弟子入り!
ドラゴンは昔の事を思い出していた。
…うーむ、あの首輪をこの子供がのう。
《カル・エイバースよ、お前は何故弟子になりたいのか?》
ドラゴンはカルに聞いた。
カルは、はっきりとした声で答える。
「はい、僕は小さい頃からドラゴンに憧れていました。ドラゴンのように大きくて、強い存在になりたいと思っていました。そして、村のみんなや友達を守りたいと、ずっと思ってました。…僕の村に魔族が現れて、魔石をよこせと襲って来ました。僕はみんなを助けたい。セシルやシンさんを絶対に助けたいんです。魔族はシンさんに呪いをかけました。後、後30日でシンさんは…」
ドラゴンは、しばらく考えるようにカルを見下ろしていた。突然姿が変わって行く。美しい女性の姿になった。
「カルよ、この方が話しやすかろう?魔族が魔石を狙うとは…何か企んでおるようじゃな」
美しい女性の姿だが、話し方はドラゴンのままだった。
「ステラよ、お主はどう思う?」
ステラの方がを向き、女性が聞いた。
「うーん、そうねぇ、私はカルちゃん気に入ったから弟子にした方がいいと思うわ」
「うーむ、しかし、我は休眠中で動けないのじゃ」
「ただ惰眠を貪るだけじゃなくて?」
「惰眠とはなんじゃ惰眠とは?」
「だってお嬢は、ドラゴンの王じゃない?休眠中でも、人の子一人弟子にする事は簡単でしょう?」
「お嬢はやめよ!我は、王にもかかわらず姫と呼ばれ続けておるのは何故じゃ?」
「だって、こんなに美人さんなのに、王はないわよねー?お嬢の方が、可愛いし」
「やめよ、くっつくな!…どさくさで胸を揉むな!」
「あれ、ドラゴンの王様の胸を揉むなんて中々出来ないじゃない?…」
………
取り残された感じのカルが、そんなやり取りを見ながらポツリと呟く…
「あ、あのー?僕は弟子になれるのでしょうか…?」
はっと気づいた2人がカルの方を向き直す。
「そうであった…百年越しの約束を果たす時じゃな。
カルよ、我はお前を弟子と認める」
「キャー、さすがお嬢!」
ステラが賑やかす。
カルは頭を深く下げて感謝する。
「あ、ありがとうございます。ありがとうございます」
女性がカルを見て言う。
「そう言えば、まだ名を伝えてなかったのう。我の名はサンドラ。ドラゴンを統べる者じゃ」
カルは感動で泣きながら、頭を下げる
「グスッ、はい、よろしくお願いしばず…うう」
「お前は、泣き虫じゃのう。そんなでは、これからが心配になるわい。大丈夫か?」
「はい、大丈夫です。えぐっ、うう…」
カルはなかなか涙を止められなかった。
「良かったね、カルちゃん」
ステラがカルの後ろから、優しく抱きしめた。
カルはしばらくそうしているしかなかった…




