実戦訓練!
カルは時の間で、ステラと対峙している。実戦修行の始まりだ。
「カルちゃん、本気でかかってくるのよ!」
「はい、よろしくお願いします!」
「いやあぁぁぁ!」
カルは気合とともに突きを出す。右、右、左、
ステラは片手でいなしていく、
カルの連続攻撃、右、左、右のロウキック、
ステラには余裕がある、全て軽くあしらう。
ステラが隙を見て、軽く突きを打つ、カルの腹に入る
「グゥっ…」
「カルちゃん、防御の時も闘気を使わなきゃダメ!」
「は、はい」
「かかって来て!」
ふらふらと立ち上がり、深呼吸を軽くした後、カルはステラに向かっていく。
突きを素早く繰り出す、ランダムに突いていく、相手のリズムを崩す作戦だ。
しかし、ステラには届かない、
「いいわよ、そうやって自分のリズムで攻撃するの!」
「はい!」
カルはまた突きから蹴り、蹴りから突きと素早く攻めていく。ステラはギリギリのところで躱していく。カルが攻撃を変化させる一瞬の隙をステラは見逃さない。
ステラが一歩前に出る、カルが攻撃をしようとした瞬間、カウンター気味に突きが入る。ステラは軽く突いただけだ。
「グフぅっ…」
カルはうつ伏せに倒れる。
「攻撃の変化の時に、隙が大きすぎるわ、そんなんじゃ狙ってくださいって言ってるようなものよ!」
カルは片膝に手を置いて、やっと立ち上がった。回復呪文を唱える。
少し元気になったカルはまたステラと対峙する
ステラの修行は容赦なくカルを打ちのめす。
…時の間で6ヶ月が経った。
カルの攻撃はまだまだ当たらない、しかし、ステラの攻撃も少しずつ躱せるようになって来た。
…10ヶ月が経った。
まだまだカルの攻撃は当たらない。しかし、ほんの一瞬ステラの防御をかいくぐって、突きが掠った。
…12ヶ月が経った
カルの攻撃はまだ当たらないが、反撃を受けなくなって来た。相手の動きが良く見えるようになる。
「はい、今回はここまで!」
「はい、ありがとうございました」
「明日からもバリバリやるわよ!
「はい、お願いします!」
「打撃はもう大丈夫そうね!次回は魔法も使ってやっていくわよ」
「は、はい」
カルとステラの組手を見ていたサンドラに、ステラが話しかける。
「そう言えば、カルちゃんに武器は持たせないの?」
「うむ、武器のう。我が武器を持たぬ故、考えてなかったのう」
「うーん、私は素手でも戦えるけど、カルちゃんはあった方が効果があるんじゃないかな?」
「うむ、一理あるやも知れぬ」
カルはぼんやりと2人の会話を聞いていた。
「よし、カルよ。お前に合う武器を選びに行くぞ」
「はい、武器ですか?」
「少し訓練は必要じゃが、打撃の延長みたいなものじゃ。使いこなせるじゃろう」
「はい!」
「わーい、私も武器選び行く!」
楽しそうにステラが言う。
「それでは戻るぞ」
そうサンドラが言い、2人はサンドラに続いて移動して行く。巨大な部屋に戻ると、サンドラについて行く。大きな扉のある場所にやって来た。
「ここは竜の宝物庫じゃ、貴重な武器もあるじゃろう」
「はい」
「すごーい、私にも何か頂戴?」
「やらぬ」
「えー、お嬢のケチ」
「お主にはそれ以上のものがあろうに?」
「でも、欲しいじゃない」
そんな会話をしながら中に入って行く。中には、ありとあらゆる宝石や武器、魔道具のようなものが溢れんばかりに置いてある。
「どうじゃ、カル。気に入ったものを選べ」
「は、はい…でも僕には何が合うのでしょうか?」
「うむ、とにかく持ってみよ。その中にお前に合うものがあるやも知れん」
「はい」
そう言ってカルは武器を手に取ってみる。槍、弓、剣…
色々持っているうち、何か不思議な感覚を持つ武器があった。柄の短い槍、短槍だった。持つと語りかけてくるような感覚である。銀の柄に文字のようなものが描かれており、槍の切っ先は鋭く刃もとに宝飾が施されている。
「この槍が僕を呼んでいるような気がします」
「ほう、その槍は人を選ぶか?成る程、お前が使うが良いぞ」
「あら、カルちゃん似合うわよ!」
「なんだろう、僕に語りかけて来るような感じがします」
カルは槍を振ってみる。初めて握ったものだが、手に馴染む。槍が語りかけるように輝く。
「あれ、光ってる」
「ほほう、余程その槍に気に入られたようじゃな」
「なんか、私を使ってって言ってるみたいね」
「はい、僕を待っていたみたいです」
「そうか、ではその槍を持って行くが良いぞ」
「はい、お師匠様ありがとうございます!」
こうしてカルは武器を手にした。持つと素晴らしく軽い。不思議な事に、ステラが持つと重く感じるらしい。人を選ぶ槍なのだろうか?
カルは槍に名前をつけようと思った。すると何処からか声が聞こえて来る。
「…ガーランド、我が名はガーランド」
「ガーランド…そうか君はガーランドって言うんだね?」
「ガーランドと言うのか?ほほう槍も名を持つか」
「はい、僕に教えてくれました」
「良かったわね、カルちゃん」
カルは、ガーランドを手に入れた。カルは親友のようにこの槍を大切に思った。槍は返事をするように、輝きを放った…




