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Create・World・Online  作者: 迅風雷
第2章 王都への旅路
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16『捕縛』

 襲撃犯の1人を縛り上げて、馬達の世話をしている間に、イアン達が合流した。ちなみに脱落者はいない。まぁ、そうだろう、俺が無事なんだから。とりあえず、皆に事情を話した。


「まあそういうわけで副リーダーだと思われる女を捕まえた訳だけど」

「いや、別にそこは構わないんだが」

「それよりオイラ達より早く終わらせるってどういう事ッスか? 」

「んー? 彼等が弱かったんだろ」

「確かに、それほど強くはなかったが」

「それでも、魔法無視して突撃してくるのは面倒だったね」

「恐らく、痛覚を切っていたんでしょう。ユキムラ、貴方はそんな事してないでしょうね」

「してないよ!? ……(まだ)」

「してたら、お仕置きは倍ですからね。それも、リアルで」

「しませんよ!? しませんとも!! 」

「2人とも~、話がずれてますよ~? 」

「それで、どうするんですか? この人」


 全員で女を見下ろす、女は縄で身動きが出来ないようになってるのにもかかわらず、こちらを見ながらふてぶてしい態度をとっている。

 すると、女の様子を見ていたビウムさんが、


「だったらバッサリいきましょう! ねっ!! 」

「待って待って、せっかくだから、このゲームでのPKの仕様とかも聞いてみたいわね」

「彼女が素直に話してくれたら、ですけどね」

「誰が話すか! ザコ共め! 」

「そのザコ共に返り討ちにあって捕まったのは誰だよ」

「うるせー! 私だよ! クソッタレ! 」

「言葉遣いがなってませんね、昔のビウムを思い出します」

「えっ!? あれでまだましなの? 」

「そうなんですよ~、昔は私達の言葉も聞かずに気に入らない事には手当たり次第に毒を吐き続ける子でして~、高校に入る頃にようやく少しは我慢が出来るようになったんですよ~」


 これでまだ我慢が出来てる方なの? どう考えても敵しか作らない言動してるのに?


「大丈夫なんですか? そのリアルの方は」

「そっちは大丈夫、何とか品の良いお嬢さんを演じてるから」

「窮屈で仕方がないけどね! だからここは良いわ! 立場とか考えずに話せるから! 」

「こちらに慣れたらもう少し言動も落ち着くと思いますので、もう少しの間我慢して貰えると助かります」


 アンク君の質問にアヤメさんが答え、ビウムさんが本音を漏らし、ネリネさんが捕捉する。聞いてるだけで不安になってくるが、既に旅は始まっている。今さら引き返す選択肢はとりたくないので、極力関わらない様にするのが吉だろう。


「こちらとしては武器の整備をしっかりやってくれれば問題ないので、そちらだけはお願いします」

「分かっています、それでは皆さま消耗した武具を持ってきて下さい。馬車が止まってる間に難しそうな所を終わらせますので」

「了解です」

「てめえら、私無視して話進めるんじゃねえよ! 」


 騒がしいなぁ、捕まった立場なのに偉そうだし、でもこういう輩は早めに何とかした方が良いよなぁ。さて、どうするか? あっ、


「忘れてた、カンナさん、これ返しときますね」


 ポーチから黒や緑の色がまばらな模様になった布を取り出す、いわゆる、迷彩柄というやつだ。大きさはだいたい45cm×60cm(本人談)の長方形。詳細は、


【迷彩布】製作者:カンナ

 耐久値:46/52

 緑を主軸にした迷彩柄の布

 効果:擬態(森限定 小)


 実は襲われる前に、ゴウカとケンランにこれを被せて森の中を先行して貰っておいたのだ。勿論そのまま被せたら落とすに決まっているので、昨日作った縄? で縛っておいた。更に攻撃するときは太陽を背にすることで相手の目を眩ませるように指示しておいた。そのおかげか奇襲は成功、何故分かるか、それは、ゴウカ達のLPが減っていないからだ。

 残念な事に、帰ってくる途中で何処かに落としてしまっていたようなので、縄は途中で切れてしまったのだと思われる。なので、皆を待っている間に鼻が利くグレイスとシロツキに布の回収を頼んだ、シロツキが一緒の理由はグレイスがくわえると汚れる気がしたからだ、何となく、それでシロツキも一緒に行ってもらったというわけだ、なにせ物を掴めるからねあの子は。

 まあ、こういうものを見ると騒ぐやつがいるよな、やっぱり、


「おいてめえ! なんだそりゃ! それが後ろの連中がやられた理由か!? 」

「答える義務はない、はい、どうぞ」

「は~い、確かに~、お役に立ってなによりです~」

「それでは、私達は馬車で待ってますね」

「お願いします」


 春夏秋冬のメンバーと女性陣が馬車に戻っていく、ちなみに、他の女性陣は護衛だそうだ。さて、


「後はこいつだけど」

「この調子じゃ話しそうに無いよな」

「当たり前だろ、ボケ共が! 」

「どうしましょう」

「ねぇ、リネさんみたいに暴力で解決しますか? 」

「本人いないし、無理に名前で呼ばなくても良いんじゃないか? 」

「いいえ、壁に耳あり障子に目あり、油断するとまたアイアンクローが来るので何とか慣らします」

「そうか、頑張れ」

「はい! 」


 元気よく返事をするユキムラ君だけど、呼び方の頭が同じだし暫く掛かるだろうね。


「また本題からずれてるぞ」

「おっと悪い」

「それで? 具体的に彼女をどうする」

「まあ、2択ですよね、このまま置いていくか、倒して街送りか」

「そりゃ街送りだろ」

「ですよね、とりあえずデスペナくらわして街で大人しくしてもらいましょう」

「意義なしッス」

「右に同意」

「それじゃ早速」

「ちょいまちイアン」

「なんだジン、反対か? でも多数決だから変えられないぞ」

「そうじゃないんだ、ちょっと試したい事があってね」

「何を試すんだ? 」

「見てたら分かるよ」


 俺は捕縛した女に向き直る、さっきの戦闘と皆の会話でもう1つ気になる事が出来た。その為にも、


「いくつか君に質問したい事がある」

「答えるわけないだろボケ! 」

「じゃあ一方的に話すから聞いててくれ」


 先程鞭は整備に出したので初心者の鞭を装備し直し、構えながら言葉を続ける。


「君達は基本的にPKをしてレベルをあげている。まだ書き込みは少ないけど、掲示板に被害報告はあげられている、類似する情報に追い剥ぎなんてのもあったらしいけどあれも君達かな? 」


 女は答えない、ただ少し体を揺らした。まあ、当たりだろう。


「さっきの仲間達の会話に痛覚を切ってあるんだろう、という予想が出たわけだけど、これは全員なのかな? さっき俺にというより従魔にだけど、倒された人達もそうだったのかな? 」

「うぜぇなお前! そうだよ! だったらなんだってんだ! 」


 今度は答えた、グダグダ話されるのは苦手なのかな? 俺も嫌いだけど。まあ、だから相手に同じ事をやってるんだけど、でも、おかげで答えは出た。


「ありがとう、君の回答のおかげで答えは出たけども、一応君で試さしてもらうね。流石に仲間に実験台になってくれとも言えないんでね」

「何をするつもりだ? 」

「君をこの鞭で叩く」

「「「はぁ? 」」」


 呆れるような声を漏らす女、と後ろの仲間達。いや、違うからな。


「先に言っとくけど、俺にそっちの趣味はないぞ」

「じゃあなんで叩くなんて」

「LPも減らないのに鞭で叩くとか、変態じゃなきゃななんだってんだこの変質者! 」

「論より証拠、行くぞ」


 鞭を横方向にしならせ、女の横っ面を思いっきり叩く。すると、


「え、なんで? !! いぃったーーーー!! 」


 少し呆けた後大きな悲鳴を上げる女。うん、やっぱりそうだ。鞭はLPを0には出来ないけど、相手に痛みを与える事は出来るようだ、例え痛覚をを切っていたとしても……でもこれって、いや、今はそれを活かすことの出来る時だ。良心は痛むけど有効利用させて貰おう。


「さて、もう一度同じ目にあうか? それともアンタが持ってる情報全部吐くか? どっちが良い? 」

「ひっ! 」


 あんまり怯えないでくれ、こっちもあまり良い気はしないんだよ、頼むからさっさと話してくれ。


「わ、分かった、話すから! 話すから鞭をしまって下さい、お願いします!! 」


 女は体を縛られた状態で頭を地面につける、いわゆる土下座だ。そんなに痛いの駄目だった?


「それじゃあ早速、まずは、俺達を待ち伏せしていた理由から聞こうか」


 女は聞かれるままに全てを洗いざらい答えた。最後にここで解放されるか、街に強制送還か聞いたら送還を選んだので、マジックソードでLPを0にしてあげた。仲間達の視線が少々痛いが、気にしてはいけない。そう気にしてはいけないのだ。

簡単な話、鞭の別の使い方講座です 嫌いな人もいらっしゃるとは思いますが

【CWO】にはこの特性を活かしたジョブもありますので、ご了承下さい


9月分の更新頻度は未定です

とりあえず2日は更新します

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