表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
33/100

キスクに向かって




 センの村の宿屋を出て、カル達は歩いて行く。目指すは西のキスクの街だ。空には今日も太陽が輝いている。快晴だ。3人で村を出て街道を行く。余り人の通りは無かった。


「ヨウさんの服ってとても可愛いよね。東国の女性は皆そういう服を着ているの?」


 セシルがヨウに尋ねる。


「いえ、これは神職の者、つまり神に仕える巫女の服装です。巫女は大体この服装をしています」

「ヨウさんはどんな神様に仕えているのですか?」

「はい、私は竜神様の巫女です」


  カルは竜神様と言ったヨウの言葉を聞き逃さなかった。


「え、竜神様?ああ、やっぱり東国では竜を神と崇める習慣があるんですね!東国の竜はどのような感じなのでしょう?」

「え、ええ…」

「やっぱり竜は荒ぶる神さまなんでしょうか?それとも水に関係する水神様かな…西の方ではドラゴンと呼ばれて割と悪イメージを持たれていて、場合に…」


 バシっとセシルがかるの頭をひっぱたく。


「やめろ、このドラオタ!」

「痛っ!」

「ヨウさん困ってるでしょうが、全くドラゴンの事になると目の色変わるんだから」

「あ、ごめん、つい」

  カルは頬を掻きながら謝る。そんな2人を見て、ヨウが微笑みながら話す。

「ふふっ、カルさん面白いですね」

「いやー、はは」

  頭を掻きながらカルが言った。

「私はオロチ様に仕える巫女です」

「ああ、オーリーさんかなるほど」

「…オーリー、さん?」

「カル、会った事あるの?」

「うん、村の祠を調べてくれたのがオーリーさんだよ」

「サンドラさんの協力?」

「うん、東国の地脈の調査もしていたみたいだね」

「あ、あのカル様、オロチ様にお会いになった事があるのですか?」

「うん、話しました。とても紳士的な感じの方でした」

「…」

 ヨウは絶句している。

「どうしたのヨウさん?」

「大丈夫?」

  カルとセシルが固まっているヨウを心配して声をかける。

「あ、いえ、私の仕える竜神様を友達みたいに話してらっしゃるので…カル様はいったい…」

「ヨウさんはオーリーさんに会った事は無いの?」

「はい、神様にお会いするなんて、勿論ありません」

「そうか、僕はちょっとおかしいかな?」

「あんた、今頃気づいたの?」

「ええ、ひどいよセシル」

「大体あんたは誰に修行の相手してもらったと思ってるの?神様の子とドラゴンの王でしょ?それだけで十分異常なのよ、わかる?」

「セシルだって教わったじゃないか」

「ま、まあそうだけど」

「な、なんだかお2人ともすごい、方なのですね…」

「そんな事は無いです。心配しないで下さい」

「そうね、ちょっと変わった環境にいただけかな?」

「は、はあ…」


 そんな話をしながら、時は過ぎやがて日も高く昇っている。

「この辺で少し休もうか?」

「そうね、お腹も空いてきたし」

「はい」

  3人は木陰で食事をとる。センの村で食料を買って来たのでそれを食べる事にした。


「ヨウさんは竜の巫女なのに、何故旅を?」

「あ、私も気になってた」


 カルとセシルがヨウに尋ねた。


「私は薬の勉強をしたかったのです。東国にある知識だけでは補えないものを、西方の知識と合わせて薬を作ると補えるのです。より効果の高いものが出来ます」

「でも、女性が1人で旅をするのは危険なのでは?」

「うん、私も1人だと心細いな」

「うふ、心配してくれてありがとうございます。でもこう見えて私結構強いんですよ」


 カルは闘気の同調を試みる。ヨウの闘気はかなり大きいのがわかった。


「なるほど、わかりました。ヨウさんは強いですね」

「あんた、わかるの?」

「ああ、ヨウさんは武術を学んでいるのですか?」

「はい、東国と言うより、私の一族に伝わる武術をマスターしています。見ていて下さい」


 そう言ってヨウは集中する。一瞬、気が高まり腕に集まっていく。

「えいっ!」

  パキッと音がして枝が折れた。ヨウの闘気で折ったらしい。闘気を放出し、物理的に攻撃する技だった。


「すごい!」

「ほぁーっ」

「はしたない真似を」


  2人はヨウと話をして、 護衛を雇ったりするのは無駄ないざこざを防ぐ為で、普段は1人でも問題無いということがわかった。薬の知識を勉強し、東国に広める事が目的だと聞いた。


「ヨウさんはキスクに住んでいるのですか?」

「はい、部屋を借りています」

「僕達も冒険者になるんだから、部屋を借りたりした方がいいのかな?」

「そうね、え、私カルと一緒に住むの?」

「その方が安上がりだし、いいんじゃないかな?」

「私はいいけど、カルはどうなの?」

「何、何か問題あるかな?」

「若い男女が一緒なんだし、ねぇ?」

「うーん、色々手間があった方がいいと思うし、1人より2人の方が効率的だよね」

「このドラオタ!まったくあんたはバカね!もう知らない」

「ええっ、な、何で?」

「ふん!」


 そんな2人を見てヨウは笑っている。

 休憩を終えてまた歩き始めた。


 街に向かい、何日か経過する。野宿をし、また歩き続けた。途中食料を調達する時、ヨウの知識が非常に役に立った。この植物はこんな場所に自生しているとか、このキノコは食べられるか、これを食べるにはこういう調理法が良いとか、旅をする上で役に立つ情報を教わった。


 明日には街に着く。カルはやっと冒険者になれるの思うと、嬉しかった。火の周りでセシルとヨウが眠ってた。その様子を見ながら空を見上げると、空には星が輝いていた。明日もいい天気になる、とカルは思った…


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
 励みになりますので、評価の方をよろしくおねがいします!  なるべく続ける事ができるよう努力致します!
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ