オーリーとカル
カルは、今日もサンドラ達のところへ行こうと、キンクウの祠にやってきた。珍しく誰かの気配がする…
祠の中に入ると、黒髪の男性が立っている。全身黒い服装で、背は高く、黒革のブーツを履いていた。上着のポケットに手を入れてじっと祠を見つめている。ちらっとカルの方を見る、すると、優しく微笑みながら話しかけてくる。
「もしかして、カル・エイバース様ですか?」
カルはびっくりして、答える。
「えっ、どうして僕の名前を知ってるんですか?」
男が話す。
「やはりそうでしたか。私はオーリーと呼ばれています。よろしく」
「は、はあ、どうも」
「実は、あなたの師匠に頼まれて、この祠の魔石を調べていました。何か聞いてますか?」
「あ、お師匠様に?そう言えば、気になる事があるって言ってました」
「そうですか…確かに、少し厄介かも知れませんね」
「あの、大丈夫、なんでしょうか?」
「はは、カル様、大丈夫ですよ。この場所に、魔物は入ってこれません。我々竜族や、人間以外はね」
「えっ、オーリーさんも、ドラゴンなんですか?」
「はい、ドラゴンよりも、竜と呼ばれる事の方が多いですが」
「では、オーリーさんは東国から来たんですね?」
「はい、サンドラ様に頼まれ、この祠の魔石を調べに来ました」
「改めて、カル・エイバースです。よろしくお願いします」
「こちらこそ、よろしくお願いします。カル様」
「あの、様はやめて頂けませんか?どちらかと言えば、僕がオーリー様って呼ばないと…」
「あははっ、いや、カル様はお嬢に聞いた通りの方ですね。気に入りました。ところで、何故ここに?」
「あ、これから修行の為、竜の口に行くんです」
「ここからですか?では、ご一緒しても?」
「はい、もちろん」
そう言ってカルはネックレスを取り出し、いつもの光の扉を出現させる。
「なるほど、これが不思議な魔力の正体でしたか…」
「それでは、行きます」
いつもの場所にやって来る。グリムがいつも通り無表情に立っている。
「おはよう、グリムさん!」
元気にカルが挨拶をする。
「カル・エイバース確認した…通行を許可する。おはよう、カル」
カルはにっこり笑って進んで行く。オーリーが続いて通って行く。
「オロチ確認した…通行を許可する」
オーリーが珍しい物を見るような顔で、ボソッと呟く。
「へーっ、あんなゴーレムを作れる方がいるなんて…」
カルとオーリーはいつもの扉から中に入って行く。サンドラとステラが立っていた。
「カル、良く来た。なんじゃ、オロチも一緒か?」
サンドラが楽しそうに話した。
「カルちゃん、おはよう!」
ステラが明るく挨拶をする。
「おはようございます、お師匠様、ステラさん」
「なるほど、女戦士の姫君があのゴーレムを作ったのですね?納得、納得」
「いやーん、オーリーちゃんその呼び方やめて、もう」
ステラが、恥ずかしそうにオーリーに言った。
うん、今、女戦士の姫君ってオーリーさん言ったな…?
サンドラがカルに向かって話す。
「カルよ、少しは強くなったようじゃな?しかし、まだまだじゃ!今日も励むが良い!」
「はい。今日も頑張ります!」
カルはそう言って、ステラと共に時の間に向かう。
サンドラとオーリーは何か話している。
「して、オロチ。お主に依頼した件じゃが…」
「その事ですが…」
そんな2人を横目にカルとステラは時の間に移動した。
今日も厳しい修行が待っている!




