ダークエルフの里
カル達はヴィスニーの街を出て、ブリトニーのいる場所に向かった。もう先に助けだしたダークエルフ達は合流した頃だろうか?そんな事を考えながら歩き続けている。
「カル、さっきのすごい力は何だったのですか?」
ヨウがカルに聞いてきた。
「あれは、ドラゴンフォースって言う闘気だよ。竜が戦う時に用いる闘気さ」
「あんなすごい技隠してたのカル?」
「いや、隠してる訳じゃ無いんだけど、力が強すぎるから余り使いたく無いだけだよ」
「あんなのを使われたら殆どの人は勝てません」
「いや、僕はまだまだだよ、もっと修行しないと」
「そう、私も足手まといにはなりたくないな」
「私ももっと努力します」
3人はそんな話をしながら歩いていた。そろそろブリトニー達のいる場所に着く頃だ。辺りを見回すが、誰も見つからない。そこに1人のダークエルフがやって来た。カル達に向かって歩いて来る。
「カル様、ブリトニー様の使いでやって来ました。私はミー・リーと申します。あなた達を里にお連れするようにと…」
「わかった、2人とも行こう」
3人は頷き合ってミー・リーに着いて行く。ミー・リーはまだ少女のようだった。多分捕まえた者達の中にもいなかった筈だ。黒髪を後ろで束ねている。見た目はエルフらしく、彫りの深い整った顔立ちだった。
「カル様、ありがとうございました、捕まっていた仲間の中には私の妹もいたのです、もう会えないと思ってました、ううっ…」
泣きながらミー・リーが話してきた。
「僕達はブリトニーと約束したんだ、必ず助けるって」
「そう、友達を助けただけよ」
「私達は当たり前の事をしただけです」
「本当にありがとうございました」
涙を拭きながらミー・リーが答えた。
暫く歩くと不思議な感じの場所に出た、魔力を感じる。
「ここは迷いの森です。我々の魔力で結界のようなものを作り、我々以外は入れないようにしてあります」
ミー・リーが手をかざすと辺りの魔力が消える。中に村のような場所が現れた。
「ここが我々ダークエルフの里です」
「これならば安全だな」
「うん、魔力感じられる人じゃないとまずわからないね」
「本当ですね、すごいです」
ミー・リーがブリトニーの元に歩いて行く。ブリトニーがこちらに気づき、歩いて来た。前の見すぼらしい服ではなく、戦闘服のようなものを身に着けていた。まるでシルバーのビキニの水着のような格好に袖だけのインナーを着ていた。ブリトニーのスタイルの良さが際立つ姿だった。しかし、露出が多くカルは目のやり場に困ってしまう。
「カル・エイバースよ、本当に約束を守ってくれたんだな、心から礼を言う」
「ブリトニーさんはこの里の長なんだね?」
「ああ、長というか族長と呼ばれている」
「やっぱり高貴な方だったのですね、ブリトニーさんは奴隷にしては何か威厳のようなものを感じてました」
「私は分からなかったけどね」
「そうか、私は問題ないと思っていたが…」
「どちらにせよ、僕のローブを返してもらいに来ました、ブリトニーさん」
「はははっ、そうか、忘れるところだった、おい誰か…」
そう言ってブリトニーはカルのローブを持って来させる。受け取ってローブをカルに渡す。
「本当にありがとう、我が友カル・エイバース、この恩は絶対に忘れない」
「僕達は友達になれたかな?」
「もちろんだ、もう私も自分を蔑むのはやめる、人とも徐々に歩みよるつもりだ」
「良かった」
「ブリトニーさん、素敵です」
「心ばかりだが礼をしたい、これを受け取ってもらえないか?」
「これは何ですか?」
「我々ダークエルフ族に伝わるお守りのようなものだ、友の証しとでも思ってくれ、魔力が付与してある、麻痺や毒などは無効にしてくれるはずだ」
「ありがとうございます、ブリトニーさん」
「そうだ、友としてブリトニーさんはやめてくれないか?」
「ああ、わかったブリトニー」
「ブリトニー、また会おうね」
「再会を楽しみにしています、ブリトニー」
「ああ、それではまた、カル、セシル、ヨウ」
カル達はダークエルフの里を後にした。キスクの街に戻ろうと歩き出した。カルが2人に言う。
「飛んで行こうか?」
「いいわね」
「ちょっと、待ってください、私は?」
カルがヨウを抱えた。ドラゴンウィング、と叫び高くジャンプするとそのまま空に舞い上がる。セシルも後を着いて来る。
「ちょっと待ってーーー!」
ヨウの叫び声が響いていた。カルは遠くに日が昇るのを見た。空から眺める日の出はとても美しかった…




