らが目にいっぱいの雫を湛えているからか、とても幼く見えた。
ポツンと、雫が落ちる。下を向くと、ベッドに丸い痕のようなものができていた。彼女らが零したものだろうかと思い、再度見上げる。
どうしてだろう。彼女らの頬にはそれが伝った痕がないのに、ベッドが濡れているのは。
どうしてだろう。見上げれば見上げるほど、目を合わせれば合わせるほど、自身の頬が濡れてしまうのは。
どうしてだろう。彼女らが抱き寄せて涙を流しているのは。
どうしてだろう。初対面のはずなのに、彼女たちと心を通わせる事ができていると思えるのは。
どうしてだろう。この魂が熱く煮えたぎっているのは―――




