第5話「闇の組織『出酢泥井』」
いつも『シュールヒーローズ』を見に来ていただき、
誠にありがとうございます。
この度は、ジャンルを『SF』から、
『ローファンタジー』へと変更いたしました。
もしもこの物語について、「面白い!」「続きが見たい」
と思われましたら、画面下部より、
ブックマークや★評価をしていただけましたら嬉しいです。
虎次は続けて、進に言う。
「あ、申し遅れましたっす!俺は『葦原虎次』、21歳…です!
元々は各地を回って、フリーでヒーロー活動をしていたんすが…
今日は作戦負けして、本当にどうしようかと思いましたっす。
助けて頂き、本当に感謝します!どうかアニキと呼ばせてください!」
虎次は矢継ぎ早に、進へと自己紹介やお礼の言葉を話してくる。
進からすれば、目立たないようにクールに去るつもりであったのだが。
如何せん、このような状況には慣れていないのだ。
「あ、ああはい、分かりました。どういたしまして。
別に貴方が助かったのならば、何も言う事はございません。
私のことはどうか忘れて、気をつけてお帰り下さい。」
虎次は先の戦いで、明らかにカリラに投げ飛ばされていた。
挨拶も程々にして、先に医者に診てもらうべきだ、
と進は思っていたが、虎次は続けて言う。
「いいえ、自分は何とか貴方にお礼をしないと気が済まないです!
…そうっす!はい、これが自分の『Musubi』のアカウントっす!」
虎次はポケットからタフネススマホを取り出すと、
コミュニケーションアプリ『Musubi』のアカウントを開いて見せた。
「今日は一応、大事を取って病院に行くことにします!
ですから、後日定食屋で奢らせて頂きます。」
「は…はあ。」
進は当惑しつつも、相手からの好意は無碍には出来ないので、
その場はMusubiのアカウントを交換して、お開きとなった。
──しかし、そんな進と虎次の戦いを、
1基のドローンが捉えていた事は誰も気付いてはいなかった。
◆
所変わり、ここはヒノカ首都某所・謎の地下施設。
その部屋の中には、黒ずくめのスーツを着た口髭の男性と、
白衣を着たうだつの上がらない男性がいた。
部屋の壁には数々の機材が並び、中央にはモニターが鎮座している。
モニターには、進と虎次、そしてカリラの戦いの様子が流されていた。
スーツの男性は口髭を撫でながら、モニターを眺めて言う。
「……ふむ。まさかカリラが、只の一般人に倒されるとはな。
映像を何度も確認してみたが、確かに偶然でも夢でもないようだ。
奴は我々『出酢泥井』のクルーの中でも、傑作の部類であったのだが。」
それに続き、白衣の男性が言う。
「はい、恐山様。カリラはデモンストレーションにおいても、
上級戦闘ロボットを3分足らずで倒す程の実力者です。
それを容易く始末したとなれば、我が組織にとって大きな脅威です。
……更なるクルーを差し向けますか?」
しかし、恐山は白衣の男性を制し、冷静に言った。
「倉次、その必要はない。お前は引き続き頃合いを見て、
街でクルーを暴れさせ、ヒーローとの交戦データを集めろ。
謎の一般人の調査も、そこで並行して行えば良いだろう。」
「承知しました。それでは、クルー達の体調管理へと向かいます。」
倉次と呼ばれた博士は、恐山に一礼してモニター室を後にした。
出酢泥井のボス・恐山は一人、暗い部屋で秘かに笑う。
(……)
(我ら『出酢泥井』の目的は只一つ──『無駄なき世界征服』だ!)
(現代の人間は無駄な事に時間を費やしてばかり……)
(お陰で余計な喧嘩や環境問題をまき散らしているではないか。)
(だからこそ、我々が模範となって地球を統制するのだ。)
(『出酢泥井』…その名は、この世の古き理を壊す者達の名。)
「世の中の現代人よ…楽しみに待っているが良い。
無駄なき新しい時代の幕開けは、この私──恐山強介が担う。」
出酢泥井リーダー・恐山強介、そしてメカニックの倉次貝蔵──
──彼らは、ヒーロー達にとって大きな壁として立ち塞がる。
◆
一方、そんな事は露知らず、
進は再度SEの面接を受けられる事に安堵していた。
(怪人事案の事情を組んで下さるとは、ありがたい企業ですね。)
虎次は続けて、進に言う。
「あ、申し遅れましたっす!俺は『葦原虎次』、21歳…です!
元々は各地を回って、フリーでヒーロー活動をしていたんすが…
今日は作戦負けして、本当にどうしようかと思いましたっす。
助けて頂き、本当に感謝します!どうかアニキと呼ばせてください!」
虎次は矢継ぎ早に、進へと自己紹介やお礼の言葉を話してくる。
進からすれば、目立たないようにクールに去るつもりであったのだが。
如何せん、このような状況には慣れていないのだ。
「あ、ああはい、分かりました。どういたしまして。
別に貴方が助かったのならば、何も言う事はございません。
私のことはどうか忘れて、気をつけてお帰り下さい。」
虎次は先の戦いで、明らかにカリラに投げ飛ばされていた。
挨拶も程々にして、先に医者に診てもらうべきだ、
と進は思っていたが、虎次は続けて言う。
「いいえ、自分は何とか貴方にお礼をしないと気が済まないです!
…そうっす!はい、これが自分の『Musubi』のアカウントっす!」
虎次はポケットからタフネススマホを取り出すと、
コミュニケーションアプリ『Musubi』のアカウントを開いて見せた。
「今日は一応、大事を取って病院に行くことにします!
ですから、後日定食屋で奢らせて頂きます。」
「は…はあ。」
進は当惑しつつも、相手からの好意は無碍には出来ないので、
その場はMusubiのアカウントを交換して、お開きとなった。
──しかし、そんな進と虎次の戦いを、
1基のドローンが捉えていた事は誰も気付いてはいなかった。
◆
所変わり、ここはヒノカ首都某所・謎の地下施設。
その部屋の中には、黒ずくめのスーツを着た口髭の男性と、
白衣を着たうだつの上がらない男性がいた。
部屋の壁には数々の機材が並び、中央にはモニターが鎮座している。
モニターには、進と虎次、そしてカリラの戦いの様子が流されていた。
スーツの男性は口髭を撫でながら、モニターを眺めて言う。
「……ふむ。まさかカリラが、只の一般人に倒されるとはな。
映像を何度も確認してみたが、確かに偶然でも夢でもないようだ。
奴は我々『出酢泥井』のクルーの中でも、傑作の部類であったのだが。」
それに続き、白衣の男性が言う。
「はい、恐山様。カリラはデモンストレーションにおいても、
上級戦闘ロボットを3分足らずで倒す程の実力者です。
それを容易く始末したとなれば、我が組織にとって大きな脅威です。
……更なるクルーを差し向けますか?」
しかし、恐山は白衣の男性を制し、冷静に言った。
「倉次、その必要はない。お前は引き続き頃合いを見て、
街でクルーを暴れさせ、ヒーローとの交戦データを集めろ。
謎の一般人の調査も、そこで並行して行えば良いだろう。」
「承知しました。それでは、クルー達の体調管理へと向かいます。」
倉次と呼ばれた博士は、恐山に一礼してモニター室を後にした。
出酢泥井のボス・恐山は一人、暗い部屋で秘かに笑う。
(……)
(我ら『出酢泥井』の目的は只一つ──『無駄なき世界征服』だ!)
(現代の人間は無駄な事に時間を費やしてばかり……)
(お陰で余計な喧嘩や環境問題をまき散らしているではないか。)
(だからこそ、我々が模範となって地球を統制するのだ。)
(『出酢泥井』…その名は、この世の古き理を壊す者達の名。)
「世の中の現代人よ…楽しみに待っているが良い。
無駄なき新しい時代の幕開けは、この私──恐山強介が担う。」
出酢泥井リーダー・恐山強介、そしてメカニックの倉次貝蔵──
──彼らは、ヒーロー達にとって大きな壁として立ち塞がる。
◆
一方、そんな事は露知らず、自宅にいる進は、
再度SEの面接を受けられる事を知り安堵していた。
(怪人事案の事情を組んで下さるとは、ありがたい企業ですね。)
さて、ヒノカ国に潜む闇の組織……その輪郭が、明らかになってきました。
これは、ヒーロー達の激戦は待ったなしになるでしょう。
……しかし、進は相変わらず、社会人ライフを貫こうとしているようですが。




