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平和を望んだ少女は、戦争へ進む。 〜敗戦国の再建を目指した少女の誤算〜  作者:


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共和国再建計画

党本部。大会議室。

八人の議員が円卓を囲み、静かに席へ着いていた。私は一冊の分厚いノートを机の上へ置く。


「皆さん!今日は、このノートを見てもらいます」


ルマルが微笑む。


「牢屋で書いていたやつですね」


私は頷いた。


「はい。今まで集めてきた資料と、これから共和国が進む道をまとめました」


表紙には大きく書かれている。


『共和国再建計画』


部屋が静まり返る。

私は最初のページを開いた。


「まず最優先は財政です」


黒板へ文字を書いていく。


第一段階(1~2年)

・財政資料の公開

・紙幣発行量の管理

・統計制度の整備

・政府情報の透明化


「まずは国の現状を正しく知ること。そこから全てが始まります」


全員が真剣にメモを取る。

私はページをめくる。


第二段階(3~5年)

・工業学校設立

・農業機械の普及

・共和国製ブランドの確立

・鉄道網の整備

・技術者育成


「産業を育てる時期です。工業と農業は、どちらも欠かせません」


医師出身の議員が頷く。


「医療も産業が発展してこそ良くなりますね」


私は笑顔で頷いた。

さらにページをめくる。


第三段階(5~10年)

・輸出拡大

・国際競争力の向上

・教育改革

・生活水準の改善

・安定した財政運営


私は黒板へ最後の一文を書いた。


『豊かな共和国』


部屋は静まり返っていた。

誰も口を開かない。

しばらくして、教師出身の議員が静かに呟く。


「……ここまで考えていたんですか」


商人出身の議員も驚いていた。


「十年先までそこまで見ていたとは」


元軍人も腕を組みながら笑う。


「俺は目の前しか見ていなかった」


「お前は国の未来を見ていたんだな」


私は少し照れながら答えた。


「全部できるかは分かりませんでも目標がなければ、どこへ向かえばいいか分かりませんから」


ルマルが静かに立ち上がる。


「私は賛成です」


「この計画を党の基本方針としましょう」


一人、また一人と頷いていく。


「異議ありません」


「賛成です」


「やりましょう」


全員一致だった。

私はほっと胸をなで下ろす。


「ありがとうございます」


その時、党本部の扉が勢いよく開いた。


バンッ!


「議員!」


出版社の編集長が息を切らしながら飛び込んできた。


「大変です!」


私は驚く。


「どうしました?」


編集長は嬉しそうに笑った。


「『我が戦い』です!」


「今日から書店へ並び始めたのですが……」


「朝から売れ続けています!」


「え?」


「初版が、もう無くなりそうなんです!」


部屋がざわつく。

ウス・ライも帽子を押さえながら笑う。


「やっぱりな」


編集長は興奮したまま続ける。


「現在、印刷所へ重版をお願いしています!ですが全然間に合いません!」


書店では開店と同時に行列。

昼前には売り切れ。


「次はいつ入りますか?」


という問い合わせが全国から届いていた。

編集長は頭を抱えながらも笑顔だった。


「嬉しい悲鳴です」


私は少し信じられない表情で呟く。


「そんなに……?」


ウス・ライは静かに答えた。


「皆、知りたかったんですよ。政治家が何を考え。何を見てどこへ向かおうとしているのかを」


私は机の上の『共和国再建計画』へ目を向ける。


一冊の本。

一冊の政策ノート。


どちらも、共和国の未来へ続く道になり始めていた。

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