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アマミの里

 



  海沿いの街道をカル達一行は進んでいた。時折海からの風が強く吹き付ける。季節は秋の初め、風が吹けば少し寒く感じられた。


  ヨウの故郷タンゴは聖なる地と言われ、新しいミカドが即位する際には必ず訪れ、斎王より神占の言葉を受けるとの事だった。斎王はミカドに神託を授け、その言葉にミカドは従って政務行う。斎王は神の御子であり、その言葉は神のお告げとして重く受け止められる。ヨウは皆にそう説明した。


  「ヨウはいずれ斎王になるの?」

  「うん、どうでしょう…私よりもふさわしい者がいればその方にやって頂いても良いのですが…」


  ヨウのいつもの笑顔が失われ、少し暗い表情になった。カルにはわからないが、ヨウにも複雑な事情があるのかもしれない。


  ヨウが皆に伝える。


  「皆さん、もうすぐ私の生まれた里に着きます」

  「やっと着くのね」

  「流石に海風は強いな、やっと着くのか」

  「美味しい物が食べたいな」

 

  皆そんな事を言いながら、もうすぐ辿り着く場所に期待していた。


 

  里の近くまで来ると、ヨウは色々声をかけられ、住人に話をしたりする事が増える。昔の顔馴染みに久しぶりに帰郷した事を話したりしているのだろう。


  やがてヨウの故郷である、アマミの里に着いた。少し小高い丘にその集落はある。大きな家に立派な門があった。そしてその少し先に神社が立っている。代々この神社の神官を務める家系で、ヨウの血筋は相当に古いとの事だ。


  家に着くと使用人らしき人達が現れ、荷物や馬車の世話をしてくれた。ヨウは皆に挨拶する。やがてヨウの妹らしき少女がやって来た。


  「お姉様、お久しぶりです、お帰りなさいませ」

  「マイ、久しぶりです、元気でしたか?」

  「はい、元気です!」


  マイと呼ばれた少女は、ヨウをそのまま小さくした感じがする。良く似ていた。


  「皆様初めまして、ヨウの妹のマイと申します」

  「やあ、初めましてマイさん、僕はカルです」

  「マイさん初めまして、私はセシルよ」

  「ブリトニーだ、よろしく」

  「僕はウーリ!よろしくねマイ」


  マイは皆に声を掛けられて恥ずかしそうにしていたが、ちょっと嬉しそうにも見えた。


  「それではこちらにどうぞ」


  マイに案内され、カル達はヨウの家に入って行く。すごく大きな家だった。ヤマトでは靴を脱いで家の中に上ると説明を受けていたので、皆それにならい家の中に入っていった。


  家の中の大きな部屋に通され、お茶を出される。緑茶と呼ばれる緑色のお茶だった。さっぱりとして美味しい。


  「皆さんお風呂にお入り下さい」

  「え?お風呂って皆入れる程広いの?」

  「はい、男子と女子はずらして入らないといけませんが、十分に広さはあると思います」

  「なるほど、では借りるとしよう」

  「僕達は後でいいよ」


  女子達はヨウに連れられて風呂に向かった。カルとウーリは部屋に残っていた。


  「ねえ、ウーリ、この場所はどんな感じがする?」

  「うん、僕みたいな聖獣にとってすごく居心地がいい場所だね」

  「それは神社の影響?」

  「それもあるかも知れないね」

  「なるほど、僕もすごく気持ちいいな」

  「うん、癒されるね」


  聖なる力のようなものが辺りに集まっているのだろうか?カルはそんな事を考えていた。


 … ヨウとセシルとブリトニーの3人は、東国の風呂を堪能していた。確かに広く大きな風呂である。大人が数人湯船に浸かっても問題ない広さだった。


  「この国の風呂は本当に素晴らしいね」

  「ああ、本当だな」

  「ふふ、ありがとうございます」


  湯船に浸かりながら3人は話していた。


  「それにしてもブリトニーはスタイル良いわよね」

  「そうか?普通だと思うが」

  「背も高いし、小柄な私からすれば2人とも羨ましいです」

  「ヨウ、私からすればかなり負けてるわ…」

  「え、何がですか?」

  「………ムネ」


  ブリトニーは本当にスタイルは抜群に良く、出るところは出て、ひっこむところはひっこんでいる。ヨウもヨウなりに小柄ではあるが、最初に目がいくのは、おそらくムネだろう。

  しかしセシルはスリムなせいもあるが、ムネはあまり大きくなかった。


  「セシル、そんな事を気にしていたのか?」

  「本当です、その分スラリとスタイルもいいと思いますが」

  「うーん、でもなんだか負けた感が強いのよね」

  「私はあまり気にした事は無かったが」

  「はい、特に気にする事は無いと思います」

  「そう…でもブリトニーのあのいつもの服装見ると私は気になっちゃうな…」

  「あれは我が里の伝統的な服装でな…」

  「確かに露出高いですよね」

  「そうそう、あれ見せられちゃうと私は自信無くすわ….」

  「うーむ、しかし私も自然に育ってしまったから、何とも言えないが」

  「うーん、えい!」


  セシルが突然ブリトニーの胸を掴む。


  「こら、セシルやめんか!」

  「本当に大きいね」

 

  ブリトニーの胸を確かめるように揉んでいる。セシルの手のひらには余ってしまう程の大きさだった。


  「セシル、そんなに揉むな!」

  「いいじゃない、減るものじゃないし」

  「私も触っていいですか?」

  「こら、ヨウまで」


  2人がかりでブリトニーの胸を触る。流石のブリトニーも逃げるように出て行く。


  「本当に、2人ともやめてくれ….私にはそういう趣味はないぞ….」

 



  カル達は随分待たされていた。何かあったのだろうか….カルはそんな事を考えていた。遠くで何か悲鳴みたいなものが聞こえた気がしたが、気のせいかな?カルは大丈夫だろうと思う事にした…



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