第30話「イルカ公園の死闘」
ヘラクレスカンパニーのヒーロー達と、出酢泥井の幹部2人が向き合う。
最初に動いたのは禰音であった。彼女は鋭い目つきで幹部達を睨む。
「……貴方達ね、このイルカ公園を滅茶苦茶にしたのは。
皆の憩いの場を壊すなんて、本当にマナーが成っていないわ。
しかも、ここで過ごしていた人たちは、ただ普通の日常を送っていただけ。
貴方達のような不届き者には、ここで退場して貰うわよ。」
続いて李夢も、静かに煮え滾るような怒りを見せる。
「あはは……禰音さんの愛する街、そして街の人達を傷つけた罪は重いよ?
みーんな、ぐちゃぐちゃのブロックにしてアジトに送り返すから。」
(進も文句を言いたかったが、何となく空気を読み黙っていた。)
しかしタイガーバズーカは、勝ち誇った顔で笑いだした。
「わーはっはっは!この程度で勝ったつもりか!片腹痛いだがや!
吾輩たちが、何も準備していないと思っていたのか!
行け、リザードマン!奴らにラーニングの成果を見せてやるのだ!」
タイガーバズーカがそう言うと、周りからガシャガシャと足音が聞こえてくる。
そして現れたのは、棍棒を持った夥しいトカゲのアンドロイドだ。
アンドロイド達が集まったのを見たバレットヤマアラシは、
高笑いをしながらヒーロー達に向けて喋り出した。
「ヒャーハッハッハ!こいつらは俺ら出酢泥井の発明『リザードマン』だぜ!
筋力も武器の扱いも人間より遥かに上のお助けロボットさ!
さあ、ヘラカンの馬鹿共を痛い目に遭わせてやりなァ!」
ヤマアラシバレットの号令と共に、周囲から数十体のリザードマンが迫ってくる。
それを見た禰音と李夢、そして進は、すぐさま戦闘の構えを取る。
「……あはは……数の暴力何か無意味。有向力、あいつらを押しつぶして。」
(……ズドン!!)
先ずは李夢が挨拶代わりにベクトルを放つ。
それにより10体弱ものリザードマンがスクラップとなった。
「李夢、相変わらずやるじゃん。さて、あたしも負けてはいられないわね!」
続けて禰音も、電撃で筋肉に刺激を与え、ナイフを持って素早く駆け抜ける。
(シュッ、シュッ!!ズバァッ!!ビシビシッ!!)
そしてすれ違いざまに、8体ものリザードマンを電気を帯びた刃で斬り、
程なくして機能停止させてしまった。
残る佐藤進であるが、彼が動いてからは一瞬の出来事であった。
彼は素早い速度で走り、残りのリザードマンを片手間に吹き飛ばす。
進のパンチに当たった彼らは、吹き飛ばされて鉄くずと化した。
リザードマンを全て倒された出酢泥井の幹部達であったが、
バレットヤマアラシは不敵な笑みを崩さず、針を背中から撃ち出す。
「ヒャッハー!!隙ありだぜええぇ!!
李夢ゥ!テメェはちくわになりやがれえええ!!」
バレットヤマアラシは前かがみの姿勢となり、
無数の針を李夢へと向けて撃ち出す。
李夢の元に降り注ぐ針。常人であれば避けようはない即死の連撃だ。
しかし、彼は焦る事なく両手を上げて、有向力の力を発揮する。
すると針は一か所に集められ、巨大な槍となった。
「……あのさぁ、君達僕のデータを集めているなら、
飛び道具は武器を与えるだけだって分かるよね?
時間の無駄だから、さっさと地獄に行ってよ。」
李夢は冷ややかにそう言うと、バレットヤマアラシに向けて、
巨大な「槍」をお返しする。
(ドゴォォォン!!)
「槍」は公園の地面に着弾し、凄まじい轟音と共に地面を砕く。
これでバレットヤマアラシは助からない──と思われたが、
そこには怪人の残骸らしき物は無かった。
「……あれ?あのヤマアラシはどこへ行ったんだ?」
李夢は一瞬首を傾げるも、すぐさま周りに耳を澄ませて思案する。
(……あの一瞬では流石に遠くへは行けない筈。
思い出すんだ、ヤマアラシの特徴を……。)
一方のバレットヤマアラシは、地面の中を掘り進んでいた。
(……フフフ、馬鹿共め。俺はヤマアラシの特性を持つ怪人だ。
穴掘りぐらいはお手の物だぜ!そして俺は近眼だが、
聴力と嗅覚はピカイチ!地中からでも人間の居場所は分かる!)
彼も李夢と同じく耳を澄ませた後、すぐさま一直線に地上へと進む!
(……あの足音、そして匂いはベクトルの野郎だぜ……
下から突撃して、針だらけにしてやる……!!)
そして李夢の真下から轟音がしたかと思うと、
バレットヤマアラシが地中から勢い良く顔を出す!
「ヒャッハアアアアアァァァ!!これで終わりだ……ってんん!?」
バレットヤマアラシは意気揚々と飛び出すも、
そこには李夢の気配はない。
すると、頭上から揶揄うような声が聞こえてきた。
バレットヤマアラシが見ると、何と空中には李夢が浮かんでいた。
「あはは……地中からの不意討ち……アイデアは悪くなかったけど、
僕も聴力は鍛えられているんだ。それに何より、有向力で空も飛べる。
残念だったね、ヤマアラシ怪人。さあ、終わりにしてやる。」
李夢はそう言うや否や、手の平を下げて、
バレットヤマアラシに向けて有向力を放つ。
すると怪人の身体は「ベギョッ!!」という音と共に、
身体が逆に折れ曲がった。
そして「ビャハッ……!?」という呻き声と共に、
バレットヤマアラシは機能を停止した。
ヘラカンが強すぎる!バレットヤマアラシを早速撃破!しかし、タイガーバズーカはどう出るのか?
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