商会、その名は......
料理人からそれぞれ銀貨15枚ずついただきまして、とりあえずの目標であった金貨五枚を達成したのだった。
「じゃあ、一儲けしちゃいましょう。」
「商会長、商売するのはいいんですけど、ひとまずは冒険者街一の商会になりやしょう!」
なんか調子の良さそうなこいつはドーイ、一応27歳で俺らよりも年下だ。ラインの店から少し離れた場所にあるとこで店をやっている奴。
こいつの言うことも一理あるのだ。
この王都はそれぞれ、門から来た者が集まる冒険者街、ここは元々貧民街だったのが整備されたらしい。
住宅や騎士学校、魔法学校とやらが集まる中央街。
貴族の屋敷、それに高級飲食店や宝石店、ドレスなどが売っている貴族街。
王族御用達の工房や貴族の屋敷などが多い王城周辺。
王都を大まかに分けるとこの四つになる、それぞれが値段も需要もそれなりに違ってくるのである。
「ゆくゆくは貴族街とかにも参入してみたいけどな。」と俺が言うと、
「目標は大きく行きましょう!」
「まあ、まずは冒険者街を攻略してからやな」とゾーイ、ラインそれぞれが口に出す。
「アイデアは俺任せなのに」
「お前が言い出したんだろうが!」そう叫ぶライン。
「とりあえず、登録済ましてくるからラインとか他の奴らも来る?」
「すみません、商売ギルド登録と商会を作りたいのですが、大丈夫ですかね?」
そう、レシピやらなんやらを聞かれて、夕方から初めてもうあたりは真っ暗。質問しすぎなんだよ。
「あっはい。大丈夫ですよ。ちゃんとお金用意されてきましました?ふふっ。」
うーん、よく見たらこの前の優しい受付嬢だ。色々教えてくれてありがとう。ここまで来たよ。
「ふっふっふ。お金ちゃんと用意してきましたからね。」
『どさっ』
「ほら、登録手数料銀貨十枚、それと商会設立手数料銀貨150枚です。」
「ぴったり。ありがとうございます。お名前の方は決まっておりますか?」
受付嬢さんが銀貨を数えながら聞いてきた。
「名前かぁ。考えてなかった。」
なぜ商会を始めたのか考えてみよう。モテるためだ。モテる人になるため。モテる人、モテる人、A popular people 、popular。ポプラ商会だな。
「ポプラ商会で決めました。」
「結構いい名前じゃん。」とラインが笑いながら言う。
なんだこいつ上から目線だな。
「あっ副会長はこいつでお願いします。」ラインを指さす。
「おいっ聞いてねーぞ!」
「言ってねーもん。」
「俺にも役職くださいっす。」
「お前今日あったばっかりだろ。馬鹿か。」
「そこをなんとかっす~」
そんなやりとりをしていると、商売人カード、商会カード、契約書を持ってやってきた受付嬢に、「こちらにサインをお願いします。」言われるがまま手続きを終らせていく。
「おわった~。一応これで形だけでも設立ですよね?」
「はいっお疲れ様でした。」
「よっしゃ。ひとまずスタートラインだ。」
ここに形だけだが、世界中に影響を与える大商会が誕生した。本人たちはまだ微塵も知らないが.....




