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平和を望んだ少女は、戦争へ進む。 〜敗戦国の再建を目指した少女の誤算〜  作者: 稔


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共通エンジン計画

総統官邸。朝の執務室。

ラインが一通の報告書を手に入ってきた。


「総統。フェル・ポルシュさんから報告が届いております」


ベレは書類を受け取る。


「何かしら?」


ラインは一枚の設計図を広げた。


「新しいエンジンの開発計画です」


ベレは図面を見つめる。


「エンジン?」


ラインは頷いた。


「内容ですが……飛行機にもトラックにも」


「将来的には自動車にも応用できる、共通エンジンを開発したいとのことです」


ベレは思わず顔を上げた。


「え?そんなこと出来るのかしら?」


ラインは少し困ったように苦笑する。


「私も技術的なことは分かりません。ですが……ポルシュさんが、根拠もなく無理を言う方とは思えません」


ベレも静かに頷く。


「そうよね。車も無事に完成させたし、今は量産に向けて工場まで建設している」


机の上の設計図をもう一度見つめる。


「もし本当に共通化できれば……」


「部品も共通になる」


「整備もしやすくなる」


「生産効率も上がるわね」


ラインも納得したように頷いた。


「工場も一から別々に造る必要が減るかもしれません」


ベレは笑みを浮かべた。


「面白いわ!失敗するかもしれない。でも挑戦する価値は十分ある。お願いしてみましょう」


ラインは敬礼する。


「はっ。すぐにフェル・ポルシュさんへ伝えます」


数日後。


自動車工場。

ラインからの電報を受け取ったフェル・ポルシュは、静かに笑みを浮かべた。


「総統なら、そう言ってくださると思っていました」


机の上には、新しいエンジンの設計図が何枚も広げられている。


「車だけじゃない。共和国の未来を動かすエンジンを作ろう」


そう呟くと、フェルは再び鉛筆を手に取り、新たな設計図へ線を引き始めた。

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