表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【番外編追加】国宝級天才の最愛 〜四葉を手放せない若き侯爵は、恋の進め方だけが分からない  作者: 有原 詩名美


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
12/18

第12話 真面目なお見合い

トリフォニアは、現状を父に伝える事にした。


とはいえ、三角関係のお邪魔虫だ、昇進の女神だと噂になって…とはさすがに書けない。


悩んだ挙句、ルクセインと幼馴染であるが為、邪推する者もいて彼の幸せの邪魔になってしまう。恋人を作ろうと同僚に紹介を頼んだが上手くいかない。年齢的にも、そろそろ真剣に結婚を考えたい。などを簡潔に説明した。


『結婚を真剣に考えているなら、父も真剣に探そう。待っていろ』と、返事が来たと思ったら翌週には、あっという間に、厳選された三枚の釣書が届いた。


トリフォニアは送られてきた釣書を机に広げ、真剣に目を向けた。家柄、資産、本人の人間性、そして何より「トリフォニアを生涯大切にしてくれるか」という、父の厳しい視点から選ばれた候補者達だ。


これまではただ、噂を消すための婚活だった。けれど、このお見合いは家同士の繋がりがある。軽い気持ちで受けてはいけない、自分の決断が多方面に大きく響く。 


トリフォニアは丁寧に、一人ずつ釣書に目を通す。  


―伯爵家の嫡男 ジュリアン・キャトル 23歳  

幼い頃より、伯爵家の後継として厳しい教育を受けている秀才。温厚で誠実な人柄との事。

キャトル伯爵領は、広大な穀倉地帯を治めており、国内の小麦の三割を産出している。

収入は安定しており、災害対策にも力を入れている。基盤のしっかりした領地だ。王都や、実家のフェリシア領に近いのも魅力的だ。


―国境警備隊 副隊長 レオナルド・サンクベル27歳

北方の過酷な国境線を守る辺境騎士団の若き副長。その男気溢れる性格は、頼れる男と定評らしい。

来週ちょうど王都へ定期報告に来る予定とある。

北方まで会いに行くのは、大変だ。来週が丁度いいタイミングだろう。しかし、北方へ移り住むとなるなら、結婚後は仕事を辞めなければならないなとトリフォニアは思う。


―ギルバート・シスレイ子爵 25歳

若くして急逝した父の跡を継ぎ、斜陽だった南部の領地を見事に立て直した前途有望な子爵。 

柔らかい物腰だが、観察眼は本物との評価。

シスレイ領は羊毛が主産業で、流通経路や販売網の開拓、領独自の羊毛商品を開発したことが功を奏したと話題だ。南部の温暖な気候は暮らしやすそうだ。


トリフォニアは、驚いた。皆、有能で、経歴だけ見れば文句のつけようのない優良な人物ばかりだ。

釣書には簡単な領地の経営状況や、移住先となる土地の風土までまとめられていた。

結婚後の生活を想像しやすいようにとの配慮なのだろう。この短期間で、よくこれだけの人物を見つけたものだと、父親ながらその有能さに感心した。


しかし、同時に思った。

父もそれだけ真剣なのだと。

三枚の釣書を見終わると、フェリシア伯爵家令嬢として、家の名に恥じぬよう気を引き締める。


『紙面の情報だけでは、人の本質までは分からない。家の利などは考えず、まずは、トリフォニアが共に人生を歩みたいと思える人物かが大事だ。自分の幸せを第一に考えて、結婚相手は選びなさい。父の望みは、君が結婚で幸せになれること、それだけだから』

同封されていた手紙は、父の愛情に溢れた言葉で締め括られていた。


「ありがとう。お父様」


手紙に向かって思わずそう呟くと、トリフォニアは休暇申請書に手を伸ばした。


――数日後


ルクセインは山のように積まれた書類を捌いていた。その中の一枚を手に取った瞬間、我が目を疑った。


【有給申請】 監査室 トリフォニア・フェリシア

――申請理由 お見合いの為の帰省


有給日程は、今日から1週間だった。


ダンっ!


(待て。話は全部潰したはずだ。なのに、なぜお見合いになる!?)


机に書類を叩きつけると、ルクセインは慌てて執務室を飛び出した。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ