第13話
「おう銭じゃ、もっと銭を持ってこんかーい!!」
商人たちを教育にして半年、特産品は飛ぶように売れた。
両脇に美娼年を侍らせた聖女は、銀貨の風呂で豪遊していた。美娼年たちは聖女に顔を寄せると、甘く囁く。
「ねぇ聖女さまぁ、ぼくおっきな麦畑が欲しいなぁ〜?」
「がははははっ!!買うたる買うたる、デッカい一軒家つきで用意したるで〜!!」
「ずる〜い!ぼくだって農奴が一杯欲しい〜!」
「おまえ、こないだ性奴隷を買うたばっかりやないか!まあええわい、しっかりご奉仕せーや!」
風呂場には燭台の代わりに、金で装飾された髑髏が、あかりを灯していた。
かつて無骨な雰囲気を保っていた城内は、悪趣味な内装で埋め尽くされていた。
「資金も十分だしそろそろ一発、聖戦でもかまそうかしら……
おう、ええ塩梅や!おまえらの舌技には神さんが宿っとるで〜!!」
退廃的な光景が極まろうとしたとき、騒がしい闖入者が飛び込んできた。
「頭ぁ!大変です!老貴族が破門されましたぁ!」「うっお、草クセェ!」「はるかにイイです…」
お楽しみの邪魔をされた聖女は、両脚で娼年の顔を挟むと、不機嫌に返事をした。
「あぁ??破門??馬鹿いうなや、毎月ちゃ〜んと寄付金は納めとったはずやぞ?」
男達は顔を見合わせると、お互いに囁き合う。
「俺やだよ、お前言えよ…!」「はぁ?お前だって同罪だろ、お前こそ言えよ…!」「ああっ、更にいい……イク!」
「そういうのいいから。そんな簡単には怒りませんから、はやく言って下さい…
おら、おまえはもっと舌使わんかい!!」
男達は窒息寸前の娼年に興奮しながら、怒張を隠すことなく答えた。
「「「すんません、みんなでちょっとずつ中抜きしてました 笑」」」
聖女は娼年から脚を離すと、首を刎ねる手指示を出した。
「おう大男、あいつら首とったれ!」
「………」
側に控えていた大男が、男達を処分するのに、大した時間は必要なかった。
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「あの老貴族は、やり過ぎたのだ…」
「さよう…あの様な救済は、神に認められし我々の義務である…」
「仔羊よ、もっと舌を上手く使うのです…」
厳かな内装の一室では、聖職者たちが話し合いをしていた。迷える娼年たちは足下に跪き、聖職者たちに奉仕している。
「そもそも、神に貢献する姿勢がまるでないではないか…」
「あのような卑しき銭で、礼を失すると思わんのか…」
「仔羊よ、わが聖門に舌で拝礼するのです…」
厳かな一室には、紫煙が満ちていた。娼年たちの口の端には、ケーキがついていた。
神秘的な光景が極まろうとしたとき、粛々と若い司祭が入室した。手には小包を提げている。
「大司祭様がた、先ほど大男の使者を名乗るものが参りました…」
聖棒に歯の触れた仔羊の頬を、ぴしゃりと打つと、聖職者のひとりが尋ねた。
「なんですか?いまさら悔い改めようとも、老貴族の破門は取り消しません…」
司祭が首を振ると、提げていた小包を開いた。その中には、老貴族の腐乱した首がはいっていた。
「この首を一門の誠意にしたいとのことです…」
首を見た娼年たちが、嘔吐する。同時に聖職者たちは、口々に呟いていた。
「おぉ、神よ…」「あいつらイカれとんのかマジで…」「あぁ、聖棒が温かい…そのまま奉仕なさい…」
混迷はさらに深まっていく。




