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闇を背負う者、破壊を有す  作者: 松佐
破壊の使徒
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破壊の使徒の戦い


会場はぴたりと静まり返っていた。第一、第二試合において尤も苛烈で非常極まりない圧倒的武力を用い各国の国王の子息を一方的に蹂躙し、展開されている負傷軽減などの概念魔法を含んだ結界の効果をものともせずに重傷を負わせた張本人、新生エクシリア王国国王フィル・ランス・エクシリアの第三試合が始まろうとしていた。国王である事実をもう隠そうともしていない。


撃破された第一、第二試合の対戦相手である王子達は精神に負ったダメージが深すぎ、再起不能とまではいかずとも数ヶ月の間は戦えない。もしくは再起しても重度の後遺症が残るとされ、現在も各国の誇る治療士達が全力を持って治療に当たっているが、やはり回復の見込みは当分先らしい。治療士らの意見としてはこれ以上、廃人を医療室に運び込んで欲しくないと満場一致でエクシリア国王か王の対戦相手となる王子達のどちらかを失格なり退場なり無理やりさせろと大会の運営委員会に申し建てを起こしているが、運営委員会は当のエクシリア国王より釘を刺されていた。


「もし、自分を失格なり退場させるのなら人の女に手を出そうとした馬鹿共全員に土下座させて誠心誠意謝罪させろ。じゃなきゃ、各国の王城に馬鹿共を首だけにして送り届けるぞ?」と、もはや完全な脅迫だが、あの目はマジだというのが運営委員の相違であり完全に再起不能にされておらず、また日頃から馬鹿な行動の目立つ連中にお灸を据えると思えば、寧ろ親御さんの代わりに躾直すことになり、馬鹿な施政者の被害を被る可哀想な国民を増やさずに済むのではないかと思うとまで公言し、真っ向から王子達の行動を避難した。エクシリア国王はノリも良く、逆恨みして圧政しいたり戦争起こそうとしたら土左衛門にしてやるとこれまた公言した。


運営委員は若いが決断力のある(容赦がないだけである)王だと(震えながら)賛美し、無慈悲にも治療士達に頑張れ、と遠い目をしながら励ましの言葉を告げ、(青い顔をしながら)そそくさと去っていった。これを見て、同様の遠い目をしつつ治療士達は諦め、逆に開き直って廃人の十人や二十人ドンと来いやと自棄になっている者もいた。なんていう裏事情がほとんどの観客に伝わり、異様な緊張感と沈黙が会場全体を支配しているのだ。


勿論、緊張しているのは観客だけではない。件の王の対戦相手、自ら地雷を踏んで対戦相手となってしまった愚かしい王子は過去の過ちを悔いるが、謝罪の間も与えず断罪の鉄槌を下してくれるとばかりに鬼気迫る悪魔の如き形相を波紋のない水面のように揺れ動かない笑顔に隠して睨みを効かせる王に気圧され、動けずにいた。張り詰めすぎた緊張の糸がギリギリと締め上げられ引き伸ばされ、ともすれば無様に千切れ飛んでしまいそうだった。


失禁しそうなほど恐怖心を煽り立てられる微笑に急かされ、ブチブチと緊張の糸が千切れるのを認識しながら脱力しつつある身体に喝を入れ、自らの全力全霊を掛けた一撃を王に放つ。暴虐と恐怖の権化たる王は微笑を崩さず小指のみでそれを止めた。止め切った。絶対不動の壁を全力で殴ったような途方もない衝撃と激痛を最後に一瞬にして意識を刈り取られた彼は幸運だ。自身の肉体に施される暴虐を知らずに済んだ。心をへし折る拷問をはっきりと認識せずに済んだ。が、結局は教え込まれる。叩き込まれる。本能的な恐怖を、極上の痛みを身体は覚えてしまうのだ。


王は笑う。恐怖せよ愚か者共、とそれは愉快そうにサディスティックな微笑を湛えて意地悪そうに虚空へと消えた。

・・なんだろう。主人公が悪魔だ。それと60000pv突破です。ありがとうございます。これでも一応受験生なんで今まで以上に更新が不定期になりそうですが、大目に見てください。ぶっちゃけ、今後はラストまで直行なんで自分の卒業までには完結するかと思います。



裏設定。第一回戦終了後、友人らに知られぬようにちゃんとリオンに思いを伝え誑し込んで以降は毎夜イチャラブしている。夜という部分に深い意味はないため勘ぐらないで欲しい。二人は非常に健全だよ。否、リオンは健全だよ。フィルは色気モード全開で暴走するけどね。

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