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育成

ゆか「、、インオーガニック。エネミー対抗の、、ためだけに、作られた、、人間兵器。」


りんと俺は、目を見開いて固まる。


ゆか「何?嫌な、ら出てく、けど」


ゆかの日本語はすごくたどたどしかった。


だがさっきまで自分の命を助けられたことを忘れたかのように態度はデカく、


ソファに腰を掛け腕を広げて足を組んでいる。


ゆか「、てか、あなたたち誰?僕のこと探ってるけどまず自分が先に


名乗るのが礼儀ってもんじゃないの??どういう育ち方したの???これだから人間は、」


暴言や煽りのところだけ流暢になる日本語に俺は腹を立てていた。


浅木「、、今このエネミーだらけのクソ寒い森に放り出してもいいんだぞ」


ゆか「ワー、オニイサンダイスキーー」


りんはやれやれといわんばかりに首を振ってゆかに近づく。


りん「あたし、りん。エネミー討伐部隊の、17歳。」


ニコッと笑ってゆかに手を伸ばす。


ゆかはその手をまじまじと見つめながら無視する。


ゆか「、、別に。仲良く、しようと、、思ってないし。」


りん「浅木やっぱこいつ外に出そうか」


ゆか「うーん、まぁ僕、戦いには向いて、いるだろーけど、、寒いのは、やだなーーー」


ゆかはソファにもたれかかりながらそう呟く。


浅木「お前はどうして廃墟に倒れていたんだ?」


ゆか「、、ひみつ、でーす」


ゆかが人差し指を口元に持っていき片目を瞑る仕草に俺は心底苛立った。


浅木「なんでだよ」


ゆか「やー、こっちにも、いろいろ、、わけが、ありまして、、、、ね。」


小さいこどものような語彙しか持っていない言動に強く拳を握った。


浅木「インオーガニックはほとんどの生活が内密で厳重なはずだが。」


ゆか「やーん、、難しいことば使わないでぇ」


ゆかは顔をしかめて耳をふさぐ。


浅木「いいから教えろっt」


バァンッッ


すると壁に大きな穴が開く。


何事だとおもった俺とりんは慌てて後ろを向くが、エネミーも誰もいなかった。


遠距離型のエネミーかと思い、少し戦闘態勢を整えているとゆかが口を開く。


ゆか「あー、やっちゃった。」


何事もなかったかのようにつぶやきながら頭をかくゆかを見て俺とりんは呆れる。


ゆかの左腕は、人間が使う義手のようなものになっていて、


手首のパーツが銃器に付け替えられるようになっていた。


ゆか「僕、つけられたばっかりだから、、まだ使い方、わかんないんだ。


家、壊しちゃうかも、、、だけど、許してね。」


悪びれた様子もなく冷蔵庫の中身を荒らすゆかの首根っこを掴んで強く引っ張る。


浅木「お前、部屋の空きがあってよかったな。なかったら外コースだったぞ。」


ゆか「あーはいはい。あざすー」


りん「ゆっくり休んでね。これからのことは明日考えよ。」


ゆかはゆっくりと頷いて自室に戻っていく。


これからどうなってしまうのか。


不安を胸に俺は顔まで布団を被って眠りにつく。













翌朝



浅木「おい人間兵器」


ゆか「何??」


ゆかは朝食として用意された1枚のパンを頬張りながら俺の方を振り返る。


りん「うちら日中は暇だから。一緒に勉強しない??」


りんはニッコリと笑ってどこから持ってきたのか知らない小学生用の


5教科すべてが詰まったドリルをゆかに見せる。


ゆかはそれをまじまじと見つめて手に取る。


そしてぱらぱらとページを捲って顔をしかめる。


ゆか「うわ、これ人間、の、やるものじゃん。無理無理。兵器には、必要ない知識だから」


そう言ってドリルを放り投げるゆかを見て苦笑いしてから再び話を続ける。


りん「でもさ、そんなにたどたどしい日本語じゃあ不便でしょ??


じゃあ五教科じゃなくてもいいから国語だけ一緒に学ぼーよ!!」


りんがそう言うとゆかはクソデカため息をつきながらもドリルを手にとって開く。


ゆか「、、ほら、早く、、、教えて。」










りん「〜〜〜〜で、〜〜〜〜だから、はい、この人の心情を答えなさい。」


ゆか「あ?分からない。そんなん、、僕のビームで、一発、、でしょ。」


こいつは本当に道徳心の欠片も無いと感じながら俺は2人の勉強会をコーヒー片手に見守る


りん「この世界にビームなんてないよ。どーする??」


ゆか「あ”ー、、、じゃあ、、、、素手で、殺る。」


りん「もう正解でいいや。はい。次。」


りんは投げやり気味に一生懸命ゆかに勉強を教えていた。


、、あれ?あいつ(りん)、頭悪かった気が、














あっという間に日が落ち、俺たちはエネミー討伐のための準備を始める。


ゆか「僕、お留守番なのー???」


浅木「ったりめぇだろ見つかったらこっちの責任なんだよ」


ゆか「そういうのモラハラっていうんだよ」


ゆかの日本語は少しだけ聞き取りやすくなっていて、語彙も少し増えたようだ。


ゆか「ねー、、僕も行っちゃ、だめなの〜〜??」


相変わらず態度はとてつもなくでかい。


浅木「だめなものはだめだ。」



ゆか「えー、、??連れて行かれないと僕の存在意義なくなっちゃうんですけどー。」


ゆかは非常食のキャンディを口に頬張りながら言う。


俺は強く拳を握って少し強い口調で言い返す。


浅木「お前の存在意義より自分の命のほうが大切なんだ。


朝には返ってくるから。絶対この家から出るなよ。無機物風情が。」


少しゆかを気にしているりんを強く引っ張って外に出る。


ゆかは俯いて何かを呟いたが、聞く耳も持たなかった。










りん「、、ねぇ、いいの、??」


寒くて静かな空間の中、見回り中にりんは恐る恐る俺に問う。


浅木「無機物に優しくして態度が変わるとは到底思えない。


自分の命のほうが大切なのは事実だし。」


俺は歩幅を変えずそのまま答える。


りんはそれ以上俺に何か声をかけることはなかった。





しばらくすると森の中で、小さなうめき声が聞こえる。


その影は、エネミーだった。


それをすぐに見つけたりんは無線で上の人達に報告をする。


りん「23時34分51秒、四肢銃器、遠距離攻撃型のエネミーを数体発見。


直ちに処分します。」


そう言ってりんはうめき声がするところへ強くナイフを投げる。


ナイフは垂直に飛んでいき、何かに刺さる音がする。


その音がした瞬間、俺とりんは素早く音のする方へ追いかける。



走り続けていると、数体のエネミーが確認できた。


俺は近くの茂みに隠れてライフル銃をセットする。


りんは軽い身のこなしでエネミーの攻撃を避け、一つ一つ丁寧に攻撃を加える。


俺はりんに銃弾が当たらないほんの一瞬のタイミングを見つけ、引き金を引く。


バァンッッ


その音でりんは俺がやったと気づきエネミーから一度距離を置く。


すると数体確認されたエネミーの体全てに一つの穴が開く。


そしてゆっくりと倒れていく。


完全な勝利。


俺は小さくガッツポーズをして、立ち上がる。


りん「ないす。帰って寝よ。」


俺たちは最後まで気を抜かず帰路にたどり着くことに成功した。


りん「、、ねぇ、ゆか、のことなんだけど。」


またあの無機物の話をするのかと俺は眉間にシワを寄せながら話を聞く。


りん「あの、さ、うちらまだあの子の実力を知らないから、鍛錬して、


今度からは一緒にエネミー討伐しない、??


二人より、三人のほうがより効率は良いでしょ、!」


俺の戦闘目標は「効率重視」


確かにそれは名案だと思うが、あいつの態度がいけ好かない。


浅木「、、まずは根性から叩き直すか。」


そう呟いてから、どういう練習メニューにして、どうやって顎で使おうかを


考えていたら、あっという間に小屋についてしまった。


ドアを開けると、ゆかはソファで毛布をかぶってすやすやと寝ていた。


それ俺の毛布なんだけど、、、


りんは大きなあくびをして自室に戻って一瞬で布団に入ってしまった。


俺は顔をしかめながらゆかが使っている毛布を引っ剥がそうとするが


強く毛布を握っているせいで離してくれない。


浅木「、、お前起きてるだろ。」


ゆか「バレた?」


毛布を頭からかぶったままゆっくりとソファから降りる。


浅木「それ俺のだから返せや。」


ゆか「やだ。僕がせっかく温めた巣だもん。」


俺はゆかが強く握っている毛布を掴み、奪い取ろうとするが微動だにしない毛布。


浅木「くっそこいつ、、俺は仕事で疲れてるんだよ。早くその毛布返して寝かせろ」


ゆか「うわ。「仕事で疲れてるんだよ」だってーw


お兄さんモラハラの才能あるんじゃない??」


俺はため息をついて毛布を諦め、顔を上げて言葉を続ける。


浅木「、、お前の根性を明日から叩き直すことにした。


まずお前の実力を見てから、鍛錬のメニューは考える。」


ゆか「ええ、???」


ゆかは明らかに嫌そうな顔をする。


浅木「はぁ、、明日実力を見せてもらう。じゃ」


そう言って俺はゆかに背を向けて自室に戻る。



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