第二部 GOOD END「憧れ」
第二部 最終章より
case1
『俺も君のことを―――』
昔から、『恋とはどういう物なのだろう』と漫画やドラマを見る度に思っていた。憧れていたと言ってもいい。なぜなら、今まで恋をしたことが無かったから。何より、誰かを愛するということを自分はしてはいけないと己に課したあの日からずっと―――
絶対に手が伸ばせないとわかっていたから。
絶対にこの手に掴んではいけないと理解していたから。
だから、渇望とまではいかなくても、恋をしてみたいとはずっと思っていたし、そう生きられたらとも思っていた。
事実。美鮮のことが嫌いなわけではない。いくら、己に課したモノがあったとて、好意と呼んでもいいのか分からないぐらいの曖昧な感情は持っていた。頼りになる相棒、親友のような感覚は間違いなく生じていた。
―――だが、それだけではなかったというのも、また事実。
か細い指。華奢な身体。肌から伝わる体温。それを感じる度に、自分の中で名称のつけられないような感情が大きくなっていった。
これを何と呼べばいいのか分からなかった。けれど、それは幼い頃から夢見ていた『何か』に形容するに相応しいと、今ようやく理解した。
「俺も君のことを愛している。」
彼女の肩を両手でしっかりと掴み、その瞳の奥にある何かへ訴えかける。
この答えが正しいのかなんて判らない。
でも、『この気持ちに間違いはない』
そう思えたから―――




