ステラの稽古
ドワーフの村で目覚めた。
「そうか、昨日はここに泊まって…って、ええ?」
「うーん、まだ眠い…」
ステラが何故か、カルの横に寝ていた。
「ステラさん、ちょっと起きて下さい!」
「んー?あら、カルちゃんおはよう」
「ステラさん何でここで寝てるんですか?」
「修行の時は良く一緒に寝てたじゃない。今更なあに、ふぁあ…」
「いえ、あの時は寝たというより、僕が気を失っていただけですので、はい」
「何、カルちゃん私と一緒にいるのが嫌な訳?」
「そんな事ないです、もちろん」
「じゃあいいじゃない、それとも何か変な事したくなっちゃった?」
「いえ、そういう事ではないんですが…」
「うふふ、冗談よ。カルちゃんと久しぶりだから、そばにいたかっただけよ」
そう言ってステラはガバっと起きる。しかし、一糸まとわぬ姿だった。形のいいバストとヒップが丸見えになってしまった。
「いやいやいや、ステラさん裸はまずいですって!」
「あれ、いつの間に脱いだのかしら?」
「と、とにかく早く服を、着てください!」
「やっぱり飲み過ぎちゃったのかしらね?」
その時扉がガチャっと開いた。
「カル、起きた?って、え…」
「カル、おはよ、う…」
セシルとヨウだった。
「あらセシルちゃん、ヨウちゃんおはよう」
「おはようございます…」
「おはようございます…」
カルは手で顔を抑えたままだった
その後ステラが説明してくれて何とか誤解は解けたのだが、何となく3人の間にぎこちなさが残ってしまった…。
「それでは、お世話になりました」
「失礼します」
「ありがとうございました」
「それじゃ、またね、ロランちゃん」
挨拶して、ドワーフの村を立ち去ろうとした時、ロランがカルに声をかける。
「あんたら、もし武器や防具を所望なら訪ねて来るが良い。力になろう」
「はい、その時はよろしくお願いします」
カルはそう答えてその場を立ち去る。
「あーあ、楽しかったな」
「ステラさん、もう本当に飲み過ぎはダメですからね!」
「カルちゃん、ごめんって」
「カルとステラさんは、何か姉と弟みたいね」
「うふふ、私もそう思いますよ」
「そんな、ステラさんに向かって姉だなんて、ねえステラさん」
「そうね、弟みたいな感じはするわね。でも、真面目過ぎるかな?」
「ああ、わかります!そうそう」
「カルはそういうところありますね」
「そうでしょ?修行中だって…」
何故か僕をネタにガールズトークが始まってるぞ…。
全く人の気も知らないで。
「あの、ステラさんこの後どうしますか?」
「そうね、ちょっと色々寄り道して行こうかしら?」
「お酒はダメですからね!」
「もう、わかったわよ」
セシルとヨウはそんな会話を聞いて笑っている。数時間歩いて街に着いた。カル達はギルドに報告に行く。
「依頼達成しました」
「ご苦労様でした。ではこちらが報酬になります」
「どうも」
報酬を受け取り、ギルドを出てヨウの家に向かう。ステラも一緒に着いて来ている。ステラがカルに話しかける。
「カルちゃん、どう、久しぶりに訓練してみる?」
「はい、お願いします」
「ロランちゃんに貰った武器も試したいし、それでいい?」
「はい、構いません」
「何、訓練するの?是非見学させて下さい」
「私もお願いします」
「もちろんいいわよ、ね、カルちゃん?」
「問題無いです」
「それじゃ、行こう」
「はい!」
4人はヨウの家の中庭にやって来た。カルとステラが向かい合う。
「お願いします!」
「行くわよ!」
ステラが先に仕掛けた。右手の剣を右から左に一閃、カルはガーランドで弾く、同時に柄の方でステラに突きを入れる、ステラは盾で受ける。
ステラが剣で突く、
カルが後ろに飛んで避ける、
さらにステラが詰める、剣で突く、
ガーランドで受け、体を回転させながら横に払う、
ステラは剣で払い、盾ごとタックル、
カルはサイドステップで躱しながら蹴りを出す、
ステラが剣を持つ右手で受ける、
目まぐるしく攻防が入れかわり、展開して行く。
やがて、接近した時、カルはステラのこめかみをガーランドで払う寸前、ステラはカルの胸を剣で突く寸前で止める。
「カルちゃん、腕は落ちてないわね」
「ステラさんこそ、初めて使う武器とは思えません」
「楽しかったわ」
「ありがとうございました」
それを見ていたセシルが話しかける。
「すごい!こんなの初めて見ました!」
「本当です。ステラさん、私ともお願い出来ますか?」
ヨウがステラに話しかける。
「ええ、もちろんいいわよ」
「では、よろしくお願いします」
ヨウは素早く小袖にタスキをかける。棒を持ってステラと対峙する。
「はああっ!」
掛け声とともにヨウが棒を突く、速い、
ステラは盾で払い、剣を横になぐ、
ヨウは棒で受ける、ステラが連続で剣を出す、
ヨウは全て受け、反撃に出る、
まず上から棒を叩きつける、ステラは盾で受ける、
すかさず回転して棒を横に払う、
ステラが剣で受ける、
ヨウは距離を詰め、棒の両方の柄を使い右、左、右、さらに回転して横に払う、
ステラは全て剣で払い盾をヨウにぶつける、
ヨウがバランスを崩し、よろける、
すかさず剣を出す、
剣はヨウの顔の前で止まった。
「すごい、ヨウちゃんやるわね」
「はあ、はあ、ありがとう、ございました」
「ヨウすごい、ステラさんとあそこまでやるなんて」
「ほんと、ビックリした」
「ヨウちゃん、もっともっと強くなれるわ」
「私もまだまだですね、いい勉強になりました」
ヨウはもう動けない程疲れていた。ステラは余裕で笑顔のままだった。ステラが話す。
「カルちゃん安心したわ。訓練もちゃんとしてるみたいね。ヨウちゃんもすごく強いけど、才能に走りがちね。積み重ねを覚えればあなたはカルちゃんよりも強くなれるわ」
「は、はい、ありがとうございました!」
「ステラさんありがとうございました」
「いえ、私も楽しかったわ、じゃあそろそろ私も帰るね」
カル達はステラを見送りに街の外まで行く。ゲートの魔方陣が現れる。
「カルちゃんセシルちゃんヨウちゃん、またね、いつでも遊びに来てね!」
「はい、ありがとうございました」
「またよろしくお願いします」
「お世話になりました」
ステラはいつもの笑顔で帰って行った。
ヨウの家に帰る途中、ヨウがカルに話しかける。
「カル、私も訓練します。良ければ一緒にやって頂けますか?」
「ああ、もちろんさ!」
「私も訓練する!」
色々あったけど、ステラさんはやっぱり凄い。カルは改めてそう感じ、ヨウとセシルと3人で強くなろうと決心した。明日からも、もっと強くなる為に…




