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銀河の親子  作者: leather


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閃光

「オリオン、昴君たちの気配は?」


「ありませんが、別れた場所はこのあたりです。多少声をあげても平気でしょう」

その言葉を聞いて少し声を上げて二人を呼ぶ、すると森の奥のほうから『お兄ちゃん?』と茂みがゆれた。


僕におぶさっている父に気づいたのか、『ルナ!お父さん来たよ』と歓喜の声で妹を呼んだ。


『おとうさ〜ん』と二人が走ってくる、宙も子供達の名を呟き僕に『降ろしてくれと』囁く


僕は慎重に宙さんを着地させ支える。宙は昴とルナを両手で抱きしめ涙ながらに待たせたこと、不安にさせたことを詫びた。


子供達は無心にしがみつく、僕はそんな光景を目にして心からの喜びとこの先に必ず訪れる悲しみの感情からくる涙をかみしめ佇んでいた。


しかし宙さんの体調は決してよくない、だれかに言われるまで子供達を放すことはしないだろうと思い声をかける


「宙さん、ここではなんですし場所を変えましょう、少し拓けて横になれる場所へ」


宙は『そうだな』と頷き立とうとする、僕は片をかし昴君に基地から持ってきた食糧と飲み物等が入ったバッグを渡す。


「これを持ってきてくれるかい? あとさっき渡した僕のリュックももってきてくれるかな」


すると昴は初めて出会った時とは比べ物にならない満面の笑みで頷いた。


宙は片手をカイに預け、もう片手はルナの手を握り足を引きずりながら歩く。

その姿をみて子供達は父が具合が良くないことを知った。


それを察したのか宙は子供達に笑って『足を少し捻っちゃったんだ』と強がってみせたが子供達の不安げな感情は消えることはなかった。


「ここにしましょう」


カイは適当な広さのできるだけ平らな所を見つけ多少整地し宙を慎重に下ろす。


宙を挟むように子供達も座る。

改めて宙は子供達を不安にさせたことを謝り体調や空腹を確認すると、昴はカイからお菓子や飲み物をもらったので平気なことを伝えると宙はカイに心からの感謝をのべた。


「いいんです。それより宙さんも少し口にした方がいいです。昴君、チョコと飲み物ある?お父さんにあげて」


「はいっ」といって昴は宙に渡す。


このような状況下に『チョコレート』はまさにうってつけで疲れた身体にも、脳への糖分補給にもストレスの発散効果もある逸品だ。


今でこそ駄菓子として流通しているが古代メキシコのアステカ文明の時など通貨として利用していたほど貴重なものだった。


カカオ100粒と奴隷を交換していたらしい、今ではカカオ1キロで千円から一万円で購入できるものが古代では人と交換していたなど、その時代の価値観ほど愚かな物はない。

今でこそ金、石油、ダイヤモンドなど過去に高価とされていた物も人工で安価にできるようになったが、その当時はある意味人の命より貴重なものだったことが過去の事件から伺える。


そのくせ人命第一などと学校では矛盾を教えるから頭の良すぎる子供が理解に苦しみ不良になる気持ちもわからなくはない、その矛盾にちゃんと答えることができないくせに頭ごなしに『正しさ』の押し付けをするからだ。


これはある種の暴力だ、なのに暴力反対も唱える。そんな大人を沢山見てきた。だが、いま目の前にある光景はまごうことなき『愛』


思い返せばこの旅は人の醜さの残滓は目にしたが、人からは美しさばかりを見せて貰えた。いい旅だった


「オリオン、僕らも休もう」


と言い子供の隣で大の字になって寝そべる、それを見た宙も『いいね!』といって寝そべる、子供達もそれに習った。


それから色々な話をした。

子供達は父親が来てくれて本当に嬉しかったのだろう、この世の混乱などなかったかの如く学校でのことや待っている間に捕まえた虫のことなど沢山話してくれた。


僕と宙さんはそれに合わせ相槌を打った、最初は無理にでも明るくしていたがそのうち本当に楽しく笑い声が自然とでていた。


どのくらいそうしていただろう、そのうち子供達は安心したのか寝てしまった。

「いい旅だったなぁ」ボソッと呟いた。


「…もう、終わるのか?」


僕は答えることができず沈黙する。


「何か知っているのだろ?気にせずに言ってくれ、私はもう満足だ…最後に子供達とこんなふうに過ごすことができて、終わるのだろ?」


「……はい、終わります」


「全てか?」


「はい、全てです」


「…そうか…屋上で何をしていたんだ?」


「未来への希望です」


「うまくできたのかな?」


「はい、うまくいきました」


「なら、もう思い残すことはないな…ありがとう」と言って静かに目を閉じる(瞑る)


その後

曇天の空が眩い光に包まれた。

カイはボーッと光を見つめるが不思議と眩しくても目を閉じることはなかった。

何か見える、あれは…兄? と父もいる、昔の記憶?死ぬ前に見ることのある走馬灯というやつか?


…いや、違う、兄も大人だし父も老けている、側には母の姿も…


「あ…ぁぁぁ、オリ…オン…僕は…5…じげ…んに…とど…い…た…よ……きみは…6じ…げん……」


カイの最後の言葉を聞いたオリオンも消失は目前だった。


「カイ、お疲れさまでした」


「実は私は解明していたのですよ。オーパーツの謎、すべてを…でもそれを言うべきでないと思いました… 」


「来世があるならまた、会いましょう…」


その言葉を最後、『ジジジッ』という音とともにオリオンのデバイスが消失する……


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