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第26話「倒せ、魔釣の二大巨頭!」

冷風で皆が凍える中、コロシアムの入り口に立っていた怪人が言う。


「カッカッカッカ……どうじゃ、ワシの冷風は!


身も凍るような寒さじゃろう。申し遅れたな……


……ワシの名前は『マスクドかき氷』……そこのバチバチ太鼓と共に、


『魔釣』の親分をやらせて貰っている怪人じゃ!」


李夢は「マスクドかき氷」の名前を聞いて、少し冷や汗を浮かべる。


(……これはちょっと笑えないな。魔釣のリーダーが揃ってしまった。


進さんは兎も角、他の2人には危険だ。あの太鼓の出方を窺うよりも、


コロシアム諸共ベクトルで潰しておけば良かったか?)


それでも、李夢は全員で無事にこの場を乗り切る方法を考えていた。


しかし、そうこうしている内に、

マスクドかき氷は更に口から冷気を吐き出してくる。


それと同時に、踊ロイドやドローンの増援も、

コロシアム内の4つのゲートから続々とやって来る。


浜川とリコピンマンは、何とか近付いてきた機械を壊していくも、

寒さで徐々に動きのキレが鈍くなっている。


「ガハハ……流石に堪える寒さだが……ここで諦めちゃあいけないよな!」


「トマトは偉大……こんな寒さ程度で、止まる事などあり得ません!」


それでも彼らは、残った闘志を力に変えて食い下がる。

そして李夢も考えが纏まったのか、進達に指示を出す。


「皆、よく聞いて。今から少しだけ、怖い想いをするかも知れないが、


生き残る為だ。一瞬だけ、覚悟をしてくれるかい。」


李夢はそう言うと、両手を上げようとする。


しかし、彼らはまだ気付いていなかった。4人のヒーローの中に、

最強最悪のイレギュラーがいた事を。そう──佐藤進である。


その進は、李夢に対して咄嗟に言う。


「李夢様……一つだけ相談がございます。


あのかき氷機を倒す許可を、私に頂けませんでしょうか?」


予想外の進の問いかけに対し、李夢は一瞬面食らうが、

命知らずとも言える願いであったので、強く止める。


「佐藤さん……意味を分かって言っているのか!?


あの吹雪は、並のヒーローでは敵わないと分かっているだろう!


その中へと突き進んでいくなど、まるっきり無茶だ……!!」


進を必死で留める李夢であったが、それでも彼は引かなかった。


「いいえ……いや、どうか一度、信じては貰えませんか。


私は自慢ではありませんが、かつてカンパニーの試合で、


あのBランクヒーローの宇出太志氏を下した実績があるのです。


ですから……一度、ここは私の腕に、賭けてみてはくれませんか?」


本来なら根拠の薄いような、進の言い分。


しかし、進の凄みと意志──そして、実際に挙げていた結果もあり、

李夢は端末に進の発言を記録して、渋々送り出した。


「……はぁ、分かったよ。鳴神李夢、ここに怪人討伐の許可を出す!


佐藤さん……後は自分で何とかしてくれよ!」


その李夢の合図と共に、進がコロシアムの入り口に向かって走り出す。

進は冷風の中でも怯まず、がむしゃらに走り抜けていく。


その間、走る途中で、スクラップになったドローンを拾い上げた。


そしてそのまま、マスクドかき氷の懐へと進は近付いていく!

それを見たマスクドかき氷は、せせら笑いながら進に言う。


「カカカカカ……!吹雪の中を走る根性は見事じゃが、


拾ったジャンク程度でこのワシを倒せると思うたか!


よし、冷気の出力アップじゃ……!!」


マスクドかき氷が冷気の威力をアップしようとした瞬間、

彼の側頭部に向かって何かが振りかぶられる。


次の瞬間──


ゴギィッ!!


鈍い音が鳴り響き、辺りに機械の部品が飛び散る。


その音に李夢が振り返ると、何とマスクドかき氷の頭部が粉砕され、

中の歯車や螺子が飛び散っている瞬間であった。


マスクドかき氷を倒したのは勿論、佐藤進だ。

手には少しへこんだドローンの破片を持っている。


「……随分と貧相な機械ですね。


メンテナンスはきちんとしていましたか?」


進が倒れ行く怪人に対して、冷ややかに皮肉を吐く。

唐突に訪れた、まさかの──否、必然の番狂わせであった。


その様子を見た李夢は、驚きの余り、思わず乾いた笑いを浮かべていた。


「……あはは……僕が必死に作戦を立てていた怪人を、


スクラップの一撃で瞬殺……佐藤さん、『何て奴だ』だよ……。」


一方、長年連れ添った相棒を倒された事で、

バチバチ太鼓も狼狽えていた。


「……マスクドかき氷!?馬鹿な……あいつが一瞬で倒されるだと!?


しかも、何処の誰かも分からないペーペー風情に……?!」


勿論、その隙を見逃す李夢ではない。


李夢はバチバチ太鼓が驚いた隙に、自分にベクトルを掛け、

一瞬で彼のいる装置の近くにまで飛んで行く!


そして──


「あはは……戦場で、僕から一瞬でも目を切ったらお終いだよ?」


李夢は狂った笑みを浮かべながらそう言うと、

バチバチ太鼓に手の平を向けた後、勢い良く握りしめた。


「──圧縮。」


するとバチバチ太鼓は周囲からのベクトルにより、一瞬で押し潰され──


『ボン!』


という音と共に爆発四散したのであった。




進がやはり力技でしたね……w ですが、何はともあれ魔釣との対決は大勝利です!!


今回のエピソードはいかがでしたでしょうか。

もしも「この小説が面白い!」「これからの展開が気になる」という方がいましたら、

ページ最下部から★での評価や、ブックマークをして頂けましたら有難く思います。

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