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それぞれの移動状況

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 カル達と別行動を取ったヨウとブリトニーは、順調に移動していた。神宮に近づくにつれ、人の往来は多くなってくる。

 ヨウが斎王の血縁であることは、敵にも当然知られており、監視の目は免れない。

 このまま侵入する事は難しいと考え、ヨウは童子に変装し、ブリトニーは男装をし、烏帽子もしっかり頭につけている。 

 途中途中、すれ違う女性が、チラチラとブリトニーの方を振り返る。背も高く美形のブリトニーは女性の目を引いてしまうらしい…。


 「…おい、ヨウ、これは逆に目立ってしまうのではないだろうか…?」

 「…大丈夫です。ブリトニーとして目立っているのではありません。1人の秀麗な男性として目立っているのです。問題ありません」

 「しかしだな…」

 「逆に気にしている方が不自然に感じられますよ、しばらくの我慢です….」


 と、何とか侵入は成功した…。


  一方、未だ監視の目を感じつつカル達は山の方へ移動している。途中、食事をしっかりとり、まるで観光でもしているかの様な具合。

 カルはヨウとウーリに話しかける。


 「それにしても精霊武器が見つかったのは、進展だね。やっぱり僕達はここに来る運命だったのかもしれない」

 「そうね、でも剣だとすると誰か使えるのかな?」

 「うーん、僕はあまり人の姿で戦う事ないからな…」

 「…うーん、でも僕達はヴルークに呼ばれて来たとも言える。だからきっと僕達の誰かがヴルークに選ばれるんじゃないかな?」

 「そうすんなり行けばいいけど…」

 「そう、それよりもこれから僕達は目的を達成しないとならない。2人ともわかってるとは思うけど」

 「ふふ、勿論大丈夫気は抜いてないわ!」

 「僕も平気さ、見張りはどう?」

 「…うん、今のところ、まだ様子を見てる感じだね。でも、僕達が何をやってるのか気にしてると思う、何でこんな場所に来たのかってね」

 「そうよね、これから斎宮に真っ直ぐ向かうとは思って無いと思う」

 「もう少し高い場所の方がいいかも知れないな」


 そんな会話をしていると、魔石が反応する。オーリーが念話で話しかけてきた。


 《やあ、カル君。聞こえているかい?》

 《はい、聞こえています。オーリーさん、そちらはどうでしょうか?》

 《ああ、どうやら魔法障壁の結界は見られるが、物理攻撃の障壁は見当たらない。魔法障壁を破るなら、直前にやる方がいいだろう》

 《わかりました、では日没後に》

 《ああわかった。こちらはヨウとブリトニーの姿を確認した。どうやら上手く化けているようだね》

 《わかりました、ありがとうございます》


 そこで会話は終了し、カル達は再び山頂に向かって移動して行く。移動しながらオーリーが伝えたことを2人にも説明した。

 移動すると同時に斥候もついて来る。


 やがて、日も傾きかけ、カル達は戻るでもなく、野宿する準備を始める。斥候は我慢強くこちらを見張っているようだ。

 

 しばらくして、斥候が遠ざかって行く。おそらく他の者と交代するのかもしれない…

 その様子を2人に伝え、暫くその場で待機


 やがて日が沈み始める…

 別の斥候はまだ現れていない。こちらの状況を伝えに行ったのだろう。


 カルは2人声をかける。


 「さあ、2人とも行くよ!」

 「ええ!」

 「わかった、しかし長かったね」


 カルはドラゴンウィングと叫ぶ。ウーリは巨大な翼の鳳に、セシルはそのままの姿でそれぞれが空に向かい飛び立つ。カルは背中のガーランドを確認した。


 カルは魔石に向かい声をかける。


 《オーリーさん、今こちらは空の移動を開始しました。オーリーさんはどの辺りにいますか?》

 《ああ、こちらはほぼ斎宮の上空だね。見つけたら声をかける。どうやら、クリスさん達も神宮に入れたみたいだ》

 《わかりました、ではそちらに向かいます》

 《了解だ》


 会話を終え、カル達は上空からオーリーのいる場所を目指す。先頭にカル、ウーリ、セシルと続く。

 段々と暗くなっていく。日が沈む瞬間、もう一度太陽が輝いたように見えた。澄んだ秋の空が色を変えていった。



 

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