リンク規模拡大=?
かなり遅れてしまいました。申し訳ございません。
「担イシ者タチ」第十二話です。
今回は完全にガールズラブな感じですので、苦手な方は序盤と終盤だけ見ていただけると幸いです。
よろしくお願いします。
「う、うーん……」
霧科祈は起き上がる。建物の爆発に巻き込まれた後、気絶してしまっていたようだ。どうやら運よく瓦礫の下敷きにはならなかったようだ。
「うん……。あ! 鈴は!?」
祈はあたりを見回した。辺り一面瓦礫の山。ショッピングモールが一つ潰れただけなのに、なぜか見える範囲がすべて瓦礫と化していた。
しかし、見える範囲には鈴の姿はない。
「私をかばって……がれきの下に……?」
下を向いてつぶやく。
「探さなきゃ……」
祈はそう言うと、おもむろに足元にある瓦礫の山をかき分け始めた。
瓦礫を四つほどどかすと、中から小さな足が見えた。
「! 鈴!」
祈はその足の周りの瓦礫を必死に取り払った。
瓦礫、と言っても、爆発の威力が大きかったせいか、あまり大きなかけらではなかった。
か弱い少女でも一つ一つ取り除けるほどの大きさである。そこら辺に落ちている少し大きい石ころとあまり変わらない大きさだろう。
「す、鈴!」
ようやく足の周りの瓦礫をすべて取り除き、その足の持ち主が鈴であることを確認する。
鈴の頭や腕、太ももなど、体の多くの箇所からかなりの量の血が噴き出している。
祈は、咄嗟に鈴を抱きしめた。
ドクン、ドクン、と鈴の心臓の鼓動が祈の胸に伝わり、同時に祈の心臓の鼓動と衝突し、相殺する。
祈はその過程を確認し、鈴が生きていることを確認した。
「よかった……まだ生きてた……」
祈りは思わず涙を流してしまう。
その次の瞬間だった。
鈴の体にあった多数の傷口が塞がり始めた。傷口が緑の光に包まれ、みるみる塞がっていき、出血もおさまった。
「う、ん……」
「鈴! って、あれ……? 傷口が塞がってる……?」
「い、祈……? 私……どうして……?」
「あ、気がついたんだね! よかった……。そっか……私、鈴とリンクしてたんだ……。だから傷口が塞がったのか……」
祈は自分の魔術による回復力を改めて実感し、驚いた。
「ああ、私たち、爆発に巻き込まれたんだったね……」
「うん……そうみたい。鈴が私をかばってくれたから私は生きてるんだね」
「そんな……祈が死んじゃってたらリンクも解けて私も死んじゃうところだったよ。リンクしといてよかった。ありがと、祈」
鈴は祈に微笑んでそう言った。
「……で、この瓦礫の山はなに? ショッピングモールが一個潰れただけでこんな広範囲に瓦礫が広がるもんなの?」
鈴が勢いよく立ち上がり、あたりを見回す。
「わかんないけど……たぶん、私たちが気絶してる間にショッピングモールを壊したやつがたてつづけに爆破していったんだと思う」
「自爆テロかなんかだと思ったけど、違うみたいだね。となると、考えられるのは……」
「私たちみたいな魔術師がこれをやったってことだね」
祈は鈴に倣って立ち上がり、真剣な表情でそう言った。
祈たちが気絶していた時間は約二十分。爆破犯はそう遠くには行っていないだろう。
「近くにあった警察署もダメなようだし……犯人は私たちが探して倒さないとだめみたいだね……」
「そうだね……これ以上被害が広がらないように早く犯人を倒しに行こう。あ、そうだ。鈴、リンクの規模を大きくした方がいいかも」
「リンクの規模を……大きく?」
「うん、回復力の向上とか回復速度の加速とかの恩恵を受けられるよ」
「じゃあ、お願いしようかな」
「はい。じゃあ、ん」
「……ん? どうしたの? 目を閉じて……」
「なんか、リンクの規模を最大にするにはキスが必要みたいで……」
祈がそう言い放った瞬間、鈴が慌てふためく。
「は……はい!? なんでキス!? しかも……女同士で!?」
顔を赤くして、あわあわと手を振りながら視線を祈からそらしたり祈にあわせたりする。
「女同士だからいいんじゃん……ほら、早く。結構恥ずかしいから」
「……はいはい。やればいいんでしょ……。多分相手は強敵だし、このぐらいしないと厳しいかもしれないからね」
鈴が自分を納得させるための理由を作り、言葉に変換する。
そして、顔を赤くしながら祈の首に手を回す。
(ふわ! 手、首にまわすんだ……)
祈が少し驚いてしまう。
「い、いくよ?」
「うん……」
鈴は祈の唇にそっと自分の唇を合わせた。
(ふわあ……やわらかい……)
鈴は先ほどまで否定していたのがウソのように祈の首の後ろで組んだ手をさらに強く組む。
「あ……ふえ! ち、ちょっと! 長いよ、鈴! ちょっとでいいのに!」
「あ、ごめん……つい……」
祈が一歩後退し、頬を膨らませて鈴に文句を言う。
「とにかく、これでリンクできたんだよね」
「うん、まあね。傷を負ったとしても、その瞬間回復するはずだよ。リンクはお互いが百メートル以上離れた瞬間解けるから気をつけてね」
祈がそう言った瞬間だった。
北西の方角からドゴーン、という音が鳴り響いた。
「あっちだね……。行こう、祈」
「うん……」
祈と鈴は北西の方向へと足を進め始めた。
読んでくださり、ありがとうございました。
最近投稿時間が遅れがちなので、ちゃんと時間きっちりに投稿できるように努力します。
今回の話は完全にガールズラブな感じで、苦手な方はやっぱりいると思います。
僕はもう完全にGL好きなわけですが、まあ変態というわけではありません笑
次の話は戦闘話ということで、久々に本格的な戦闘を描写しようと思います。
小説の勉強などもしているのですが、全く文章がうまくかけるようにならないので、温かい目で見守っていただけると幸いです。
次回の投稿は明後日4月26日の1時ぐらいにしたいと思います。
次回もまた見ていただけると光栄です。
感想や文章の指摘など、送っていただけると嬉しいです。
ブックマーク等もできればお願いいたします。




