爆炎の終息
「担イシ者タチ」第十七話です。
今回、次の話へのつなぎということでかなり短いですが、よろしくお願いいたします。
「さて……どうしよっか、この状況」
美佳は今は瓦礫と化した元建築中民家を視界の中央に捉えて戸惑いの言葉を発した。
「とりあえず警察かなんか呼んだ方がいいかも……。鈴も今こんな状態だし……」
祈も美佳の視線の先にあるものと同じものを捉えて、いつも通りの小さな声でそう言った。
「……そうだね……警察とかはやめといたほうがいいかもね。あの家に埋もれてるやつのおかげでこんなに大きな被害が出てる。警察だけでは多分対処できない。対処できないとなると……自衛隊かなんかがでてくるかも」
「え……それ、いいことなんじゃない? 私たちも保護してもらえるかもだし……」
「祈も見たでしょ? あの報道……魔術師が敵だ、っていう報道。あんなに大々的に報道されているんだよ。多分、国も魔術師と戦う準備をとっくに整えてる。だから警察を呼ぶのはダメ……。あの爆破犯は後で警察が来たときに連れて行ってもらおう」
美佳は状況を決して軽視せず、それでいて客観的な捉え方で爆破犯の男をどうすべきかを決定した。
「そうだね。じゃあ、私たちはどうすればいいんだろ……」
「とにかく安全を確保するためにも、どこか隠れる場所を探そう」
「わかった。あ、そうだ。ハツキと梓ちゃんと合流しないと……」
祈はそう言うと懐から携帯電話を取り出した。
「あ、着信がある……。気付かなかった」
「は、ハツキが戻ってきてるの!?」
美佳は驚嘆の声をもらした。
しかし、周りには音を反射させるものが何もなく、本来ならかなり遠くまで聞こえるであろう美佳のその声は空虚な大気中へと消え去った。しかしそれは祈たちにとっては都合がよいことであった。
「う、うん。そうだよ。なんか、怪我とかいっぱいしてていろいろ変わっちゃってたけど……でも、怪我とかが無ければ私たちの知ってる普通のハツキ……何も変わらないよ」
祈はハツキの現状を必死に伝えようとしているが、どうも空回りしているようであった。ハツキのことになると少し落ち着かなくなってしまうのは祈の昔からの癖であった。
「い、祈、落ち着いて。それにしても、ハツキが無事だなんて、夢みたい……。よし、とりあえず合流しよう!」
美佳は感動のあまり涙を流しそうになるその橙色の眼を手首でこすり、拭った。
読んでくださりありがとうございました。
前書きでも書かせていただいたように、この話は次の話へのつなぎのようなものでした。というわけで次話はできるだか早く投稿したいと思っておりますので、よろしくお願いします。
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