ドラゴン・フォース!
カルは、サンドラとステラとともに、時の間に来ていた。
今日も闘気を纏う訓練だ。
しかし、体全体ではなく、腕や足だけに発生させる訓練だった。
体力的にも、技術的にも過酷な訓練だった…
「どかしたのじゃ、カル、それでも我が弟子か?」
「カルちゃん、頑張れ!」
2人の声に支えられながら、カルは必死に食らいつく。
腕だけに、闘気を発生させるだけで、時の間の1ヶ月が過ぎた。
サンドラが疲れ果てているカルに、話しかける。
「思ったよりやるではないか、我が弟子よ」
「は、はい、ありがとうございます」
「お前に我が力を見せよう!」
「は、はい!」
サンドラはカラから、少し距離を取る。
一瞬で、物凄い闘気が発生する!
辺りにサンドラのエネルギーが放出する!
カルは背筋がゾクっとし、手足が震えてしまう…
「どうじゃ、これが究極の闘気、ドラゴン・フォースじゃ。まだまだ本気ではないがの」
「は、はい……」
「なんじゃ、その、間の抜けた顔は?」
「いえ、余りにも凄すぎて…」
「ふーむ、しかしお前にこの闘気を使えるようになってもらわねばならぬ」
「はい」
「死ぬほどの過酷な修行じゃ、ついて来れるな?」
「はい!死ぬ気でやり遂げて見せます!」
「うむ、それでこそ我が弟子じゃ」
カルは束の間休み、また修行を始めた。
それを見て、ステラはサンドラに話しかける。
「どう、お嬢?カルちゃん中々しぶといでしょ?」
「うむ、思ったよりやるわい」
「竜の戦士に育ちそうかしら?」
「うーむ、大丈夫じゃろう。これからは我も手を貸す故な」
「あらあら、師弟愛かしら?顔がにやけてるわよ」
「馬鹿を言うでない!我はそんな顔はしておらぬ!」
「うふふ、照れちゃって、お嬢は可愛い」
「くっつくな!そして、胸を揉むな!」
「いやよ」
「やめよ!」
そんなやり取りをしていたが、カルは闘気を発生させる事に集中していた。
「凄いでしょ?カルちゃんいい顔に変わって来たわよ」
ステラが後ろからサンドラに抱きついたまま、耳元で囁いた。
「ほほう、なかなかいい顔じゃな」
カルは集中し、闘気を発生させようと努力している。
その顔には戦士の、男の顔があった…
………時の間で6ヶ月が経った。
カルは足に闘気を発生させる修行をしている。
イメージしづらいのが、足に闘気を発生させるのに時間がかかっていた。
「どうしたのじゃ、カル!お前はそんなものか?」
「カルちゃん、足に全てのエネルギーを集中させるなよ」
「は、はい!」
カルはボロボロになりながら、闘気を発生させ続けた。
… 8ヶ月が経つ。
なんとか足だけに、闘気を発生させる事が出来た。
…10ヶ月が経つ
今度は両腕に闘気を発生させる。
体力が続かない…しかし、カルはやり遂げて行く。
…12ヶ月が経った。
腕と足にそれぞれ闘気を発生させる。
どちらかに集中すると、どちらかが発生しない。
なんとかクリアして行く。
「うむ、まあこんなものじゃろう」
「お疲れ様、カルちゃん」
「は、はい…ありがとうございました」
サンドラが話す。
「いつもはここで終わるところじゃが、まだ大丈夫か?」
「は、はい勿論です!」
「うむ、ではこれからの修行は、ドラゴン・フォースを会得する為の足がかりじゃ」
「はい!」
カルは元気に返事をする。
サンドラは説明していく。
「ドラゴン・フォースの最大の特徴は地脈のエネルギーを直接体に取り込む事にある。まずは、そのエネルギーと同調する事じゃ」
「地脈のエネルギー…」
「うむ、我々ドラゴンには、その力が元々本能的に備わっておる。同調するのは、歩くのと同じようなものじゃが、人がそれをやるには、まず、外のエネルギーを感じられるようにする事じゃ」
「はい」
「地脈をいきなりは難しいじゃろう。我のエネルギーを感じてみよ」
「お師匠様のエネルギー…」
カルは、周りのエネルギーを感じるように集中していく。
わからない、自分のエネルギーの流れは、何となくわかっているが、他人のものはまだまだ感じられない…
「うむ、わかった、お前にはもっと分かりやすい場所で修行した方が良いな」
「私もその方が早いと思うわ」
ステラもそう言った。
3人は広い部屋に戻って来た。サンドラが言う。
「かる、お前の村の祠に行くぞ」
「はい、わかりました」
3人は祠に向かった
「うむ、この場所で良いじゃろう。カルさっきと同じようにやって見せよ」
「はい、いきます!」
カルは集中する。サンドラが伝える
「良いか、カル。この場所から見える物には、全て微量ながらもエネルギーを持っておる。草や木、虫や獣、人間もじゃ。それを感じよ」
カルは周りのエネルギーを感じようとする。微かに感じとれる…
自分を中心に2つの大きなエネルギーがある。
これがお師匠様とステラさん…
そして、外に沢山のエネルギーが満ちている。
山に生えている木や草、動いているのは鳥だ…
遠くに人々の動きがある。馬や山羊、羊…あ、猫…
「どうじゃ、感じられたか?」
「はい、なんだか温かい気持ちになりました。植物や動物の命を感じたような…」
「うむ、それが同調じゃ」
「はい」
「じゃが、命のエネルギーを感じるだけは、修行すれば出来る事じゃ。お前は地脈のエネルギーを感じ、自分のものに出来るようにならなければならぬ。わかるか?」
「はい、今はまだ感じられませんが、続けていけば出来ると思います!」
「うむ、では我は帰るとするか。ステラよ戻ろう」
「あーん、せっかくカルちゃんのお家に行けると思ったのに、お嬢の意地悪」
「師が弟子に迷惑をかけるものではない、大人しく帰るぞ」
「じゃ、カルちゃんまたねー」
「あ、ありがとうございました。今度ぜひ村に遊びに来てください!」
サンドラとステラは帰って行った。
全て落ち着いたら、うちに呼んでもてなそう。
カルは祠の外に出た。太陽は高く輝いていた…




