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暗黒中世騎士道  作者: 甲斐性なし
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第10話

 傭兵団を乗っ取った聖女は、その勢いで異国の騎士団の背後をとった。


 攻城戦は早々に佳境を迎え、正門はとうに突破されていた。残すところは各建物の制圧だった。傭兵団の登場は予想外であり、ましてや奇襲を加えてくることを、誰が知り得ただろうか。元々雇い入れた傭兵団が現れたところで、小銭稼ぎの参戦だろうと、騎士団は大した警戒もしなかった。

 山賊まがいと悪評高い連中だとしても、所詮は傭兵に過ぎないという判断だった。


 異国の騎士団は、本陣を前線から離れた場所で構えていた。一部の将兵と王子は宴会を始めており、何故か娼婦達まで出入りしていた。まったく規律心のタガがはずれてしまっていた。


 唯一渋面をしていた元帥の首が、数刻後には傭兵団の球蹴りの()にされていた。まともに応戦したことが、逆に琴線に触れたのだった。


 傭兵団は前線まで蹴り進めると、そのまま戦線に襲い掛かった。元帥を蹴り込まれ、王子を肉の盾にされた騎士団は、まともな抵抗もできず、一方的に虐殺された。


 守勢側は、突然の乱入に動揺して、一部が籠城をやめてしまった。いずこかの援軍と、都合の良い解釈をしたせいで、結果として将兵は虐殺され、生き残りは的当ての()にされた。



「ああっ、いいわ!もっとよ!もっと殺すの!」

「ママ!あぶないから下がって!」

「うるさいっ!親がシロ言ったら鴉もシロなのよ!

 ド汚い子!また森に捨てられたいの!?」


「なぁ、やっぱ聖女てぶっ飛んでんな…!」「うるせぇ!いいからとにかく殺せ!立て直されるとヤバイぞ!」「HAHAHA!怖ぇよ!おっかねえよぉ!」


 殺戮の海を割って進む聖女と、それに付き従う大男の姿に、神懸りの輝きを見た傭兵達は、血と炎の中で、悦びの失禁を禁じ得なかった。








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