東国へ!
カルはサンドラの元からキスクに戻り、その足でギルドの酒場に向かう。酒場に着くとジョシュの元を訪れた。
「ジョシュさん話があります」
「重要な話か?」
「いえ、しばらく東国に行く事になると伝えに来ました」
「……わかった、後で誰かをやるかも知れん」
「わかりました」
カルが立ち上がり行こうとした時、クリスがカウンターにいるのが目についた。1人で飲んでいる。相変わらず暗い表情をしていた。カルは声をかける。
「こんにちはクリスさん」
「ああ、カル…遠くへ行くのか?」
「えっ…?」
「悪い、聞こえてた」
「そうですか、ちょっと東国に行くつもりです」
「そうか、気をつけな」
「ありがとうございます、それでは」
「ああ…それと」
「はい?」
「あまり心配させるな」
クリスはそれだけ言って、もうカルには興味無さそうに飲みはじめる。カルはちょっと以外な感じがしたが、その場を離れる。
「クリスさんも僕を気にしてくれているのか……」
カルはそんな事を呟いて酒場を出て行く。そのまま家に向かった。
家に着くとカルは東国に行く事を伝える。カルはヨウに話しかける。
「ヨウ、今回は君に頼る事になると思う、よろしく」
「はい、わかりました。道案内は任せて下さい」
「初めての遠出ね、ワクワクするわね」
「今回は船に乗る事になるのだな、大きな船には乗った事はない、少し不安だが…」
「僕は東国に行った事ないよ、美味しいものいっぱい食べたいな!」
カルはヨウに旅の道筋について聞く。
「どんな行程で行くのかな?」
ヨウは準備よく地図を用意していた。
「ルートは2つあります、1つは東側をひたすら陸路を進むルートと、南のヴィスニーから船に乗り東側を目指すルートです」
「なるほど、陸路は安全だけど時間がかかる、水路は危険だけど早く辿り着く…そんな感じかな?」
「はい、まさにその通りです」
「ヨウはどのルートがいいと思う?」
「私はやはり海を渡る方がいいと思います」
「やっぱりそうか、僕もその方がいいと思う」
カルは他の3人に聞いてみる。
「セシル、ブリトニー、ウーリ、水路と陸路どっちがいい?」
「私は水路!船乗りたい!」
「まあ、私も船は不安だが大きな船には興味あるぞ」
「僕も船乗ってみたい」
という訳で水路で行く事に決まった。
カル達はその日から準備を始め、2日後に出発する事にした。
準備を始めて1日が過ぎた。そこに珍しい客が訪ねて来る。クリスだった。
「クリスさん?」
「やあ、カル忙しいか?」
「はい、大分準備は進みました」
「……そうか、良かった」
「クリスさん今日はどうしたんですか?」
「ああ、組織から伝言だ、東国には注意しろそして船の上には逃げ場が無い、以上だ」
「それを伝える為だけに来たのですか?」
「いや、私はお前達に着いて行くつもりだ」
「えっ?」
「心配するな、別行動をする」
「そうですか…」
「ジョシュが誰かやるって言ってたろ?」
「確かに」
「そういう事だ、一緒に着いて行くが気にしなくていい」
「はい」
そう伝え、手を上げて去って行く。
セシルがカルに声をかける。
「あれ、今のクリスさん?」
「うん、一緒に来るみたいだ」
「えっ、そうなの?」
「気にしなくていいって、別行動をとるって言ってた」
「うーん、そうなの?」
「でも、何となく頼りになるね、クリスさん」
「そう…」
その日でほぼ準備は終わった。その夜カルはこれから始まる長い旅について考えた。クリスが来ると言う事は、イーターからの襲撃も考えられるという事だろう。武器を探す事も大変な試練があるかもしれない。でもカルは大丈夫だと感じていた。何故だろう…?
きっとサンドラに言われた事だろう。何かあった後僕は強くなれる、きっとそうだ…この旅の後僕は、いや僕達はもっと強くなれる、カルはそう思う事にした。終わった後は皆で笑いあえる、そう信じて……




