第5話・解けない魔力とぶつかり合った ~熱くて冷たい似通った~
第2章 混沌に沈む絶望の
第5話・解けない魔力とぶつかり合った ~熱くて冷たい似通った~
アインの全身を覆いこの場に縫い留めている魔力を何とか解こうと四苦八苦するペルフィーだったが、突破口を見つけられなくて頭を抱えて唸る。
「……無理だぁ……これだけ強固に拒絶されてたら、下手に手出しするとアインに跳ね返る……」
強引に、魔力に干渉すること自体はできるだろう。
けれど、そもそもアインの方がペルフィーよりも魔力量が多くて、力技が通用しないのはもちろん。
だからと言って隙間を縫うようにして直接アインに働きかけようにも、全身をくまなく覆う魔力の鎖が反発し、こちらだけではなくアインにまで跳ね返しが行ってしまうかもしれない。
それでも何とか状況を探り、手立てを考えてはいるのだが、何が原因でこの状態なのかもわからない。
クロードが心配そうに二人を見守っているが、事態は神殿護衛官がどうこうできることではない。
すべてをペルフィーに託し、ペルフィーに求められたことに応じるだけ。
そうは言っても、既にペルフィーが思いつく限りの方法は試した後。
あとは危険を承知で強引に割り込むか、状況が変わるタイミングを待つしかない。
(とはいっても、状況が変わるタイミングって? それ以前に、変わったからって、手出しできるのか?)
詰んでる……
絶望感も露わに遠い目をしつつも探ることはやめない。
――と。
ゾッと、ペルフィーの背筋に悪寒が走る。
「っ!? 下がれっ!!」
唐突にそう叫んだペルフィーが部屋の外へと退避する。
すぐに反応したクロードがペルフィーを背に庇って、扉の影に身を潜めた。
直後――
とんでもない量の魔力が室内に満ちて、アインを覆う魔力とぶつかり合って火花を散らす。
「……何が……!」
起こっているのか分からなくて、ペルフィーもクロードも目を大きく見開いて絶句する。
(アインの魔力……? いや。似てるけど、違う……。何だ……? 熱いのに、冷たい……?)
激しくぶつかり合う魔力が、部屋のインテリアや窓、壁さえも破壊せんとばかりに暴れていて、このままここに居るのも危ない。
「……退避する……」
クロードが短く告げ、ペルフィーの腕を引く。
二人は揃って校長室の外まで避難した。
流石に、これだけの騒ぎが起きると気づいた者も多く、幾人かの教員が神殿護衛官と共に駆けつけた。
「プリメーシャス君! トレーニア護衛官! この騒ぎは一体!?」
その中の一人。教頭である男性神官呪師の問いかけに、ペルフィーもクロードも困ったように口を噤む。
何しろ、二人とも何が起きているのか正確に把握できていないし、そもそも誰にどこまで話していいのかも分からない。
だから……
「……指示……けど、想定外……」
言えることだけを端的にクロードが告げる。
そのクロードの返答だけで、まず護衛官たちの顔色が変わった。
「……クロード、誰からの指示かは言えるか?」
壮年の神殿護衛官の問いかけに、一瞬だけ躊躇したクロードは……
「……教皇猊下……」
その答えに、全員がヒュッと音を立てて息を飲んだ。
第2章第5話をお読みいただきありがとうございます。
アインを救おうとするペルフィーですが、強固な魔力の拒絶に阻まれ手詰まり状態に。
しかしそこに、唐突に別の巨大な魔力が介入してきます。
激しくぶつかり合う二つの魔力。
その余波で周囲の教職員たちも巻き込まれ、現場は一気にパニックに!
部屋を飲み込むほどの圧倒的な力の奔流。
果たしてこの「熱くて冷たい」魔力はアインを救うものなのか、それとも……。
そして、騒然とする現場でクロードが放った一言が周囲に与えた衝撃とは!?
次回もお楽しみに!
【今後の連載スケジュールについて】
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活動報告にて、キャラクター紹介や用語の解説などを不定期で掲載しております。ぜひチェックしてみてください!
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また次回もどうぞよろしくお願いいたします!
【第7弾は完結まで執筆済みです。よければ最後までお付き合いください。】
【本作は「カクヨム」にも投稿しております。】
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ノリト&ミコト
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