表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
聖女ノアールの受難 〜私のMPはゴミクズ勇者のためにあるのではない〜  作者: 水上 空


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

9/31

絶景かな?……いや、ここ魔王軍の陣地じゃねーか!


『死なずの迷宮』を攻略し、少しだけ自信をつけた一行。次なる目的地は、聖女の加護を高めるという「精霊の森」……のはずだった。


ノアール:「いい? アイリスさん。地図は渡したわよ。北に向かって進むの。北よ? 太陽の出る方向を間違えないでね」


アイリス:「心得た! 騎士の直感、北を指し示している……いざ、出発!」


カイト:「楽しみだな、旅路の弁当! ノアール特製のおにぎり……」


カイトがおにぎりを頬張ろうとした瞬間、足元の小石が絶妙な角度でカイトの靴底を弾く。


カイト:「あ。……おにぎりが……」


転倒したカイトの喉に、特大のおにぎりがスッポリ。

三途の川(本日1回目・通算15回目)


カロン:「……おかえりなさい。死因、『旅立ち5秒後のおにぎり窒息』。……カイト様、せめて街の門を出てから死んでください」


カイト:「ノアールのおにぎり……具が『梅干しの種』ごと入ってて……」


カロン:「(無言でドン!)はい、15個目。……あ、ノアール様が今、おにぎりを握りつぶしながら『もう次はこしあんにしてやる』って呪文を練ってます」

門を出た瞬間にひっくり返って動かなくなったカイトの傍らで、ノアールがプルプルと震えながら、手の中のおにぎりを「メキメキ……」と握りつぶしていた。


アイリス:「……ノアール殿。おにぎりが……おにぎりが可哀想な形になっているぞ。カイト殿も、米粒を鼻に詰めて安らかな顔をしている……」


ノアール:「(虚空を見つめ、糸のように細い声で)」

『――朝一番、丹精込めて握ったおにぎりが、殺人兵器に変わるなんて誰が予想したでしょう。梅干しの種すら噛み砕けない軟弱な顎に、私の慈悲を。……次は飲み物なしでは飲み込めないほどの「超高密度こしあん」を喉に詰まらせなさい。……【いい加減にしろよこの食い逃げバカイトォォォ・レザレクション】!!!』


シュパァァァン!!(もはやヤケクソ気味に輝く神聖な光)


カイト:「(ガバッ!)……ぷはっ! ……ただいま! ……って、ノアール。なんか今、来世の夢でおにぎりの山に埋もれてたんだけど」


ノアール:「(冷徹な眼差しで)……それは夢じゃないわ。私の呪いよ。さあ、今すぐ鼻に詰まった米粒を出しなさい。アイリス! もういいわ、勝手に進んで! どこへでも連れて行ってちょうだい!」

アイリス:「心得た! 騎士の勘は、あの不気味なトゲ付きの砦(魔王軍基地)を『精霊の家』だと告げている! いざ、前進!」



アイリス:「着いたぞ! ここが精霊の……いや、なんだか物々しいな。精霊とは、トゲ付きの肩当てをして、トマホークを振り回す種族だったか?」


ノアール:「(絶叫)それオークの精鋭部隊よ!! アイリスさん、北って言ったのに何で南の『魔王軍前線基地』に来てるのよ!!」


ルナ:「あ、あわわ……見つかっちゃいました! 敵がいっぱいです!……【広域殲滅:スターダスト・レィ】!!」


パニックに陥ったルナが、最大級の光線魔法を放つ。しかし、光線はオークたちを綺麗に避け、ジグザグに反射を繰り返して、最後は木の後ろに隠れていたカイトを背後から貫いた。


カイト:「(あ、背中からお日様が見える……)」


ノアール:(迫りくるオークの大軍を前に、般若のような顔で杖を振り上げる)

『――方向音痴に連れられて、死地へ飛び込むマヌケな盾。おにぎりの種を出す前に、自分の魂を口から出すんじゃないわよ!……【いい加減にしろよこの方位磁石バカイトォォォ・レザレクション】!!!』


ズドォォォォン!!(蘇生と同時に衝撃波で周りのオークが数体吹っ飛ぶ)


カイト:「(ガバッ!)……ただいま! ……って、ノアール! 敵の数、多くない!?」


アイリス:「む!? カイト殿、生き返るたびに衝撃波を放つとは……。もしや死ぬことで周囲を攻撃する新手の格闘術か!?」


ノアール:「違うわよ!! 私のストレスが爆発してるだけよ!!」

結局、カイトが死ぬたびに放たれる「蘇生衝撃波」にビビった魔王軍が一時撤退。その隙に一行は森へ逃げ込むことに。


カイト:「ふぅ……。なんとか助かったな、アイリス」


アイリス:「ああ、すまない。次は必ず北へ……おわっ!?」


アイリス、木の根っこに躓いてカイトにタックル。そのまま二人は崖下へ真っ逆さま。


ノアール:「一難去ってまた三途の川かぁぁぁぁ!!」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ