閑話 がおー
「ドレイクの故郷はどこなんですか?」
ローワンがいない食事の場。キアラとドレイクに見守られながら、ルカは魔物の肉を口に運ぶ。
「俺の故郷……言ってなかったか?」
「モグ……聞いてなかったですね」
「確かに私も知らないです!」
「(あ、同郷ではないのか)」
ドレイクはドラゴンの血を引く亜人だ。日頃から魔物の肉も食べると言っていたことを思い出し、もしやクニクルスの出身なのか?と考えたが……どうやら違うらしい。
「俺の生まれは東の森に近い南領さ。ちっせぇ村だから貿易はしていなかったが、森から出てくるはぐれものを狩って生活してた」
「そうなんですか」
「南というと、カリーナ様のお父様が治める領ですよね!」
「そうだな。そんなに恩恵を感じたことはねぇが……まあのんびりした村さ。今度機会があれば来てくれ、歓迎するぞ」
「はい」
「ところで……ドレイクさんはドラゴンの血を引いてるんですよね?
火……吐けるんですか……!?」
キアラのきらきらとした視線が、ドレイクを刺す。
そこは先祖の話じゃないのか……口内に肉が詰まったルカは無言だ。
「火……は吐けねぇが、鳴き声は出せる」
「鳴き声……?」
「聞きたいか?」
「はい!!」
「よしきた!」
嬉しそうに笑って、体をぐっと構えるドレイク。大きく息を吸いこみ、肺を膨らませ……そして、爆音の声を放った。
その日、森の魔物たちが普段より活発になったらしい。巡回の兵士が苦戦したと報告が上がった。
そしてドレイクは始末書を書かされたが、ルカとキアラは一言もそれについて言及しなかったという……。




