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Interlude「原点」
『好きにはならない』
そう言わざるを得なかった。だってあの顔は、あの声音はそれを望んでいるように思えたから。
そしてあの優しい顔。嬉しそうな顔。二年前に見続けていた彼と同じに見えた。その時、私はこの選択が正しいものなのだと確信することができた。今でも彼のことは好きだ。きっと、それはこれからも変わらない。拒絶されるだろうけど想いを伝えたい。その思いは確かに在る。けれど、それはあの時の二の舞になってしまうから。私は彼への恩返しのために、責任を果たすためにここに来たのだから。
だから、これからは我慢をする毎日になるだろうけど、それでも構わない。
先輩の、本来のあなたの傍にいられるのなら―――




