ブリトニーの決断!
その夜皆が寝静まった後、カルの部屋にノックする音が聞こえた。
「はい、どうぞ」
「カル、まだ起きているか?」
ブリトニーの声だった。カルは扉を開ける。
「済まない、カルと話したくてな」
「構わないよ、ブリトニー」
ブリトニーは風呂に入った後なのかバスローブのような服を着ていた。微かにいい匂いがする。カルは少しドキッとした。窓に月明かりが入り込み、部屋はそれほど暗く無かった。
「カル、私はお前にどう礼をすれば良いのだ?」
「礼なんてもう十分にしてもらっているよ」
「しかし私はお前達に酷い真似をした。それどころかお前達は我らを救ってくれた。このままでは私の気が済まない」
「友達だって言ったじゃないか、気にしないでブリトニー」
突然ブリトニーが後ろから抱きついて来る。
「せめて、せめて私をお前の物にしてくれないか…」
ブリトニーが服を脱ぐのがわかった。
カルは振り向かずに、肩に置いてあるブリトニーの右手の上に自分の手を重ねながら話す。
「ブリトニー、僕が君と何かあったらいけない、僕は君の大切な友人でいたいんだ」
「カル、私は醜いか?だから、だから私を拒むのか…?」
「ブリトニー、そんな事はないよ、僕は君を本当に美しいと思う。僕じゃ無くてもそう思うんじゃないかな?」
「じゃあ、何故…?」
「大切だからこそ、君をそういう感じでは見れない。心で通じ合っていたいんだ」
「心で?」
「うん、君が困っていたら僕は必ず助けるし、君が手を貸して欲しいなら僕はいつでも手を差し伸べる。例えばそれが恋愛だと別の物になってしまいそうな気がするんだ」
「私はお前に嫌われている訳ではないのか?」
「ああ、もちろんだよ。恋人よりも大切な存在だと思う」
「私はお前を諦めるしかないのか?私は、私は…」
「ありがとうブリトニー、僕も君は大好きだよ、でも何かのお礼にとかそういうのは違うと思う」
「そうか、確かにそうかもしれない。だが、私はお前を諦めた訳ではないぞ」
ブリトニーが服を身につけた。
カルは振り返ってブリトニーに話そうと思った瞬間、ブリトニーの唇がカルの唇に重なる。
「このくらいなら許してくれるだろう?」
「…ブリトニー」
「私はお前を諦めんぞ、カル」
そう言って部屋を出て行った。
「ブリトニー、何で僕なんかを…」
カルはブリトニーが重ねた唇を指先で触った、まだ感触が残っているようだった。
翌朝起きると、突然ブリトニーが言い出した事に、3人は驚かされた。
「3人とも、私を仲間に加えてくれないか?」
「えーっ」
「えーっ」
「えーっ」
3人は同時に声を上げる。ブリトニーが真面目な顔で続けて話す。
「私も皆と旅をしたいんだ、私じゃ不足か?」
「とんでもない、僕は歓迎するけど里のみんなはどうするの?」
「私も気になる、大丈夫なの?」
「そうです、族長が居なくなってしまうのは心配です」
「実はもう皆には話したんだ。皆は是非行って欲しいと言ってくれた。私の事を理解してくれた」
「わかった、2人ともこうなったら4人で行こう!」
「わかったわ、ブリトニーなら頼もしいし」
「はい、これから仲間としてよろしくお願いします」
「ああ、私の方こそよろしく頼む」
こうしてブリトニーは仲間になった。ダークエルフの副族長のジェスという男性が族長代理となり、ブリトニーは旅に出る事になった。里のダークエルフ達はブリトニーに早く婿を迎えたいので、行った方が良いと判断したらしい。婿ってまさか…カルはその後のことは考えないようにした…




