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終われば



その日の夜、なかなか寝付けなかった俺は


リビングでラジオでも聞こうかと思い部屋に入ると、


ゆかが大量のメモ用紙と書類らしきものを見つめて考え込むような表情をしていた。


浅木「、、、まだ起きてたのかよ。」


ゆか「うわぁぁあっ、?!え、はっ、!?」


俺が声をかけた瞬間、肩を震わせて慌てて振り向くゆかをみて俺は不審に感じた。


普段、後ろから気配を消して声をかけてもゆかが驚くことは一回もなかった。


浅木「、、お前、なにか隠してるだろ。」


ゆか「は、、??」


俺はゆかの反応に確信を持ち、踏み込む。


浅木「インオーガニックの話ばっかりで、


お前自身の話なんか一回も聞いたこと無いんだけど。」


ゆかはその言葉を聞いて以降黙り込んでしまう。


俺はゆっくりとゆかの隣に腰掛ける。


浅木「、、俺たち、そんなに信用ないのか、?」


ゆかは目を丸くして首を横に大きく振る。


ゆか「、、ちがう、、っただ、、


突き放されたりするのが、怖い、だけ、、」


ゆかの震える声に俺はすこし胸が痛む。


浅木「、、突き放したりなんかしねぇよ。」


無意識にそんな言葉が出てきた。


ゆか「、、、」


まだ言うのをためらっているゆかの肩に手を置き、顔を近づける。



浅木「人間兵器だとしても、お前は、お前だろ?」


ゆかは揺れる瞳でこちらを見つめ、ゆっくりと口を開き始める。


ゆか「、、、、僕、フランス出身なんだ。」


浅木「は?」


何かの冗談だと思い、流そうとした瞬間ゆかは話を被せて続ける。


ゆか「インオーガニック製造組織は、日本にあって、


製造して、育てる本部は、フランスにあるの。」


浅木「じゃあ、お前どうやって逃げて、」


ゆか「、、そのまんまだよ、


フランスから、海を越えて、ここまで逃げてきた。」


浅木「、、、自分を使って、?」


ゆかはこくりと頷く。


ゆか「、、人間兵器だもん、簡単にここまで来れちゃった。


、、、きっと、本部にいたみんなは、僕を恨んでる。


だって、、苦しい訓練から僕だけ逃げた。


背後からは、、非難の声がずっと聞こえてきた。」


悲しそうな顔で俯くゆかを抱き寄せ、呟く。


浅木「、、時には逃げることも必要だろ。」


ゆか「、、そう、、かな、」






このしんみりとした空気の居心地が悪くて、無理やり話題を変える。


浅木「、、お前、フランス出身なんだっけ?フランス語喋れんのかよ。」


ゆか「まぁ、、話せるけど、、、」


浅木「じゃあ、なんか話してみろよ。」


ゆか「えぇ、、??」


ゆかは疑わしげな表情をしながらも、呼吸を整える。


ゆか「、、、、








































































  (あなたが好き)

  je t'aime bien」






浅木「ありがとう」


俺が即答すると、ゆかは驚いて部屋のカーテンまで走ってカーテンにくるまる。


ゆか「はっ、、?!?、え、、はぁ、、?!?!」


浅木「実は俺もちょっとフランス語わかんだよ。」


頬をかきながらそう言うと、ゆかは顔を真っ赤にして睨む。


ゆか「さいてい、、、」


消えそうで震える声に、俺は不覚にも可愛いと感じてしまった。


浅木「んでだよ。俺悪くねぇじゃん。」


ゆか「悪い”!!も”〜〜〜、、!!」


キレ気味のゆかを見て苦笑いし、立ち上がる。


浅木「あーはいはいごめんごめん。


また明日な。」


ゆか「っ、まって、!」


俺がゆかに背を向けると呼び止められ、再びゆかの方を向く。


ゆか「、、浅木の、ことも、、知りたい、、、」


浅木「、、、お前の復讐が終わったらな。」


そう言って俺は自室に向かった。













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