表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
46/100

新たな仲間




  ダークエエルフの里を離れ、カル達はキスクの街に移動することとなった。ブリトニーを冒険者として登録する為である。その後にウバク神文明の遺跡に向かう予定を立てた。


 キスクの街には数日で到着した。ダークエルフのブリトニーには無用ないざこざを避ける為、耳まで隠れる帽子のようなものを被ってもらった。


「私は誇り高きダークエルフ族の族長だと言うのに、何だこの帽子は?まったく…」

「まあまあ、少し我慢してくれればいいんだ、ごめんよブリトニー」

「まあ、カルがそう言うなら仕方ない…」


 ブリトニーは少し頬を赤らめ、照れたように俯いてそう言った。なんだかしおらしいのだが…。


「あれ、ブリトニーなんかカルに対して素直だね…?」

「はい、何かあったのでしょうか?」


 ちょっと2人も訝しむ程、カルに従順な様子だった。

 何もないよ、ちょっとキスしたけど…とカルは思ったが、何事も無いようにギルドに入って行く。


 受付嬢にいつものように声をかける。


「こんにちは、冒険者の登録をお願いしたいのですが」

「ああ、カルさん、依頼の進捗はどうですか?今日は新しい冒険者の登録ですね、はいこちらに記入お願い」

「ああ、遺跡の調査は結構進んではあるのですが、もう少しお待ちください」

「よろしくお願いしますね」


  カルは渡された紙をブリトニーに手渡し、記入するように頼む。全て記入が終わり、カルが受付に持っていく。

  …ブリトニーの本名はブリトニー・エレシア・アレンダート・エルフィン、長い…。え、ブリトニーは17歳、ヨウよりも若かったなんて…。


  受付に持って行った。


「それではまた明日来て下さい。よろしく」

「はい、わかりました」


  こうして4人は一度ヨウの家に帰った。家に人が増えたが、今のところは問題なさそうだった。カル達はブリトニーに街を案内し、今日は東国の料理屋で食事をする事になった。


  店に入り、少しブリトニーに説明する。


「ここはヨウの母国の料理を出してくれる店なんだけど、ちょっと東国の食文化は変わっていて魚を生で食べたりするんだ」

「本当か?大丈夫なのか?」

「ええ、セシルもカルも気に入ってくれました、ブリトニーも気に入ってくれると嬉しいです」

「うん、すごく美味しいよ」

「私もすごく好きになっちゃった」

「よし、それならば私も覚悟を決めて食べよう!」


  何やら気合いが入ったらしい。カルがみんなに話しかける。


「ブリトニー、2人に年齢を言ってもいいかい?」

「別に問題ないが、私から伝える。私の本名はブリトニー・エレシア・アレンダート・エルフィンだ。年は17歳、今後もよろしく頼む」

「ええ、ブリトニー私よりも年下だったのですか?びっくりです」

「そっか、私達とあまり変わらないんだね」


 ヨウとカルが同じ歳で15歳、ヨウは18歳だとブリトニーに伝えた。カルは若くして族長っていう立場になったブリトニーが大人っぽく見えるのは仕方ないと説明した。


「なんだかもっと親近感がわいたな、ブリトニーこれからもよろしくね」

「はい、私も素敵な妹が増えたみたいで嬉しいです、よろしくお願いします」

「ああ、私も力になれるよう最善を尽くそう」


  そう話しているうちに、テーブルに寿司と刺身、後は魚の出汁のきいたスープが届く。最初は面食らったブリトニーだったが、一度口にした瞬間、止まらなくなる程の勢いで食べ始めた。


「生の魚がこれほど美味いとは思わなかったぞ、これは素晴らしいな!」

「そう言ってもらえて嬉しいです!」

「本当に美味しいね」

「うん、美味い」


  4人はお腹いっぱい東国の料理を楽しんだ。


 ヨウの家に帰った4人は明日以降の行動について話し合う。

「カルがウバクの王族の子孫っていうことは、やはりあの遺跡に行くと何かあるという事なのでしょうか?」

「うん、とにかく行って確かめるしかないだろうな」

「カルにしかできない事なんでしょう、やっぱり」

「私はカルに何があろうと信じているぞ」


 そして翌日、4人はギルドに出かけた。ギルドでブリトニーの冒険者カードを受け取り、外に出ようとした時声をかけられた。ジョシュ・ハンネマンだった。


「ようカル、頑張っているみたいだな」

「あ、ジョシュさんこんにちは」

「ああ、ちょっといいかい?」

「は、はい」


  カルはブリトニーにカードを渡し、ジョシュに呼ばれた事を伝えた。カルはジョシュについて行く。ギルド併設の酒場の席でジョシュに伝えられた。


「お前さんに渡したいものがあってな」

「渡したいもの、ですか?」

「ああ、実はお前の家にスレイを呼びに行ったのは俺なんだ…あれが最後になっちまうなんて考えてなかったんだがな」

「え?ジョシュさんがあの日うちに来た人だったんですか?」

「ああ、小さかったお前もチラッと見えたよ」

「はい、ですがあの時は…そうか目ですね?」

「あの時はまだ両目があったんだったな」

「では父さんと一緒に行ったときに…?」

「そうだ、だがその話はまた後でしよう。今はお前に渡すものがある」


  そう言ってカルに手紙を渡す。


「これは?」

「ああ、もし息子が冒険者になったら渡してくれって頼まれた。少し遅れちまって悪かったがな」

「いえ、こうして今もらえました」

「うん、用はそれだけなんだが、カルよ余り無理するなよ」

「はい、大丈夫です」

「じゃあまたな、仲間が待ってるんだろう?行ってやんな」

「はい、ジョシュさんまたゆっくりお話しましょう!」


  そう言ってカルはみんなのもとに走って行った。


「ははっ、スレイあいつは間違いなくお前の子だな、過酷な運命も背負っちまったがな…いつかあいつに全てを伝えなければならないな…」


  ジョシュは1人囁いた…。



  カルは他の3人と合流した。


「ジョシュさんなんだって?」


  セシルが聞いてくる。カルは歩きながら答えた。


「うん、父さんの手紙をくれたんだ」

「スレイおじさんの、そっか…」

「カルのお父様の手紙ですか?」

「ああ、うん、なんか重いなこれ」

「カル、開いてみるべきでは?」

「うん、でも今は依頼を終わらせよう」

「大丈夫なの?」

「ああ、後でゆっくり読もう」


  カルは達は遺跡に向かって歩いて行った。カルの心の中では直ぐにでも手紙を読みたかった。でも読んでしまう事で、辛い思いをする可能性があると考えた。今は色々起こり過ぎている…とにかく遺跡に向かおう、カルは力強く歩き出した…

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
 励みになりますので、評価の方をよろしくおねがいします!  なるべく続ける事ができるよう努力致します!
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ