↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

39/40

第38話「出酢泥井最終決戦」

虎の子である最終兵器『PMM』が斃されても尚、不敵に笑う恐山。


禰音と虎次は、進の殲滅撃を見たばかりで内心落ち着いていなかったが、

何とか体面を保ち、恐山に降参するように言い返す。


「恐山さん、そこまでです。貴方の言う最終兵器『PMM』は、


ご覧の通り粉々となっていますよ。今更何をするつもりですか?」


「そうっすよ!今の『ぴーえむえむ』どう見てもスクラップ!


進のアニキにぶっ飛ばされたくなければ、さっさと降参するっす!」


しかし恐山は、ふてぶてしい笑みを崩さず、彼らに向かって言う。


「ふむ……お前達は分かっていないようだな。


私は一応『出酢泥井』という組織の長だ。長たるもの、


作戦の失敗を考えて仕込みの一つや二つは行うものさ。


そして進君。今、君が倒したPMMの破片……これには膨大な力が宿っている。」


恐山はそう言うと、PMMが砕け散った場所へと歩き出し、

床からPMMの破片を拾い上げる。


破片からは、青白い血液と思しき液体が滴っていた。


「……序でに話しておこう。私は只のおじさんではない。


『出酢泥井を束ねる者』として、少しではあるが怪人手術を受けているのだよ。


つまりは、ある程度は怪人の力にも適応できる、という事さ。」


恐山はそう言い終えると、何とPMMの破片に食らいつき、咀嚼して飲み込んだ。


(ブチッ……バリボリ……ゴクッ!!)


これを見たヒーロー達は、思わずドン引きしてしまう。


「うぇ……こんな床に落ちた得体のしれない物を食べるの……?


流石に衛生観念に反するんじゃない……??」


「あはは……怪人には何を言っても無駄だよ姉さん。」


そんなヒーロー達を尻目に、PMMの破片を食べ終えた恐山。


すると、彼の肉体はメキメキと膨張し始め、

やがて上半身のスーツが破れる。全身の肌は青白く光るものとなっていた。


「……待たせたな、諸君。私こそが出酢泥井を束ねる世界の支配者、


『パーフェクト・マニュアル・シング』こと『PMT』である。」


その姿を見たヒーロー5人は、異様さから全員が警戒態勢に入る。


「まず……君達ヘラクレスカンパニーには感謝しておこう。


君達がうちのクルーと戦ってくれたおかげで、


我ら出酢泥井の怪人に必要な戦闘データを取る事が出来た。


君達にはその礼として……我が野望の礎となるが良い。」


恐山、もといPMTはそう言うと、手の平を突き出した。

すると、手の平が光ったかと思うと、光線が飛び出していった。


(ビュンッ……ボゴォォン……!!)


やがて、光線は壁の後ろへとぶつかり、大爆発を起こす。

李夢はそれを見て、恐山の変貌振りに少し懸念を抱いていた。


(……速い。既に怪人であったとはいえ、あのビーム砲は速い方だね。


PMMの破片を取り込んだだけで、あんなに凄まじい変化が…?)


そんな李夢の一瞬の隙を突き、PMTはもう片方の手からビームを放つ。

ビームは李夢の方へと向かっていった。


「……ッ!」


李夢も咄嗟に手の平を向け、ベクトルを発生させてビームの軌道を逸らす。

それを見たPMTは感心しつつも、すぐさま次の攻撃に移ろうとする。


「ふむ……実に素晴らしい反応速度だよ、李夢君。


だが、次は全てを破壊する一撃だ。どこへ行こうとも逃げられない。」


PMTはそう言うと、両手を頭上に掲げて、光り輝く球を作り出す。

他のヒーロー達がどう動くかを考えていた中、突如として一人の男が動いた。


そう、佐藤進である。


「──これは、いけませんね。人や建物が破壊されてしまう。


こうなれば──本気の1割を解放します。」


進はこう呟くと、猛スピードで駆け出し、

ステージ上で力を溜めるPMTの下へと向かう。


彼は部屋を凄まじい速さで駆け、PMTのいるステージへとジャンプして上がった。


そして、PMTの頭上の球が大きくなった瞬間──進は、PMTの眼前に辿り着いていた。


「PMT──否、恐山強介。貴方の所業は多くの方の命を顧みないものです。


よって、ヘラクレスカンパニー社則第13条により、貴方をここで排除します。」


その言葉と共に、進の右腕から勢いよく拳が振るわれる。


「──1割パンチ。」


次の瞬間、進の鉄拳がPMT──恐山強介の顔面へと捻じ込まれる。


(ドグォォオッ……!!)


「……おごっふ!?」


──その奇妙な断末魔と共に、恐山はステージの壁に叩き付けられる!


(……バッシャアアアン!!)


ステージの壁に叩き付けられた恐山──もといPMTは、

原型を留めずに壁のシミとなってしまった。


(………………)


「……は?」


李夢でさえも後手に回らせた怪人のボスの、呆気ない最期。


これには他のヒーロー達や、隅で震えていた倉次も、

思わず目を丸くして見据えるしかなかったのであった。


一方の進は、目を伏せながらも静かに言い放った。


「──任務、完了。これにて出酢泥井は店仕舞いです。」

今回のエピソードはいかがでしたでしょうか。

もしも「この小説が面白い!」「これからの展開が気になる」という方がいましたら、

ページ最下部から★での評価や、ブックマークをして頂けましたら有難く思います。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。