ネフィとの出会い
「ネフィさん、あなたはどうして一人でここにいるのですか?」
カルはネフィの目を見ながら話す。
「私はずっと待っているのです」
「誰を待っているのですか?」
「私を解放してくれる者を」
「あなたは囚われているのですか?」
「ええ、長い間私はずっとこの城に囚われている」
カルはネフィがどうしても気になった。それは何か、何となくネフィが人では無いように思える。
「あなたはいつからここにいるのですか?」
ネフィは少し考えるような仕草をしてから答えた。
「ふふ、やはりあなたは私の事を気づいたようですね?」
「いえ、まだはっきりとはわかりませんが…」
「そう、私は人ではありません。私は科学によって作られた存在です」
「あなたはウバクの光の巨人に関係のある方でしょうか?」
「そう、私はウバクによって作られた存在…」
「やはり…僕は光の巨人の子孫です」
「…そうですか、やはりあなたが解放者なのですね」
「解放者?」
「はい、私は光の巨人の血を引く者にある事を伝える為にずっとここに存在していました」
「と言うことは10000年も待っていたのですか?」
「はい、私はずっと待っていました」
カルはネフィを見つめ、10000年という途方もない長さを考えた。想像もつかない。
「私は光の巨人ミトラの妻の模倣として作られた物です。そしてこの場所を守りし物でもあります」
「ここはウバクにとって重要な場所なのですか?」
「その目で確かめるのが良いでしょう」
カル達4人が光に包まれる。やがてどこか地下のような場所に移動したらしい。辺りには見たこともない機械が多く置いてある。
「ここはウバクにとってとても重要な物が保管されている場所です」
「ここには何が置いてあるのでしょうか?」
「ここにはウバクの叡智の全てがあります」
「ウバクの叡智…」
「あなたにお見せします」
カルはフワッとした感覚を覚え、意識が別の場所に行く感じがした。
カルの中に途方もない記憶と知識が流れ込んできた。ウバクはどうやって発展し、滅んでいったのか、光の巨人が何をしようとしていたのか、滅びる直前にこの場所に全ての知識を保管し、未来の子孫にそれを託す為にここを作った事、光の巨人が科学をどのように使いたかったのかなどの記憶…
「カル、カル、ちょっとしっかりしなさい!」
「カル、どうしたのですか?」
「カル返事をしろ」
カルはハッと意識が戻った。
「みんな?ああ、大丈夫…」
「突然ぼーっとしたまま動かなくなるから驚いたでしょ」
「良かった、意識が戻りましたね」
「何があったんだ?」
ネフィはずっとそこにいた。カルはネフィに尋ねる。
「ウバクの叡智を確かに受取りました」
ネフィはカルの言葉を聞き、安心したように美しい笑顔で頷いた。
「みんな、戻ろう」
「えっ、砂漠の涙は?」
「ちょっと待ってて」
カルは何かを唱える。
「忘れられし時はもはや存在しない、安らかな時に帰れ」
すると辺りが徐々に消えていく、ネフィは笑顔で一言だけ伝えた。
「ありがとう、カル」
「ネフィさんお疲れ様でした」
城全てが蜃気楼のように消えていく。すうーっと消え、砂漠の場所に戻って来た。ネフィは消える直前にカルに何かを渡し、美しい笑顔を向け消えて行った。
「みんな、これが砂漠の涙だよ」
「え、手に入れたの?」
「ネフィさんが持っていたのですか?」
「カルに何があったのだ?」
カルはゆっくりと答えた。
「うん、詳しくは後で話すけど、長い歴史を見て来たよ…」
カルは空を見上げる、砂漠の太陽が照りつけていた。
「みんな、戻ろう!」
「うん」
「暑いです、帰ったら冷たい物でも食べましょう」
「ああ、私もそれがいいな」
4人は砂漠を歩き出した。暑い乾いた大地だった…




