第34話「Bランク連合大活躍!」
李夢と禰音らがアジトの入り口に入ると、
出酢泥井の怪人達は焦りながらも、迎撃体制に移る。
怪人達の見た目は、獣に鳥、虫、魚介類など様々であった。
加えて、ヒーロー達の気配を察知したのか、ドローンが飛んで来る。
しかし李夢は、「邪魔」の一言と共に手からベクトルを放ち、
彼らを当然の様に弾き飛ばしながら前へと走って行く。
その時、禰音は携帯端末を見ながら走っていた。
「技術班からの連絡によれば、回収したスパイカメラの電波は、
恐らく地下から発されているわ。でも、詳細な位置までは特定できないから、
取り敢えずは私達に着いて行動しましょう。」
禰音がそう言ってアジトの奥へと行こうとすると、
アジトの出入り口から増援の怪人とドローンがやって来た。
その上、玄関の右側の廊下からも、怪人達が次々にやって来る。
「オラァ!人様の家で何を晒しとるんじゃあ!」
「ヘラカンの奴らか!全員返り討ちにしてやるぜ!」
それを見た李夢は、気怠そうにしながら手を差し出す。
「はぁ……敵のアジトだから増援は来ると思ったけど、
考えるとやっぱりキリが無いよね……まあ、取り敢えず倒すか……」
李夢は戦闘の構えを取るが、次の瞬間、何者かにその場を制された。
それを制したのは、『不屈の少女』辰巳翼であった。
「待って、李夢先輩……先輩達は主力ですから、
ここは私達Bランク連合で何とかします。
だから、どうか先に行ってボスを倒してきてくれませんか?」
翼の呼びかけに対し、李夢は「危険に晒すわけには……」と言いかけるが、
彼女の声に呼応して、次々とBランクヒーローが名乗りを上げる。
「おう!翼の嬢ちゃんが言うなら、俺はここに残るぜ!」
「佐藤さんに貰ったやり直しのチャンスだ……ここで罪滅ぼしでもしますかね!」
「トマトが有れば何でもできる!さあ、怪人さんたち、かかって来なさい。」
ハンマー浜川、宇出太志、リコピンマンは、
入り口に残って怪人達と闘う事を決意した。
「ふーん……多数の怪人か。ザコよりも大物を狙いたいんだけどな……
まあ良いか。無双ゲームの達人っていうのも、箔が付くし。」
そして、赤い炎の意匠が施されたユニフォームの少年──半田英須も、
少し生意気そうな様子ながら、入り口の怪人を倒そうと準備を始めた。
李夢は当初、彼らを引き留めようとも考えたが、
彼らの強さを思い直し、渋々その場を任せる事とした。
「……ありがとう。分かったよ、この場は任せるよ。
でも、絶対に無茶して怪我するのだけは止めてね……?」
その言葉と共に、鳴神姉弟、進、虎次、山賊バズーカ、
入り口から正面のルートへと向かった。
一方、入り口に残った翼たち5人は、多数の怪人達と向かい合う。
「……あはは、李夢先輩の前だから大見得切っちゃったけど、
この数を相手にするのは、少し疲れるかな?」
「大丈夫です。この試合が終わったら、トマトを食べて元気を出しましょう。」
「おっと、お喋りはそこまでだ……来るぞ!」
浜川の言葉を合図に、多数の怪人が5人に襲い掛かる。
しかし忘れてはいけない。個性の強い彼らであるが、
ヘラクレスカンパニーでBランクを任されているヒーローであるという事を。
先ずは翼が腰に携えた木刀を取り出し、1体の怪人に駆け寄る。
「ちゃーしゅーめーん!!」
翼はそう叫ぶと、飛び掛かって来る怪人の脇腹へと木刀を薙いだ。
すると怪人は小気味の良い音と共に、横へとすっ飛んでいく。
早速怪人を1匹倒したが、翼の下には更に3体の怪人がやって来る。
そんな中、翼は、相手の攻撃をオーバーながらもしっかりと避けて、
逆に怪人達を木刀でノックアウトしていった。
「はい次!手の空いている怪人から掛かっておいで!!」
次いで、翼に負けじと、リコピンマン、浜川も怪人を蹴散らす。
「最後は必ずトマトが勝つ!リコピンパンチ!」
(ボカッ!!)
「ウゲェ!?」
「これが浜川様のハンマーじゃあ!吹き飛べぃッ!!」
(ブゥンッ!!ドガァッ!!)
「ギャアア!」「グフゥゥ!?」「ガベッ!?」
そして宇出が、深呼吸を行った後、集中力を高めて渾身の正拳を繰り出す!
「深呼吸よし!全身に酸素は行き渡った!必殺……『フトショット』!!」
(シュッ!ドギャーン!!)
「ぐわあああ!!」
ヒーロー達の猛攻に、次々と吹き飛ばされていく怪人達。
しかし、彼らの頑張りを嘲笑うかのように、
怪人達の増援が来た上、ドローンも集中砲火を開始した。
翼たち4人は、ドローンの弾丸を紙一重で避けながら、
怪人達を何とか捌いていくが、彼らの顔には疲れが見え始めた。
「確かに疲れるわね……でも、これくらいで諦める訳には行かないよね!」
「そうだぜ……俺は未だ償いの旅路なんだ。こんな所でリタイアなんてあり得ないぜ。」
そんな彼らを見て、端の方で怪人を倒していた半田は、
やれやれと肩を竦めながら話しかける。
「はぁ……皆は本当にしょうがないなあ。
こうなったら、この『天才エスパー』であるボクが、
怪人達を全部やっつけてあげるよ。だから少し集まってくれるかな?」
半田がそう言うと、皆は彼の後ろへと身を固める。
すると、浜川はニヤリとした笑みで「マジな超能力が来るぞ……。」と言った。
その言葉と同時に、半田は両方の手をパーにして突き出すと、
何と、彼の手の平からは勢い良く炎が放たれたのだ!
「フレイムスロウァー!!」
(ゴオオオオッ!ドッゴオオン!!)
炎の威力はすさまじく、沢山いた怪人達を一気に燃やしてしまった。
そして半田は他の方向や空中にも炎を放ち、ドローンや怪人を纏めて燃やし尽くした。
4人が気が付くと、半田の活躍により、
入り口付近の怪人の気配はすっかりと消えていた。
序でに、半田は念動力で辺り一帯の火を消して回っていた。
「……はぁ、疲れたや。どうだい?ボクの活躍は……実に素晴らしかったよね?」
仕事を終えた半田はドヤ顔で、翼たちに自慢する。
翼は「わー、本当に半田君は凄いね!」と褒めた。
しかし、浜川とリコピンマンは、その意見に異を唱えていた。
「まあ、普段の特訓もサボらなければ、もっと良い筈だろうさ!」
「序でに、トマトも残さなければより良いでしょう。」
そのダメ出し(?)に思わず、半田は顔を真っ赤にして焦り出した。
「ちょ、それは今関係ないだろ……!?」
こうして、何やかんやありつつも、
Bランク連合(半田はAランクだが)の掃討戦は勝利に終わったのであった。
この度は編集が手間取り、0時を回ってしまい申し訳ないです!
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