5.闇に響く音の波
「ちゃんとつかまれ〜!」
「つかんだ。」
「持ち上げるぞ〜そぉれ!」
ふぅ。何度もやっているとはいえ、なれないなぁ。
もし少女が少女じゃなかったらどれだけ大変だったか……
いや、その場合は自分で登ってるくれるか?
「あ、そういえば。一番でかいホールもその銃みたいなやつで消せるの?」
「ううん。しゅつりょくぶそく。」
「じゃあどうやって消すんだ?」
「それは──」
その瞬間。世界は一瞬の内に暗闇に包まれた。
「うわぁ!なんだなんだ!?」
「なにもみえない……まさか…。」
「まさか何?」
「ほーるが、たいようをすいこんだのかも。」
「た…太陽?!」
咄嗟に上を向いて太陽を確認しようとしたが、一寸先も暗闇で見えず、また少女がいると思われる方向を見る。
「そう。だからひかりがなくなった。」
「そんな…太陽がなくなれば、地球は宇宙に放り出されるって本で読んだんだけど…」
「そうなるかは、わからない。ほーるのえいきょうだからちつじょすらない。」
「そうか。なら大丈夫なことを願わないとな。」
「でも、いそがなきゃならない。いずれさむくなる。」
「そうだな。でも前が見えない…って、え?」
口から謎の波紋のような物が出ている。
「これ、見える?」
「うん。」
僕と少女の声に反応して波紋が広がっている。
それもとてつもなく速い速度で。
地面に触れると、波紋が跳ね返り、そこに地面があることがわかった。
試しに、波紋に触れようとした。
一歩踏み出すと、足音に反応して波紋が広がる。
もう一度、足踏みしてみると、また波紋が広がった。
「もしかしてこれ…音?」
「おとが、めにみえるようになった…」
手を叩くとそこから波紋が広がり、
声を出すとそこから波紋が広がり、
音が見えるようになったに違いない。と思う。
「これもホールの影響か。」
「おそらくは、そう。」
「不幸中の幸いだな。これで少しはどこに何があるかわかる。」
「しんちょうにすすむ。」




