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第二百三十二話 途絶えた言

今週もよろしくお願いします。

梨奈の両親は俺が梨奈へ送ったメールにも目を通し、梨奈からもいろいろ聞いていたこともあって話の通りは悪くなった。


俺はできるだけ自分の感情を抑え、客観的な事実だけを話すように努めた。


梨奈の父親は時折、話の内容を確かめるために疑問を差し挟み、詳しい説明を求めたりしながら俺の話を聞いていたが、梨奈の母親は、終始口を閉ざしたまま耳を傾けていた。




俺は話を聞き終えた時、梨奈の両親がどういう反応をするのか気になりながらも話を進めていった。


梨奈を守り切れず危害を加えられてしまった以上、梨奈の両親がその原因を知りたいと思うのは当然のことであり、避けては通れない道だった。




 全て話し終え、目の前に置かれていた湯飲み茶碗を手にしてすっかり冷め切って渋味が増した緑茶で喉を潤しながら、俺は梨奈の両親から掛けられるであろう何らかの言葉を待った。


だが、梨奈の両親はすぐには口を開かず、気持ちを切り換えるように梨奈の父親がお茶のお代わりを妻に頼んだ。




その後、また口を閉ざしてしまった梨奈の父親の態度に俺は居た堪れない感覚に陥り、梨奈の父親の姿から目を逸らして、三人分の湯飲み茶碗に新しくお茶を淹れていた梨奈の母親の動きを目で追った。


お茶を淹れ終えた湯飲み茶碗をそれぞれに配り、梨奈の母親が席に落ち着くと早速に熱いお茶で口を湿らせた梨奈の父親が言葉を発した。




「それで、君のご両親が私たちに会いたいというのは……」


俺が話したことについての意見や見解を述べることが一切なく、梨奈の父親が話題を俺の両親に変えたことで俺は違和感を覚えながらも、梨奈の両親に気付かれないように肩の力を抜いた。




「両親は、梨奈が怪我を負ったことについて、お義父さんとお義母さんに謝罪したいと言っています」


梨奈の両親の考えは掴めていなかったが、俺は父の希望を伝えた。


『謝罪』と聞いて、一瞬眉を顰めた梨奈の父親はすぐに真顔に戻すと質問を重ねた。




「謝罪した後は、どうするつもりなのか聞いているか」


「俺が、梨奈との結婚を望んでいることを両親は知っています。本当に梨奈と結婚することになれば、両親もお義父さんとお義母さんとは長い付き合いになるため、謝罪をしてけじめをつけたいのだと言っていました」


俺は両親の気持ちを梨奈の両親に知ってもらい、受け入れてもらうためには言葉を飾らず、父が言った通りに話した方が気持ちが伝わるのではないかと考えそのまま話した。




俺の話を聞いた梨奈の父親は再び口を閉ざし、何事か思案している様子が見て取れた。


なかなか口を開こうとしない梨奈の父親の横顔を、梨奈の母親が心配気に見つめていた。


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