世界
ゆかは暁を強く蹴り、顔めがけて撃つ。
暁はわざと攻撃を受けたようで、ゆかの左腕の銃口を強く掴み捻じ曲げる。
暁「誰にこれつけてもらったのか覚えてないのかい??
随分使い方が乱暴だけど。」
ゆか「ッ誰も頼んでないっ、!!」
俺とりんは菫を足止めすることにし、二人で集中攻撃をする。
りんは菫の首を斬りつけるが、かすり傷程度だった。
菫「んもう、、お二方そんなに戦いがお好きでして??はぁ、、」
呆れたようにため息をついた後、すぐに空中戦している暁に声を掛ける。
菫「暁様ぁっ!!!私をお使いになさって、、!!!」
菫がそう叫ぶと、突然菫のこめかみから血が吹き出る。
ゆらりと倒れる菫を暁は素早く抱きとめ、体の節々を強く折り、噛みちぎる。
俺はその行動に吐き気を催し、慌てて声をかけてしまう。
浅木「おいばかっ、なにやって、」
口周りが血まみれなまま、ゆっくりと俺の方へと振り向く。
暁「なにって、、」
暁の体を無数の矢が貫く。
暁「共闘、さ。」
そう言って暁は見えない速度で大量の矢を飛ばす。
浅木「っ、それ、!!神経毒が塗られてるッ、!!ゲホッ、」
ゆかはそれを全身で受け止めた。
ゆか「ゲホッ、、ゴホッ、、ッ、!!」
それでもゆかは、戦い続けた。
暁の弱点を探りつつ、攻撃を加える。
りんは素早くナイフを投げ暁の移動範囲を狭めてゆく。
俺は暁の動きを読み、動くところに銃を撃つ。
すると見事頬に命中。
暁は血を吐くが、お構い無しにゆかに攻撃を続ける。
ゆかに刺さった矢の毒は、もうすでに回っていた。
傷口は紫に変色していて、血管が浮き出ていた。
ゆかは目の前の暁に殺意を抱き、絶対に殺すという執念だけで動いている。
ゆかの体はすでにボロボロだった。
頬は傷だらけで、額や足には無数のあざ。
りん「ゆかっ、!もう、っ、」
俺は悟った。
今の俺たちじゃ、勝てない。
ただ、ゆかに任せっきりになるだけで、
ただ、ゆかが傷つくだけ。
俺は茂みの中から飛び出し、後ろからゆかの腕を掴む。
浅木「おい人間兵器作戦変更だ。撤退するぞ」
その言葉を聞いた瞬間、ゆかは激しく声を荒げた。
ゆか「ツ嫌だっ!!!今ここで、、、ここで殺さないとッッ!!!
世界が終わるんだっっ!!!!」
浅木「ゆかッッッ!!!!」
俺は後ろからゆかを強く抱きしめる。
浅木「、、お前だけが背負っていいものじゃないんだ、
、、、自分を大切にしてくれ。」
俺は有無を言わせずゆかの腕を掴み強く引っ張る。
りんは俺の意図を理解したのか、先頭を走ってくれた。
ゆかは抵抗せず、ただ一緒に走っていた。
小屋が爆発したせいで、逃げ場はエネミー討伐隊本部しか無い。
走っていると、雨が降ってきた。
寒い真冬の雨の中、額を濡らしてもただ無我夢中に本部に向かって走り続けていた。
すると後ろから大きな足音が聞こえてくる。
りんが振り返ると、血の気が引いた顔をしていた。
俺は慌てて振り返ると、大量のエネミーが俺たちを追いかけている。
俺は少しスピードを上げながら走り続ける。
りん「っ、こっち、」
りんは息を上げずにただ冷静に本部まで連れて行ってくれる。
後ろの圧が強くても、冷静なりんがいれば、すごく頼もしかった。
冷たい水が頬を伝う。
そして森の中を抜けそうな頃、本部の明かりを見つけた。
俺は振り返ってゆかに伝える。
浅木「おいっ、もうすぐだぞ
バンッバンッバンバンバンッッッ!!!
聞いたことのない、大量の銃声が響いた。
俺の視界は、赤に染まっていた。
ゆかの体には、大量の穴が空いていた。




