国民が選んだ未来
共和国新聞社。編集部では、初めての全国支持率調査が行われていた。
編集長が地図を広げる。
「都市だけじゃ駄目だ。農村も工場も炭鉱もルー地方もだ。共和国全体を歩いて聞いてこい」
記者たちは一斉に立ち上がった。
「はい!」
数日後。
各地で記者たちが国民へ話を聞いて回る。
ある工場では。
「共和国になって仕事が増えました」
「毎日忙しいけど、働けるって幸せですね」
炭鉱では。
「ルー地方が戻ってから仕事が戻った」
「家族を養えるようになったよ」
農村では。
「農業機械のおかげで作業が楽になった」
「収穫量も増えそうだ」
病院では。
「医療保険のおかげで安心して診てもらえる」
「治療費を心配しなくていいのは、本当に助かります」
工業学校では。
「将来、技術者になりたいです」
「共和国には夢があります」
そしてルー地方。老人が静かに笑った。
「共和国は約束を守ってくれた」
「あの日のラジオの言葉は嘘じゃなかった」
記者たちは、それぞれの言葉を丁寧に書き留めていく。
数日後。共和国新聞社。
集計が終わった。
編集長が結果を見た瞬間、思わず立ち上がる。
「……何だ、この数字は」
周囲の記者も集まる。
「支持率……」
「九〇%を超えてます!」
編集部が静まり返る。
編集長はもう一度数字を確認する。
「間違いないな?」
「はい」
「何度集計し直しても同じです」
編集長は椅子にもたれ、大きく息を吐いた。
「こんな数字……見たことね……」
翌朝。新聞の一面には大きく見出しが躍った。
『共和国政府支持率 九〇%突破』
『国民が改革を支持』
その頃、総統官邸では、ラインが大きな包みを抱え、嬉しそうに執務室へ入ってきた。
「総統!」
「完成しました!」
「完成?」
包みを開くと、一枚の旗が広げられる。
ベレは思わず立ち上がった。
「おー!」
旗の両端は鮮やかな赤。中央は白。
そして白地の中央には、大きく翼を広げたドラゴンが描かれていた。
「私の領地のドラゴン……」
ラインは誇らしげに頷く。
「国民公募で最優秀賞に選ばれた作品です。多くの応募がありましたが、このデザインが圧倒的な支持を集めました」
ベレは旗を静かに見つめる。
「素敵ね。力強くて、それでいて未来へ飛び立つような姿」
ラインも笑顔になる。
「まさに共和国にぴったりです」
数日後。総統官邸で表彰式が開かれた。
最優秀賞。優秀賞。特別賞。
受賞者たちは緊張した表情で壇上へ上がる。
ベレは一人ひとりに賞状と記念品を手渡した。
「おめでとうございます。皆さんのおかげで、共和国の新しい象徴が生まれました」
受賞者たちは深く頭を下げる。
会場は大きな拍手に包まれた。
こうして共和国は、新たな旗とともに、新たな時代へ歩み始めた。
その旗には、国民一人ひとりの願いと希望が込められていた。




