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闇を背負う者、破壊を有す  作者: 松佐
破壊の使徒
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エピローグ

大陸全土で起きていた不可解な、誘拐事件。希少な魔法属性を持つ者のみが忽然と姿を消し、行方不明となる。一部では神隠しとも呼ばれていた事件の裏では破壊神を信仰する邪神教国が糸を引き、破壊神復活を目論んでいた。


その事実は大々的に報道され、瞬く間に大陸十に広まり、行方不明者は一人残らず帰還した。不思議と誘拐されてからの記憶がなく、しかし魔力を消費した時と同じ性質の、けれど極端に酷い倦怠感を訴えていた。彼らの属性魔力が邪神復活に流用されていたのは火を見るより明らか。


幸いにも後遺症もなく誘拐以前と変わらない生活を送れているが、後の専門家は語っている。彼ら彼女らは間違いなく生死の境目に立っていた。もしも邪神復活の儀式が成され邪神が復活を果たしていたなら、それは彼ら彼女らの死を意味していた。なぜなら、魔力は生命力と密接な関係にあるからだ。


保有魔力を全て消費して尚も邪神への魔力供給を強制されれば、次に消費されるのは生命力なのだ。生命力の魔力への変換は強引な魔力使用をすれば自然に行われる周知の事実。全員が無事に戻ってこれたのは奇跡だ、と。


その奇跡の立役者は先日建国された国の若き王とその友人。歴史に名を残す偉業だ。行方不明者には小国、大国問わず王族の者も含まれていた。彼らがもしも偉業を成さねば、権力争いで国が二分する事態も起こりかねない情勢の国も存在したのだ。当然、謝礼もあった。


尤も偉業を成した英雄達には不必要な、有り体に言えば政略結婚の許容だったが、直ぐにそれはなくなる。度を越した態度に英雄達は即座に対応した。相手国内に蔓延る不正という不正を全て暴きだし罪ある貴族は容赦なく断罪、貴族の代わりを自らの国から派遣し、文句を呈す王族を滅ぼした。


多少以上にバッシングがあったが、跳ね除ける。弁明を求める各国に若き王はしれっと気負いなく言ったという。民を苦しめる王侯貴族は不要だ。そも、貴公らも含めこちらに政略結婚を強要した国の所為で可愛い妻のご機嫌を損ねてしまった。それだけでも万死に値する、と。


後に行き過ぎた愛妻家の異名を取る若き王であるが、それは殺気混じりの返答を受けた各国のせめてもの抵抗。その後も若き王は不正の多い国は問答無用で(王侯貴族だけを)滅ぼし領土を拡大し、晩年には大陸の三割を統治下においた。決して不正を許さず、民が幸せに暮らせる統治を行った王は民からの信頼も厚く、王の子息らも父の思いを受け継ぎ、大いに国を発展させた。


善性を敷き続けた彼の王の周囲には友人らが、隣には生涯愛し続けた妻が寄り添い支えていたという。死後は歴史上最高の賢君として語り継がれ、王の中の王、王族の鑑と各国の王侯貴族の模範となった。反面、武勇にも優れており、一度戦場に出れば鬼神の如き強さだったという。


今では絶大の知名度を有する過去の人物であるが、同時に謎多き王として目下歴史家の研究対象である。

**********************************

「俺達、すっかり過去の人だな」


「四百年は過ぎたからね。人生長いなぁ」


「飽きたか?」


「一緒にいられるから、文句ないよ」 


                          了

長い間、お待たせしてすいません。重ねてお待ちして貰えてるとか思ってるような文面ですいません。作者としては時間をかけたながらも初めて完結させられた作品になります。進学してから十分に時間が取れず、執筆を全然しなかった所為か途中まで書いて執筆が止まっている作品もあります。これは単に飽きっぽい作者が悪いのですが、締まらないなぁと思いつつも、この作品を最後まで書けて良かったです。読んでくださって有難うございました。

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