がんばれ、虎次!
この度は展開を考えるのに苦労し、
投稿時間を大幅に遅れてしまい大変申し訳ございません。
今回は、虎次がヒーローとしての意地を見せます。
一方、虎次はテナガエビの怪人──エビパンチャーと対峙していた。
エビパンチャーは長い腕を振るいながら、鋏による突きを繰り出す。
一方の虎次も、バットケースから出した金属バットを振るい、
エビパンチャーが突き出してきた鋏を弾き返した。
「……ふん、伊達には鍛えてないようね、スカジャンの坊や。」
「当然っす。お前達みたいな怪人に、負ける訳には行かないっすから。」
虎次が勇猛果敢にバットを振るい、
ガードで耐えるエビパンチャーをじりじりと後退させていく。
(……今回はいける筈っす……。少なくとも、
前に戦った蚊とゴリラの奴よりは理不尽に強くないっすから……。)
そして虎次は、バットを力強く、下から振るい上げる。
凄まじいバットによるアッパーが、エビパンチャーの両腕に決まる。
この一撃には堪らず、エビパンチャーもガードを崩され後ずさった。
「……隙ありっす……『兜割り』。」
虎次が勢い良く懐に飛び込み、
エビパンチャーの脳天へとバットを振り下ろす!
──しかし次の瞬間、「ガキィ!」と鈍いが手ごたえの無い音が響く。
虎次が驚きながらも見ると、何とエビパンチャーは咄嗟に腕を交差させ、
硬い甲殻で虎次の金属バットを受け止めたのであった。
「……何すかっ!?」
「……流石、サイボーグの一撃ね。あたしの腕が痺れたわ。
でも……あたしの殻を破るには、まだ一押し足りないわね。
さて、ここからは第二ラウンド、本気でやらせてもらうわ。」
エビパンチャーはこう言うと、先程よりも素早く鋏を突き出してくる。
虎次はそれをバットでガードするので精一杯となった。
「おほほほほ!どうかしら、アタシの鋏による突きの威力は。
ほーらほら、どんどんスピードアップしていくわよぉ~!!」
エビパンチャーは虎次の努力をせせら笑いながら、
鋏の威力を上げていく。鋏に弾かれて後退していく虎次。
(くぅっ……中々反撃の隙が見つからないっす。
でも、よく見ると関節の部分だけは弱そうっすね……。)
虎次はエビパンチャーを倒すために、思考を張り巡らせる。
その時、彼女の関節を見た事で、ある事を思い付いたようだった。
一方のエビパンチャーは、徐々に突きのスピードを上げながら、
虎次をじりじりと追い詰めていく。
迫るエビパンチャーの幾重もの突き。
そして遂に、虎次は慌てた様子でバットを取り落としてしまう。
「あ──しまっ……」
「隙ありよ、さあ、穴の開いたレンコンになりんさい!」
本気で突き出される、エビパンチャーの左手の突き。
万事休す、かと思われた次の瞬間──虎次が不敵な笑みを浮かべ、
「……まんまと引っ掛かったっすね。」
と呟き、右側に避けたかと思うと、
左手の義手でエビパンチャーの伸びきった腕をホールドした。
「なっ……!?」
武器を取り落としたはずの男の、
まさかの反撃に狼狽えるエビパンチャー。
そんなエビパンチャーに対して、虎次はしたり顔で言う。
「確かにアンタの甲殻は硬いっす。
でも、関節の部分はどうっすかね?せーのっ……」
──バギィッ!!
その言葉と共に、虎次はてこの原理で怪人の関節を極め、
凄まじい音と共に自慢の腕を折り取った。
「うっ!?アタシの腕が……!!」
自慢の腕をへし折られ、思わず悶えるエビパンチャーであったが、
直ぐに気を取り直して冷静になる。
(……今の反撃は痛かったけど、アタシは甲殻類の怪人!
腕の一本ぐらい、直ぐに再生してやるわよ。
それにあの子も力を使った筈、私の殻を破れは……)
そう思いながら、エビパンチャーは切られた左腕に力を込める。
その次の瞬間、虎次が目の前に現れ、
エビパンチャーの口元に、義手の左腕を突き付ける。
「外からは駄目なら、中からこじ開けるのはどうっすかね?」
一瞬、何のことか分からず困惑するエビパンチャー。
しかし、カリラを通じて知った、虎次の情報を思い出した瞬間、
エビパンチャーは恐れ戦き、脂汗を流す。
「ま……まさか……や、やめ……」
「そう、そのまさかっすよ。『ブラストキャノン』。」
虎次はそう小さく言うと、義手の手の平が光る。
──カッ、ボゴォンッ……!!
そして放たれる熱線。エビパンチャーは口から熱線を流し込まれ、
頭部を粉々に吹き飛ばされた。
頭部を失い、倒れ行くエビパンチャーの身体。
エビパンチャーを仕留めた虎次も、疲労でその場にへたり込むが、
その顔はどこか晴れやかであった。
「進のアニキ……今回は自分で勝ちましたっすよ!」
今回のエピソードはいかがでしたでしょうか。
もしも「この小説が面白い!」「これからの展開が気になる」という方がいましたら、
ページ最下部から★での評価や、ブックマークをして頂けましたら有難く思います。




